
私はみてない派
何十年前の話だったろうか。
まだ私が中学か高校の時だったろうから、40年くらいは経つだろう。
21世紀は、宗教と遺伝子が優位を占める世界となると予測した人がいた。
まだ当時は卓上計算機さえなかった頃で、今の100円簡易計算機レベルの機械は、タンスくらいの大きさで100万円はした。
とはいえ、簡単な四則演算もプログラムを組んで初めて機能するものだったから、今のようにボタンを押せば答えが出るという代物ではなかった。その家が建つくらいの機械を、我が田舎高校が買った時には驚いた。からかい半分遊んだが、自分にはプログラム能力がないことと、粘土いじりしている方が楽しかったから、ちらり触っただけである。
当時の機械はその程度だったから、まだ21世紀がこれほどのコンピュータ世界になることは、その未来学者でさえ考えていなかったようだ。
しかし、その中に面白いことが書いてあった気がする。
近い将来は、ますます情報が膨大となり多様化する。だから、我々はその情報に振り回されないよう、情報の取捨選択を誤らないような知識を身につけて、自分を守ることが大切だ。
確か、そんな内容だった気がする。
確かに、現在はその未来学者が予想した以上に、情報が膨大、多様化し、また瞬時に得られるという世の中になったと言えるだろう。
このあたりを考えて、じゃんけん世界をみてみる。
じゃんけんは考えることを、ほとんど必要としない。
かつ、瞬時に答えが分かる。
これには、判断するという作業がほとんど伴わない。
換言すれば、過去の過程や努力は結果に、ほとんど結びつかない。
しかも、明確な結果が出る。
これと似たことが宗教だ。
トーラーなど、ごく一部の宗教関連物を除いて、そこに自分の意思や判断を必要としない。原理主義とかいうものは、この傾向がより濃いように思える。
つまり、じゃんけん同様、ほとんど考えるという作業を伴わない。
頭を使うのは、その教えに従うかどうかであり、教えそのものに疑問を挟むことはタブーであるに相違あるまい。
考えることはYESかNOだ。
これと似たものがブログネタである。
~が好き?
~どっちがいい?
といった、選択肢の狭い回答を求める。
その他の意見は、最初から設定しないわけだ。
こうした方法により、白紙状態の人間を簡単に色塗りできることとなる。
今はブログネタ回答レベルだが、これは戦後教育でも同じことが言えるし、一部の国のように、ファンタジーを事実とさせてしまう、政治的な力にさえなる。
いや、国を統べる者は、常にこれを利用してきたことだろう。
ただし、コンピュータ世界が拡大し、世界中のかなりのニュースが瞬時に見られるようになった現在、これは統治者を脅かす存在となってきている。
リビア、チュニジア、エジプトなど最近の例に限らず、ドイツが統一されソ連がロシアやウクライナなどに分裂したのも、またチャウセスクが虐殺されイメルダがハワイに逃げたのも、こうした情報化社会の産物だろう。
もうすぐ上海で、情報解禁が始まる。
威勢者にとっては、両刃の刃の開放が。
また、ファンタジー歴史創作国では、ファンタジートリックが暴かれないよう、いっそうファンタジーが過激になる。
そんな風に考えると、お隣の常軌を逸した反日活動も分かりやすい。
ただし、こんなお芝居に辛抱強く耐えているのは日本くらいだ。
多くの国は、サッサと見切りをつけてしまっている。
日本には、当該国寄り、または一心同体のマスコミや国会議員も多く、かなり複雑な理由はあるとはいえ、そろそろ限度かも知れない。
ただし、じゃんけん方式の教育やら環境で生まれ育つと、こうした状況は×となるだろう。
その意味では、彼らが日本と日本人を破壊する活動は成果があった。
ただ、彼らもここまでコンピュータ、インターネット世界が急速に訪れるとは考えていなかったのだろう。
過去の嘘がバレ、金メッキが剥がれ出した。

