Thanksgivingを前にした盛り上がりは前回書きました。日本の年末、お正月のあとには、一通り伝統的な行事を堪能したあと、デパートや商店の「初売り!」「福袋!」のチラシが気になりだしますが、こちらも全く同じようです。Thanksgivingからクリスマスの間が一番の書き入れ時のようで、新聞のチラシはもちろん、ネットで、e-mailで、あれやこれやの手で宣伝をかけてきます。
もっとも毎年、Thanksgivingの翌日早朝から大セールが始まる、というのが恒例なので、みなさんそれも全て計画に入れているようです。その日はいつも10時開店のお店が朝5時に開くそうで、一番乗りをめざす買い物客の人たちは4時には起床するということです。前日、お昼すぎあたりから夜までずっとご馳走を食べ続けた上で乗り付けているとすればすごい体力!ですが。ただ、今年は悲劇が起きました。5時の開店前に外で待っていたお客がどんどん開門前のドアを押した挙句、ついにドアが壊れて人々がなだれ込み、警備員の方が犠牲になったのです。一体、どんな理由がそこになりたつのでしょう?
我が家は休暇の混雑を避け、ショッピングモールにも寄り付かず自宅とDC界隈で過ごしました。Thanksgiving当日には隣人宅でとても手厚いおもてなしをうけました。美しい調度品で整えられたお部屋に人々が集まり、その日初めてであった方たちとお話をしながらお料理を待ちました。そして奥様が代々受け継いだという食器や銀器を並べた食卓でいただいたご馳走のおいしかったこと!七面鳥、そしてリンゴとソーセージの詰め物をしたがちょうのロースト、コーンミールの入った付け合せ、さつまいものピューレ、アスパラガスのロースト、サラダ、そしてデザートにはパンプキンパイとピーカンパイに生クリーム、また手作りのチョコレートソースもありました。奥様は南部出身の敬虔なクリスチャンで、お食事の前にまさに「感謝」を捧げることも忘れませんでした。アメリカの食生活、というと、マンハッタンのきらびやかなレストランやバーの雰囲気から、ファーストフード、あるいは街道沿いのダイナーにいたるまで様々なイメージがありましたが、「家庭料理」の豊かさ、あたたかさ、そして伝統を感じました。「母はこうして作ったのよ」「これは主人の母のレシピなの」などと、故人をしのびながら次の世代につなげていく、こうした時間を年に一回でも持つのは、長い時間の流れの中にいる自分、あるいは世代と世代の間の橋渡しをしていく貴重な経験だなあ・・・と心から思いました。その時間を外国からポッとやってきた隣人にも分けてくださったアメリカの懐の深さも身にしみました。
こちらも少しがんばらなくては・・・・!
アメリカは27日のサンクスギヴィングに向けて、気の早い人はもう里帰りの路についているようですが、多くの人たちは明日の午後から仕事がお休みになり、いざ動き出すようです。そうだ、そうだ、買い物しとかなきゃ、と思い立ってふらりと車で出たところ、道もお店の駐車場も大混雑!スーパーの駐車場では、普段は土日にしか出ないPOLICEと書いたチョッキを来たいかつい人々が、アメリカにしてはとても細やかな道路整理をしていました。店内も、人!人!人!お肉売り場にいくと、いつもより何だか棚全体が白っぽいな~、と思ったら巨大なターキーがごろごろごろ。まだ完全にチルドの状態なので、それを室温にして詰め物をして焼くには相当時間がかかると思われますが、けっこうバンバン買い物カートに皆さま入れてらっしゃいました。そして店内のいたるところに、ロースト・ターキーを焼くためのアルミホイル皿やら、付けあわせ用のソースやスパイス、デリの場所には洒落たおつまみの巨大セット、ハム売り場には巨大なハムやソーセージがゴロリゴロリゴロリ、とこの人たちは一体いくら食べるつもりなんだ!!と驚きの連続でした。
その一方で、帰りの車のラジオでは「アメリカ人がこの季節のご馳走で摂取する平均カロリーは・・・」「ええ、一食を運動に換算しますと、テニス7時間、徒歩36時間・・・」
がんがん食べて、がんがん運動。ダイナミックだなあ~・・・と思いながら運転していると・・・
「と、そんな食べてはカロリーを全量消費できる人はめったにいません。こうしてアメリカ人はこの時期のご馳走分だけでも毎年体内に余剰カロリーを蓄積していくのです・・・」
おお。やはりそうか。気をつけよう。
