ATG・日活 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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世間を少しばかり斜めから見てしまうしま爺さんの短編小説や随筆集などなど
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例えば、おてもやん顔のおしん、日本人の笑顔というイメージに合致したおはなはん(若い人には分かるまい)、あるいは東野英次郎・黄門のカッカッカように、はっきりとその1シーンが固着し、脳細胞の一部になっているものがある。
一方、一場面ではなく、雰囲気を体全体が覚えている役者というものがある。


三船俊郎、原田芳雄、松田優作、梶芽衣子、悠木千帆(樹木希林)、桃井かおりなどが、私にとってはその代表だ。

これらの役者は、銀幕の端に写っているだけで匂いや臭い、風が伝わってくる。

それら両方を持っている笠智衆は、私の中では別格の存在である。
そういや笠智衆は、893稼業を営む方にも鬼と恐れられたかも知れない、父方の祖父に似ている。
祖父は私が生まれたときにはこの世にはなく、写真でのみ知るだけだが。
田舎高校の百年史の中に、この祖父のことが書いてあったのを見つけた。が、家で祖父の話題はあまり出なかったなあ。


話を戻そう。

具体的に原田芳雄さんのどの映画、どのシーンが印象深い?
そう問われても、パッと出て来ない。
Mr.スポックが原子炉の制御棒を操作し、新しい星、命の源となるのははっきりと覚えているのにである。
あるいは、“もう頬づえはつかない”の桃井かおりの、出演名者が出てきてちらほら席を立つ人が現れ始めた、最後の2、3秒ははっきり覚えているのにだ。


ただ、彼のイメージとして、私は理想的な男を見ている。 あるいは、日本人を感じている。


学生時代、東北の田舎大学にいさせてもらった私には、映画の世界はあまり身近ではなかった。
が、ある時三田にある大学に学ぶ同級生が、ATGはすごいということを、口から泡をださんばかりに話した。
私たち世代、特に栃木の山猿が住む田舎人にとっては、三田の学校は赤門よりはるかに遠い存在だった。

赤門には、今や偉そうな髭を生やした高校時代の親友がいて、石神井にある彼の下宿に行ったことがある。
田舎なら馬小屋。私の下宿よりはるかに質素な部屋だった。

しかし、三田の方は、田舎ではお大尽様の息子をもってして、俺は大学一の貧乏人さと言わしめた。

その彼が熱をもって語ったのが、ATGの作品群だった。
昔風にいえば、かなり左寄りの映画だったかも知れない。
それから、私もずいぶんと映画館通いをした。
飯を抜いて、日活も明け方まで見た。
もちろん、こちらは別の理由ではあったが。



なんか話がまとまらなくなってきた。



とにかく、原田さんのご冥福を祈りたい。











関係ないが、今日は何の日?

昨夜の騒ぎは何だったのだろう。


また、不思議世界が増えた。