あの子に初めて合った日、拒絶と緊張が混じった

「今すぐここから逃げたい」といった表情で、平常心を装っていた

ありのままに言えば「かわいそう」そういう印象を抱いた

本当は苦手だろうに、ガマンしてまで人付き合いに励む姿はあまりに不憫で

それと同時にイライラさせられた、だから優しくした

努力を認め、褒めて 時には甘やかしたりもした

君を否定する人間ばかりじゃないと知ってもらいたかった

他の誰でもなく自分自身を認められる人になって欲しかった

だけど失敗した、コミュ強を飛び越えてコミュ狂になってしまった

どうしようもないほどに他人との距離感がバグってしまった

エレベーターで男女のグループに突然話しかけて引かれるほどに

私もいっしょに居る時に度々そういう場面に遭ったが、まるで

「私はここだよ!」と誰かに見つけて欲しがっているようにしか見えなかった

一緒に居ても他人に強く興味を示すたびに「君はいらない」と言われてるみたいで胸が痛んだ

だけど自分の気持ちに素直に生きれる人になって欲しいと思っていたから

誰と遊ぼうと誰と付き合おうと自由だし、これで良かったのだと思う

素直とわがままは違うようで本質は同じ事、人に良く思われたいか

そうじゃないか、それくらいの違いでしかない

あたかも私のおかげであの子は変われたみたいな言い方になったが

全ては、あの子本来のポテンシャルがすごく高かったというだけであって

私は、ただの練習相手でしかなかったのだ