tasteless,timeless -2ページ目
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Frankie Roseが2012年2月にリリースしたアルバムIntersteller


2009年にソロ活動を始めて、2010年リリースしたFrankie Rose & The Outs名義のセルフタイトルのアルバムが最初なので、これが2ndということでいいのかな。


このアルバムは、リリース当時メディアからも評価が高かったのを覚えてます。私も先行シングルの超キャッチーな80sポップのKnow Meは、すごく大好き。でもアルバムそのものは少し自分の中で入り込み切れない感じがあり、あまり繰り返して聴かなかった。何かこうちょっと全体的に若干スペクタル?な感じのテクスチャーにちょっと腰が引ける部分があって。


私の悪い癖?なんですが、何でもつい以前の気に入っているものと比較してしまって、新しく得たものよりも失われたものの方に意識が向いてしまい、何か寂しいというか残念だなという感覚が先に来てしまう。複数回聴いてもその感覚にあまり大きな変化が起きなければ、自分の中で一旦そういう微妙な評価で固定されてしまいます。


ある程度、時間が経って聴き返してみたら、だいたい自分が思ってたより良い印象なんですよね。これも実際そうでした。自分の好みでは1stの方が繰り返し聴けて大好きだけど、どう聴いてもこのアルバムの方が全体のクオリティは高いですね。


以前の60sガールグループ+ガレージ系のサウンドからは完全に脱却して、より更にNW寄りのドリームポップな方向で、先程スペクタルと形容しましたが、ミニマルでもあります。ラストの曲、The Fallなんかはもうアンビエントって感じで、綺麗。でもアルバム・トータルで30分ちょっとしか無いので、気軽に聴き易いです。


Daylight Sky
この曲とかNight Swimも好きな曲。


昨年3rdアルバムもリリースされました。また次回~


先日、Vivian Girlsの解散が発表されました。

元々記事はFrankie Roseのソロ作品について書いてる途中でしたが、彼女が過去に属したバンドの解散を知り、自分の狭い観点からですが、雑感を書きます。


Frankieはソロ活動以前は、Vivian GirlsやCrystal Stilts, Dum Dum Girlsといったバンドでドラマーとして在籍していたけど、彼女自身がレコーディングでソングライティングにも参加したりしたのは、2008年にリリースされたVGの1stアルバムと、それ以前の作品ぐらいのはず。私はVGの3枚のアルバムの中ではそれぞれ別の良さがあると思いますが、1stが一番大好きです。


当時よく似ていると指摘されたのが80年代のC86や90年代のSlumberlandのバンドのサウンド。しかし中心メンバーのキャシーが度々、C86等からは全く影響受けてないと発言してたり、似てると言われる事にもうんざりしてる感じが見受けられるインタビュー等を以前私は読みました。


しかし1stアルバムをレコーディングしてリリースする前に脱退したフランキーの後のソロ作品の傾向や、後のインタビューを読んでもC86やBlack Tambourineの影響が強かったのは他のメンバーよりもフランキーだったとわかりました。ちなみにVivianというのは、フランキーの母の名前でもあるそうです。


勿論、Vivian Girlsの1stアルバムはフランキーだけの作品では全く無いから、キャシーとケイティとフランキーの3人の作品だから、当時の3人のサウンド。

あのアルバムが当時のインディ・シーン与えた影響は結構大きかったと思う。
全然新しくない、過去を探せばある、なぜ高評価なのかわからない、みたいな意見は、新人を語る時に多く見受けられます。実際に多くは誇大宣伝かもしれません。

でも良いバンドの良い曲って、個性の違う人が集まって奇跡的なハーモニーを生み出すというか、そういう独自の魔法が起きる瞬間だし、それ故に儚かったりするけれど、その輝きは眩しいし自分の中では色褪せないです!


Where Do You Run To
やっぱりこの曲が私の中で特別だった。

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昨年9月にリリースされたYUCKのセカンドアルバム Glow & Behold

フロントマンの脱退という転機?をどう乗り越えるのか、新譜を期待していた身として、一抹の不安も抱いていたんですが、まずアルバムリリースに先立ち第一弾の新曲Rebirthが公開されて、最初に聴いた時は、全然悪くはないけど何かが足りないなー、違うなって率直に思ってしまったものです。


しかし次に公開されたMiddle Seaは、ファーストアルバムにあったような疾走感満載な曲で、聴いた瞬間、気分爽快になって、これなら多分大丈夫!って思った。

そして届いたセカンドアルバム。
全体的には、意外にも結構まったりとした雰囲気です。ファーストアルバムのファンのツボをある程度は要所で押さえつつも、割と牧歌的な感じ。あのファーストアルバムには及びませんが、新しいYuckとして、変わらず90年代のシューゲイザーやオルタナへの愛を反映した良質なアルバムを作ってくれたと思います。

でもなんだか、HebronixにもYuckにもBuilt to Spillっぽい部分があるから、一緒にやればいいじゃん…、と一瞬思ってしまったりもしました。(いい加減しつこいですね、私)

ちなみに昔、現在のフロントマンのマックスが好きなアルバムのひとつにBtSのアルバムを選んでたのを、どっかで読んだので、じゃあダニエルは脱退してしまったから、マックスはイギリスのダグ・マーシュ(BtSのフロントマン)を目指してくれ!と心の中で勝手に思ってるんですが、まぁ正直過大な期待ですかね(笑)。


彼らの音楽性、今後どう発展していくか分からないけど、次も楽しみです。


Lose My Breath
Memorial Fields