こんにちは。
ベランダで緑の作業をしていると、いろんな発見があります。
先日ベランダの模様替えをしました。
その時、何故か花が付かなかった鉢を日陰に持っていったら、いっぱい蕾が付いたとか。
その植物の特性を知る、いい機会になりました。
あんまり日に当てすぎてもダメなんだな、とか、水をあげすぎても枯れちゃうんだなとか。
わたしは学生時代、彫刻をしていたので、例えば彫塑をする時は、対象物をあらゆる方向から見ます。
絵の素描は一点から見たものを描きますが、彫塑で素描というのは、対象物をぐるぐると回して見て作っていきます。
とある大学の試験で編み上げ靴の粘土での素描という課題が出たのですが、その時も靴をぐるぐると回して見ていました。
多方面から見る事により、いろいろな特徴を知る事が出来ます。
また、それまで自分が思い込んでいたのと違う事が多く、人の普段の観察眼というのは当てにならないんだなとその時思いました。
一方向から見た、或いは、普段見える側からの形の想像しかしないんですね。
中が実際どうなってるのかとか、重いのか軽いのか、素材の触った感じはどうなのかとか。
これって、他の物を考える時にも、実は役に立つんです。
物事を多方面から考えるという思考は、人々のそれぞれの見え方だけでなく、人や物を見る時に、どう対処したらいいのかという方法論をいくつか自分の中に提示することが出来るようになります。
まず、この多方面から見るという事が出来るようになって得をした事は、人の隠れた能力を見抜けるになったという事です。
仕事にも対人関係にも、使えるスキルになります。
他の人は見ていない、或いは気づいていない事を、自分だけが見る事が出来るという事ですから、対人、主に個人的な交友関係にはとても重宝した長所です。
他の人が気付かない人の傷を見ることもあるので、そういう時はその原因を調べ元を正します。
こういう面では少し損を被る事もあります。
でも、それでよくなる事があるなら仕方ないかなと思います。
先日クリティカルシンキングの事を少し書きましたが、あの思考のように「疑う」というより、もう先に全部見ちゃうという事でしょうかね。
これはこう見えるけど、実はこうじゃないの?っていう思考には、ある意味限定があります。
でも、最初から全部見ようと思っていると、そういう事は必要なくなるんですよね。
素描する事は、見た中から情報を取捨選択する能力も自然に身につくので、わたしはそちらのほうがいいなと思います。
歳を取ると、頭が固くなると言いますが、物事を多方面から見るという事は、今でも大事だなと思います。
これは立体を触っていた人間ならではの考え方なのだと思います。
これからもそういう視点は失いたくないなと、ふと緑を触っていて思った事でした。