ある映画の話 ★イースター島 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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あるブロガーさんが『コン・チキ』について書かれていた。
コン・チキとは確かインカまたはポリネシアの神の名前だった気がするが、よく知られているのはヘイダールの冒険航海の舟名だろう。

南アメリカ大陸から何千キロも離れた太平洋の中の孤島、例えばタヒチやイースター島あたりに、人はどうやって移動したのか? 起源は?

彼らポリネシアンは、遠くはエジプト・ギリシャ・ローマの人々に繋がるのではないか。また、近くは南アメリカのインカ文明に繋がるのではないか。

そんな思いが、ヘイダールという若い学者を、太平洋を葦筏(いかだ)で横断するというとんでもない決意へと導く。

映画は観ていないが、おそらくそんなところだろう。




これで思い出すのがフランスあたりが制作した、イースター島の鳥人間祭、あるいは卵祭に関する映画だ。

日本で公開されているかどうかは知らないが、イースター島にあったという、かつての祭、あるいは生きるための戦いの伝説を映画化したものだ。


イースター島はSFやら怪しい擬似科学でも有名な島である。

まさに絶海の島。

絶海の島というと、よくガラパゴスが出てくるが、このイースター島はガラパゴスの比ではない。

ガラパゴスが大陸からせいぜい1000km離れているだけに対し(それでもすごいが)、イースターは3000km。いや、それだけではない。最近になって移住した島、軍事関係で人が駐在する島を除けば、古くから人が住む一番近い島まで、やはり3000kmは離れているだろう。ちなみに、比較的大きな島タヒチまでは4000kmだ。
まさに、地球上にある最も孤独な島である。
ギネスブックにも、人が住む最も孤立した島とある。

ここには巨大なモアイ像があり、一部SFファン、宇宙人ファンは、宇宙人基地だと唱えている。なんでも磁場異常が強いということだが、私が知る限りたいしたことはない。おそらく溶岩の多い富士山山麓ほどではあるまい。だいたい、イースター島は溶岩島だから、多少の磁場異常があって当たり前だろう。

が、こうした話は楽しませてはくれる。


イースター島は先に述べたように絶海の島だ。当然ながら他の島々との交易もない。いや、昔は事実上不可能だ。


そこで問題になるのが食糧だろう。


イースター島は、元来緑豊かな島だった。しかし、人が増え権力争いが生じ、その象徴たるモアイ像が量産されるようになる。
木の切り出し、運搬に森林を伐採する。
その結果、島から豊かな土が消え、食糧難に陥る。

こうなると食糧事情は一層悪化する。
そのために、年に一度祭を行う。

この祭は鳥人間祭または卵祭(日本語では正式に何というか不明)と呼ばれるもので、本島から1kmくらい離れた岩礁に行き、そこに産みつけられた卵を採ってくるというものだ。

なんだ、たかが1kmかと思う人もいるだろう。

が、これは日本の海とは違う。

常に荒波が立ち、速い流れの海流もある。サメもいるだろう。まさに命懸けなのだ。


ここで、最も早く本島に卵を持ち帰った男の部族が、次の年の卵の採取権を得る。
北海道の利尻島ぐらいしかない。瀬戸内海の淡路島の4分の1程度の島だ。

こうしないと海鳥の卵という重要なたんぱく源が消えてしまい、住民全体が消えてしまう。

厳しいが、ある見方をすればしかるべき掟だろう。

みんな仲良くでは、島住民が皆滅びてしまうからだ。



フランス映画はそれだけではなく、老後問題をも扱っていた。

年老いた者は、稀にやってくる白い神の島(=氷山)に乗って、神の世界へと旅立つのである。


悲しいかな、これも島民を守る知恵なのだろう。









昼寝をし過ぎて、変な時刻に更新。

失礼。





蛇足

つい最近、イースター島を日本にという話があったらしい。

が、真偽は明らかではない。