
ふと、違和感を感じた。何かが違う。
しばらくして、私はそれが、葉の色であることに気づいた。枝についている葉も、また落ち葉もくすんでいる。 落ち葉は、紅葉してから落ちたのではない。枯れてしまっているのである。

そんな林の中でムラサキシキブを見つけた。都会や屋敷で見るもののほとんどが、濃いムラサキで実がぎっしりついたコムラサキになってしまい、この質素なムラサキシキブはずいぶんと少なくなっている。

東京でも、皇居売店の喫煙所付近にはムラサキシキブがあるが、それを除き23区では見たことがない。
植木屋や花屋で売っているものも、ほぼ100%コムラサキだろう。
しばらく歩いて、次の林にはヤマハッカが咲いていた。

その足元には、艶やかな紫の花を咲かせたマメ科植物。
これは園芸品が根付いてしまったか、帰化植物が侵入してきたかであり、おそらく日本古来のものではないだろうな、などとその色から推量した。

林の縁は、ビールでお馴染みのホップ。
ではなく、その近縁種であるカナムグラが生い茂っている。

人家近くには、ヤマブドウがたわわに稔っているが、口にする者はいない。
いや、一人じいさんが一粒口に入れたくらいだ。

河原に出ると、数千個のノブドウが生い茂る秘密の場所に出る。
昨日もアップしたように、この画面に写っているものだけでも、千個近いかも知れない。

この秘密基地にほど近いお寺には、野山とは少し違った秋が顔を出していた。





今回は残念ながら、アオツヅラフジ(昨年撮影)を見つけることはできなかった。

色のバラエティーという観点ではノブドウに勝るものは思いつかないが、色合いの素晴らしさで見ると、このアオツヅラフジあたりはトップクラスだと思う。