N e w  Y o r k B l o w -NYでもタコ焼きを焼く英国人へ- -406ページ目

追悼 【1/7 追記】


イギリス滞在中、また訃報が飛び込んで来た。
大好きな俳優、ジェリー・オーバックの死だ。
死因は前立腺がんで、享年69。
日本では余り馴染みの無い俳優かもしれないが、
私の中では、今、もしドラマを作っているなら、
是非とも配役したい「間違いの無い」俳優だ。
日本で言うなら「大地康雄」、「樹木希林」って所か。

海外ドラマが大好きだったから、
NHKの夕方の海外ドラマが楽しみで、
それに合わせて帰宅し、毎日毎日それを見ていた。
その中の「ジェシカおばさんの事件簿」で、
彼はとてもいい味を出していて、
私の心を一気に惹き付けた。

長身で野太い声をしたジェリーは、
演劇学校としてはかなり有名な、
NYの「アクターズ・スクール」の指導者でもあった、
リー・ストラスバーグや、
(NHKのスターインタビューの番組でご存知かも)
ハーバート・バーコフらと共に演劇を学んだ後、
舞台俳優としてのキャリアを積んで映画、
その後テレビの世界へ。
近年では「Law & Order」の主役刑事として、
ドラマのキーになる役柄を熱演。
その為数々の賞の受賞も。

「Law~」は体調不良を理由に既に降板済でしたが、
昨年の初夏にNYで催された映画祭で取材した際に、
低い声で、とても優しく、遥か年下にも拘らず、
分からない事にも丁寧に細かにインタビューに答えてくれ、
不可解な顔つきをした時には、それを直ぐ拾って、
「分かるかい?」とジェリーの方から問い掛けてくれた。
NYで取材していてこんなに丁寧に相手をしてくれる人は、
そう簡単には見つからない。
(来日する外タレは、態度がチョット違うのだ)
最後に子供の頃からのファンだったから、
サインをして貰いたいと色紙を渡したら、
「喜んで!!」と快くサインしてくれ、
今日の記念にと日本のお守りと、
切子のグラスをプレゼントし、
さよならを言う時には「また、次の映画で」と、
頬にキスをし合って取材するのを楽しみにしていた。

この秋に俳優を引退したばかりのジェリーは、
これから隠居生活を楽しむ筈だった。
しかしそれはたった3ヶ月で終わってしまった。
残念でならない。
だけど、今でも毎日テレビであなたの顔を目にします。
「あなた」と言う人間は居なくなっても、
「作品」は永遠に残ります。
そして私の中にも名優として確実に残っていく。
安らかに。