これは常に3歩先を歩んでいたはずのSが、後輩にあたるY(iPS)に大逆転をされたことの焦りから行動に出たものであろう。H.Oの裏方に徹しているものの、真のプロデューサーはSである。
②Wkはどちらかというと被害者に近い。技術エクスパートとしては、我慢の限界・良心の呵責の限界であったろう。
③Ph.Ymは別所に逃げているが、非常に厳しい未来が待っているやに違いない。Sの最大級の協力者の可能性がある。
なお、これは完全な勘だがPh.Tkは論文は最後の方しか読んでいなかったか、ほとんど読んでいないのではないだろうか。いずれにせよ大きな汚点となった。
④Ph.Tsuは立場が微妙だ。元の鞘に収まることはできまい。ここまで名前が知られては、部屋持ちは厳しい。また、大家さんが許すまい。もし、大家が知らぬふりを続けたなら、150年の歴史にさらに泥を塗る。
⑤V氏は得体の知れないお方だ。研究者でありながら経営者としての顔も持つ。今回の件では極めて深い関係があり、Sとの何らかの暗黙の了解があったことさえ想像してしまう。
一連のことがひとまず整理されたなら、Sは現場を去らなくてはなるまい。数々の栄光に輝いた彼の人生で唯一の、しかし消し去れぬ巨大な汚点となる可能性が高い。
また、その後釜にはWの可能性がある。
ただし、Wには反対派がいそうだ。
H.Oは研究者には向かないに違いない。いや、まず間違いなく研究者には不適格だ。
落ち着いたなら、しばらくは海外で静かに暮らした方いい。
ベルリンの壁が落ちた時は驚いた。
今回の件は、それと同レベルの驚きであった。
あの会社もたいへんだ。
いや、大学の方が、より致命的だ。
今後の展開に目が離せない。
なお、私はSのことを心配している。
世間では、H.Oの身を心配する意見が大半だが、私の勘では、彼女はしたたかである。さほどの心配はいるまい。むしろ、親たちが可哀想だ。
また、Sは順調過ぎる人生を送ってきたから、Yに追い越されたこと以外に、大きなショックの経験がない。
むしろ危ないのは、Sである。
いや、待てよ。
あの騒動の最中、自分の表彰式に出るくらいだから、Sもなかなか打たれ強いのかな。

しかし、文科省も無理なことを言う。
あと1ヶ月程度でキメラマウスの検証まで行うのは、時間的に不可能である。