N e w  Y o r k B l o w -NYでもタコ焼きを焼く英国人へ- -345ページ目

ジャパン・ツアー ~誕生日編~

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日本に誕生日を過ごす為に帰って来た相方と俺ッち。

大阪と基点に、京都、滋賀、神戸と近畿一円を回っていく予定。

今回のジャパン・ツアーの目的は勿論、

俺ッちの誕生祝い。

これまで一度も互いの誕生日を、

仕事や出張で誕生日当日を過ごした事が無かった為、

相方が前々より企画して、日本行きのチケットを手配してくれていた。


が、しかし...

日本語をまともに話せない相方が旅程を組む事は出来ても、

(とは言え、それは旅行代理店のアンチャンがやってくれる)

何処をどの順番で回るとか、宿は何処にするとか、

宿は何処に有った方が動き易い等、

細かい事を調べる事すら出来ないので、

当然、それらを決められる訳も無かった。


って事はチケットを取っただけで、

内容は俺が決めるって事かいッ!




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ダメじゃん、相方...。(漸く、コレ正しく使えた...)


って事で、誕生日当日のレストランの手配。

相方のリクエストは、


●以前行った事の有る川縁のレストラン

●魚が食べたい

●予算上限なし               の3つ。


早速、川が望める川沿いの座席を取って貰う。

しかし、誕生日での利用だと伝えるのを忘れてしまう...。(間抜け)


7日午前中、駅前の大型スーパーへ、パンツ探し。

実は相方はキャラクター・パンツを集めていたりする。

それをスーパーの下着売場へ探しに行き、買って帰った。

いつも私が稽古をつけて貰っている習字教室へ。

習字教室で集中しまくって稽古をつけて貰い、

その後予約していたレストランへ。


予約していたレストランは、

1年半前のバレンタインデイの時に行って気に入った所。

私は昔から利用していたので何度も行っているが、

相方は前回が初めてだったので、

その時のホスピタリティの高さに眼を丸くする事ばかりで、

自分の母国よりも遥かに質の高いサービスを、

「無料」で受けられる事に閉口していた。

 

そして今回は一体何が...と思っていると、

どんどん出るわ出るわの日本の「お客様は神様です」光線!!

予約したコース料理は前菜とメインに分かれており、

前菜は3種の中から1種を選び、

メインは3種の中から2種を選択。


料理を選択する前に飲み物を注文。

相方はメルローを頼みたいというので、それを。

私はいつも残してしまうので相方に了解を取り付けてから、

事情を話し、半分づつ注いで貰う様に頼んだ。


そして一旦ワインを取りに下がったウェイターは、

ワイングラスになみなみと注いだので、

あれ??と思っていると、そのウェイターは、

「サービスしておきます」と一言言って笑みを見せた。

あー、嬉しいなぁと小市民の私達はすごく喜んでいた。

 

前菜は魚介系と肉系のサラダに分かれ、

魚介好きな私達は二人共魚介系の違う物を選択。

メインはキスと子牛のグリル、明太子スパゲティの3種。

私はキスとスパゲティを。

 

相方も同じ物を頼みたかったが明太子を食べた事が無い為、

別のスパゲティは無いのかを聞いて欲しいと言われたので、

私達を担当してくれるウェイターに尋ねた。

急な依頼なので勿論出来なくても当然。

キッチンでのまかないに使う様な物でも良い、

最後にはスパゲティだけでも良いと付け加えた。 

 

このウェイターが若いのにとてもよく出来たウェイターで、

本当によく訓練され、難儀な仕事を簡単にやってのける人だった。

ウェイターは直ぐにキッチンに交渉してくれ直ぐに、

山菜とシーフードのスパゲティなら出来ると返事を持ってきた。

しかし相方は山菜に興味を示せず、

結局キスと子牛を選んだ。

 
暫くワインと一緒に出された自家製パンを楽しんでいると、

前菜のサラダとカルパッチョがサーブされた。

20種類位のたっぷりの野菜と大振りの帆立、子柱、海老、

キャラメル大にカットされたグリルの鰆、

唐揚状にした平目の縁側などで油分を取れるように工夫された、

まろやかに酢の効いたサラダだった。

 

サラダがなくなる頃にタイミングよくメインが運ばれて来て、

皿を入れ替えた時に電話で言い忘れた誕生日の事を言い、

勿論コース料理とは別の注文だから代金は支払うので、
何か店頭販売の小さいケーキが残っていれば、

それを最後のお茶の時に出して貰えるかを尋ねた。

 

二つ頼んだ内の最初のメイン、

キスのグリルにズッキーニのオーブン焼きに手を付け乍ら、
私達は美味しい物を頂く幸せを噛締めていた。

それはニューヨークでは絶対に味わえないパーフェクトな、

日本でだけ味わえる料理の量と味のバランス感覚。

相方は外人なのでそんなに細かく味が判る訳ではないが、

いつも量が多くて大味なアメリカの料理に辟易していた。

そんな時に出会ったのがこの店の「適当な量」の料理。

多過ぎず、少な過ぎず、「適当」なのだ。


ほぼ半泣き状態で美味しく頂いていたキスの皿が空く頃、

二皿目のメインがこれまた見事なタイミングで来た。

私は明太子と魚介のクリーミーパスタ、

相方のは子牛のローストベーコン巻きだったが、

誕生日の事を話す時に相方の顔を見乍ら言ったので、

ウェイターは相方が誕生日だと思った様で、

相方の子牛の皿に誕生日の祝いとしてフォアグラが、

鎮座されておられました!(感涙)

勿論ウェイターは何も言いませんでした。

そして相方にフォアグラは誕生日のプレゼントだよと言うと、

私の誕生日なんだからと相方が私に皿を渡そうとしました。

だけど相方には日本での食事を楽しんで欲しいと思っていたので、
いいよと言って相方に食べて貰うようにした。

すると相方は一口大に切って私に食べさせてくれたので、
最終的には二人で分けて頂く事が出来た。

「蕩ける」とは、正にあれの事だ。

I Love 旨いもの!!

二つ目のメインを終える頃ウェイターがそっとやって来て、

「コーヒーと紅茶、どちらになさいますか」と訊いた。

私達はコーヒーとアイスティをオーダーした。

するとウェイターは続けてこう切り出した。

「デザートですがケーキは無かったんですが、

 シュークリームが有りますのでそれをサービスさせて頂きます」

と静かに言った。

えーーーーっ!!

嗚呼、また何て事を...!!

 

そして飲み物と一緒にサーブされたのはメロンパン大の、

高さも6-7cmはある巨大シュークリーム。
食事の後のデザートとしては、
はっきり言って、デカ過ぎる...。
でも、甘いものは別腹。

相方は折角だけど残しても良いかなぁと。

俺ッちは、当然皿の上から見事に姿を消させた...。
美味しかったぁ!


お茶を飲みながら話していた内容は、

終始料理とウェイターの事。

相方の口ぶりは1回目以上に感動の嵐だった。

このレストランはファビュラス、ブリリアント、パーフェクト。

褒め言葉しか出てこない。

 

日本のレストランの印象を一手に引き受けて、

いい印象だけを相方に植え付けてくれる場所。

そりゃそうだよ。

ここって、元々は古い料亭の娘さんが経営している店。

経済界のトップ方が来られる店なんだから、

とんでもないバイトが、

いい加減な事をしていて許される店なんかじゃない。

 

今回の誕生日の食事会は、本当に嬉しい物となった。

取り敢えず相方の目的は達成されたと言える。

それ以外は私のツアー企画力が問われる厳しい物となるが、

はっきり言って世界のどの国へ行っても、

こんなにいいサービスを受けられる国は、

日本をおいて何処にも無い。

コレは断言出来る明確な事実だ。


日本に帰って来て何が嬉しいってこういったサービスを、

「普通に」受けられる質の高い社会に身を置ける事だ。

一律10%のサービス料を取るホテルでも、

色々してくれる事を考えれば安いと考えられる。

日本人はこういったサービスを常にタダで受けている為、

その有り難味を外国へ行って初めて実感するのだ。

「サービス」とは金で買うものだという事を、

忘れないで欲しい。

 

この上ないサービスと、

これ以上無い心地よい時間と、
こんなにも見事な料理を提供してくれたレストランに、

相方は本当に感動を覚えていた。

なので相方はどうしてもチップを渡したいと言った。

勿論日本ではチップは必要ないのは合点承知の介。

 

それでも渡したいと強く言った相方。

私はそれなら欧米風に、渡せば良いと言った。

それだけの仕事をした実績への対価だと思うからだ。

チップ制度が無いので、現金でしか渡せないと伝えると、

相方は理解して札を用意して手に握り、席を立った。

 

帰り際、相方は表まで送ってくれたウェイターに、

20%程のチップを現金で渡した。

普段は10-15%のチップしか渡さないのに、

20%渡すのはそれだけ彼の仕事を認めているという事だ。


ウェイターはチップは困りますと断ったが、

「今日の君の素晴らしい仕事に対してだよ」と相方は言った。

勿論英語だったので通訳して、

彼にチップを受け取るように勧めた。

 

私達は彼の働きが本当に素晴らしかったと思ったから、

「受け取るべきだよ」と言った。

それだけの価値を私達は3時間ほどの短時間に、

感じる事が出来たんだから。