つまり、この世には悪がはびこったから、世界は終わるのだという話である。
こうした話に付随して出てくるのが、新たな境地に立てた者は救われるとかいう思想である。
と同時に、自然現象が人の手により操作されているというような、荒唐無稽な説まで生まれてくる。
エセ科学の特徴の一つに、比較的客観的な事実を並べ、途中にひとつふたつのインチキを入れるというものがある。比較的インテリが、そんな落とし穴にはまり信じやすい。
その代表がオウムである。
あるいは、日本で最も成功している新興宗教である。
前者はさらに、宇宙を結びつけて、より壮大なものにしたに違いない。
後者は、最先端の科学をうまく取り入れ、いかにもの説を繋げていき、あるところで話の連続性が無くなるにもかかわらず、そこに人が持つ弱さを糊として用い、心理的な繋がりを作ることで不連続が見えなくなるよう工夫している。
実にうまい方法である。
もし私が子どもの頃からそうした教育を受けていたなら、ほぼ100%疑問を挟むことなく信じてしまうだろう。
ここでいう人間の弱さとは、孤独感とかいう類いのものだけではない。
一種の優越感もまた、人の弱さなのだ。
さて、こうした宗教とエセ科学の繋がりを話していきたいが、宗教に関してはあまりにも知識に乏しい。
だから、エセ科学について考えていってみよう。
エセ科学の代表は、今ならHAARPとか呼ばれる気象兵器、あるいは地震兵器とされているものだ。
これについては過去にも簡単に、一見科学的な内容の論の中に、話にならない矛盾を含んでいることを書いた。
さて、次回はまず、その地震兵器とやらの理論の矛盾点を挙げていく。
10のうち10すべて科学的だが、それを繋ぎ合わせるとどうしようもないインチキ理論ができる例だ。
では、次回。
