お昼ご飯を一口かじったところで呼び出され、戻って来たときにはパンがカラカラになってた、ひぃなです。
 フタぐらい閉めようぜ(´ω`)b



 久しぶりの晴天。
 気持ちいいですね

 踊り出したいくらいです。
 踊らないけど。



 風邪の引き始めでしょうか?
 喉が痛い…。
 ご飯を食べてもあまり美味しくない…。
 ぐっすり寝過ごす…。

 いかんなー。

 健康診断の問診で
「最近どうですかー?」
「は?」
「熱があるとか具合が悪いとか?」
「いえ…特に」
「そうですかー?
 何でしょうねー?」

 何でしょうねと訊きたいのはこっちだ。

 そして結果を見てみれば、案の定「経過観察」と「再検査」がひとつずつ。
 何だろなー?
 あっしは何もしてやせんゼ、だんな。

 とりあえず、また病院行ってきます(´ω`;)ノ



 お話のほうですが。
 けんいちろう様とのコラボが面白くて。
 部屋を片付けていたら要らぬモノがごっそり出て来ちゃって。
 滞ってます。



 (*^∀^)=O)´ω`)すんません



 ちなみに出て来たモノはこんなの(´ω`)ツペタリ



BlueLineBlue-mary091103.jpg



 誰だキミは?
 マジ誰だ?

 名前まで書いてあっても思い出せないなんて、よほど陰の薄いキャラだったんだね(´ω`)b
 ボツ人?



 まー、そんな感じのがゴロゴロと出て来たわけです。
 言い訳です。

 来月か来年か来春を目指して、がんばれ自分!





 さー、おやつ食べよ(´ω`)ノ〇


 今まさにばたんと倒れたのは男だった。
 彼女ではない。

 彼女は頬を真っ赤にして、口角に赤い泡を吹いて憤怒の形相で仁王立ち。
「だからあたし忙しいって言ってんじゃん!?
 あんたにかまってるヒマないって言ったよね!?
 言ったよね!?
 ねぇ、言ったよねぇ!?」
 倒れこんだ男の股間をどすっと踏みつける彼女。
 遠慮も躊躇も迷いもなかった。

「今日は大事な用があるって言ったじゃん!
 稼がないしご飯作んないしおフロ洗わないし洗濯しないしクサイあんた置いてやったでしょ!?
 たまには言うこと聞いて帰ってくるなって言ったら帰ってくるなよ!
 ねぇ、聞こえた?
 わかってる?
 ねぇ聞いてんのぉ!?」
 どすっ、ぐほぉ……。
 げすっ、がはぁ……。

 男はすでに虫の息だったが、神が降り立ったかのような彼女はそれにすら気づいていない様子で。
 おもわず後ずさりしてしまった。
 ここで彼女を止められた者は勇者と呼ぼう。



 ヒモ男がヒィヒィとうめきながら匍匐前進で逃げていく。
 その背中を見送った彼女はこちらに気づいてはっとした。
 己を取り囲む惨劇に気づいてわなわなと震える。
「あ…………」
「…………」
「あの…………」
「…………」
「あたし…………」

 さっきまでの勢いはどこへ行ったのやら。
 彼女はいたずらを発動する前に見つかってしまった子どものようにシュンとうなだれ、口元についた血混じりのよだれを手の甲で拭った。
 腕や足や、顔まで赤く腫れている。
 蹴られたのだろうか?
 殴られたのだろうか?

「……大丈夫か?」
「え……え、あ、あ、う、うん、うん」
 嵐の後のような部屋の中に、ご丁寧に靴を脱いで上がりこみ、ボサボサの髪の毛から割り箸を取ってやる。
 爪楊枝も絡んでいた。
 どんだけヒドイことされたんだ。

「すごいな……」
 コンビニ弁当にはじまり、おでん一揃い、ペットボトルのお茶は中身がこぼれ、プリンが溶解し。
 机は片足がもげ、タンスは壁から一歩前進。
 寝台の上には植物が鉢ごと寝そべって土をばら撒き、櫛と髭剃りと整髪料とあと何か化粧品らしき軍隊が共倒れしている。

「……ヒドイなぁ。
 せっかく急いで片付けたのにさー」
「片付けてたのか?
 あー、それで家に直で来いって言ったんだ?」
「うん。だってあとで気づいたんだもん。
 部屋散らかしっぱなしだし、あいつまた弁当食い散らかしてないかなって思い出してさ。
 すっごい急いで片付けたのっ、に……」
 ひくっ、と彼女の咽が鳴る。

「ヒドイよ」
 ポロリと涙が転げ落ち、アヒルのように尖らせた唇が震える。
「せっかくさー……」
 涙を堪えて頬に力をこめると、あの残念な顔になる。
 頬は高く、全体的に平凡で、美人とはいえない。
「せっかくさー、片付けたのにさー。
 あんた来るからって思ってさ、急いで片付けてさー……」
「うん……」

 残念な顔で、涙声の震える声で、ひどいありさまの部屋を見ながら呟く。
「そしたらあいついきなり来てさー。
 来るなってメールしといたのに弁当買ってきて食いやがってさ。
 おでんのカラシ忘れたから取って来いなんてバカ言い出すしさー。
 行かないんだったら金よこせだって。
 もう……もうあったま来た!!」

 うあーん

 まるで一昔前のアニメのような泣き声。
 座り込んで仰向かせた顔いっぱいに口を開いて大粒の涙を流す。

 夜中だからとか、そんなことはもう気にしていなかった。
 彼女のそばに座り込んで背中から抱きしめる。
 回した腕にしがみつく細い腕。
 痩せこけた肩。
 わんわんと、頭に響く声。

「なんでよーもう!
 せっかくさー、せっかくさー!
 ちょっと期待とかして部屋片付けて、コーヒーと紅茶とお茶とどれがいいんだろうとか考えたじゃん!
 コーヒー牛乳もありかなーとかさー!
 お腹空いてるかなーとかさー!
 レンジでチンのやつでいいかなーとか悩んじゃってさー!

 いい感じになったら、いい感じにしてくれるかなーとか夢見ちゃダメなわけー!?
 あたしは優しくされちゃダメなわけー!?
 ねぇー!?
 あたしって、あたしって、そんなことも期待しちゃダメなわけー!?」
 うわん、うわんと泣き声が天井いっぱいに広がる。
 最上階でよかった。

 バカだなー、と頭をぐりぐりと撫でる。
「何よバカだよ悪い!?」
 顔だけ後ろを振り返った彼女の顔は見るも無残に妖怪と化していた。
「悪くない悪くない。
 でも期待とかしちゃってバカだねー」
「うっ、うあーん!」
 さらに泣き出した彼女を見て、「ははは」と笑いが漏れてしまった。
 だってまるで、の○太くんみたいに単純に泣くから。

「バカだねー」
 泣き続ける彼女を抱きしめる両腕に力をこめ、その首筋に顔をうずめて湧き上がる笑いを堪えようとする。
 今大声で笑ったりすれば、彼女はさらに激しく泣くだろう。

 期待なんてせずに、優しくしろと言えばいくらでもしてやるのに。

 いや、今は言わずにおこう。
 彼女が泣きつかれて落ち着いてから。
 それから、ちょっと萎れてしまったコスモスの中から一番キレイなやつを一本選んで。
 あげる換わりに、一番最初のキスを貰おう。

 優しく蕩けるように。
 懐かしいレモン味を思い出すくらい甘く。

 最初が「こ」で、最後が「い」のつく授業の本鈴を二人で鳴らそう。
 何度も。
 何度も。

 優しく。

 君に一番の贈り物をしよう。



《服用に関する注意事項》
愛と欲の狭間とコスモス」ひぃな
コスモスが咲くドア」けんいちろう様
愛と欲の中間色のコスモス」ひぃな
白色の花が咲く折に(前・後)」けんいちろう様
の順に読まれることをお勧めします。

*-*-*-*-*-*-



 ──あと一時間で上がる
   裏口で待ってて

 了解しましたと言ったものの、運悪く電車が人身事故を起こしていた。
 遠くへ行く孫を見送りに来たお婆ちゃんが興奮のあまり電車の窓枠にしがみつき、数メートルを引きずられていったそうな。
 年寄りの冷や水。
 若者の脂汗。

 お婆ちゃんに大怪我はなかったようで、電車はすぐにでも動き出しそうだ。
 それでも、約束の時間には間に合いそうにない。

 彼女に電話の一本でも入れておくかなと、携帯電話を押してみる。
『もしもし?』
「ごめん、人身事故」
『は?』
 軽く訳を話すと、彼女は「おっけー!」とか言い出して。
 遅れてきたほうが良かったのか?
 いきなり客が来たとか?

 ぐるぐると考えている間に、やはり気を使ってくれているのだろうかと勘ぐってしまう。
 だって、もともとはただの同級生で。
 今はソープ嬢とその客で。
 またもや彼女に二股されたと愚痴を零した相手が、哀れに思ってか「今度、家でしよう?」と言ってくれたものだから、甘えてみようと思ったわけで。

 いや、甘えるべきだろ?
 だって男の子だもん。



 タクシーを拾うと言うとお金がかかるからと却下され、そろそろ動き出しそうな電車に乗り込む。
 慌てて買ったコスモスの花束が潰れないように自分の体でガードして、比較的空いている席に座った。

 コスモスの花言葉は「少女の純真」というらしい。
 さっきコスモスを買った花屋のオカマ店長が教えてくれた。

 バラやユリなんかの、見た目も値段も豪華な花が良かったかもしれない。
 女性だったら一目見て高そうなもののほうが喜んでくれたかもしれない。
 でもしかたがない。
 彼女の笑顔を思い出すと、この真っ白なコスモスを想像するのだ。

 もちろん彼女とは、花束を贈ったりデートするような甘い仲ではない。
 けれどこのところ、彼女を思うと動機・息切れが激しく心拍数が不安定になり、不整脈でも起こしたのだろうかと疑うような症状がでるのだ。
 それは確か、最初に「こ」の字が付くやつの症状だったと思う。
 ちなみに最後は「い」だ。



 今まで付き合ってきた女のなかで、彼女は特別美人でもない。
 笑うと頬骨がにょっきりご挨拶してしまう、いまいちな顔。
 はっきり言って、好みでもない。
 さらに胸元のあたりには過去の男との無理心中のあと。
 しかもバツイチで、ヒモ付き。

「あ」
 しまった、と思ったときには遅いのだろうか。
 彼女には立派なヒモがついている。
 もしかして慌てているのは、部屋の中からヒモ男のものを片付けている最中かもしれない。
 あるいはそのヒモ男が来ていてごたごたしているのかもしれないし、約束を延期しようかどうしようか迷っているところかもしれない。

 そう考え出すと、彼女のアパートに近い駅に到着してしまい、再び携帯電話を握る手に汗をかいた。
 もしかしたら断られるかもしれない。
 ごめん、また今度。
 なんてことは十二分にありえる。
 だって、まだ仲のよいソープ嬢と客の域から抜け出せていない。
 互いの気持ちを確かめ合ったわけでもなく、おそらく「なんとなく」のままだ。

「ううううううううぅ……………………ままよ!」
 気合を入れてコールすれば、
『着いた!?』
 と驚いた声が返ってくる。
 だめかもしれない。

『着く前にメールか何かちょうだいよ!
 今から行くし!』
 興奮気味な彼女の言葉の中には拒絶の色は聞こえてこない。

 胸を撫で下ろしながら電話ナビを頼み、彼女のアパートを目指す。
 そうしないと、いきなり花束持って何なのさ、とか引かれそうで怖い。
 やるきマンマンじゃね? とか思われたり。

 ……マンマンですが。



『セブンイレブン見えた?』
「あー、うんあった」
『んでそこを右に曲がるの。
 ボロイのが左にある』
「ボロイのー、ボロイのー?」
『ボロイボロイ言うな!』
「自分でいったじゃーん!」
『じゃーんとかいうな!』
 夜中に携帯電話片手に陽気に笑う男を見て、部活帰りの高校生が不信げな目を向けてきた。
 君らも将来こうなるさ!



 部屋番号を聞いたところでいったん通話を切り、彼女のアパートの前で深呼吸する。
 どこかの部屋の扉が開閉した音。
 誰か降りてくるだろうかと思ったが、どうやらご帰宅のようだ。

 一応、周囲を見て誰もいないことを確認。
 必要もないことをするのは緊張している証拠だ。
 落ち着こう。
 深呼吸は三回。
 手のひらに人の字を書いて飲むのも三回。
 一日三錠、三服薬。
 違うか。

 花束に向かって「よし!」と気合を入れて階段を三階まで昇る。
 部屋の番号を三回確認して、表札も三回見直した。
 よし、合ってる、間違いない。

 チャイムボタンを押そうとしたその瞬間。
『っざけんなよブス!』
 いや、言ってない言ってないそんなこと。
 美人ではないと言ったけど、ブスとまでは言っていない。

『なめてんじゃねぇよオラァ!』
 どうやら怒声は玄関扉の向こうから聞こえてきたもののようだ。
 ほっとして胸を撫で下ろそうとして硬直した。
 罵声は彼女の部屋から聞こえてきている……。

『いったーい!』
『ぶってんじゃねーよ!
 出すもんだせって早く!』
『ないって言ってんじゃん!
 毎回毎回あんたがぜーんぶ持ってくからアタシの財布ホコリしか入ってないっての!』
『んーなこと言って隠してんだろ!?
 知ってんだぜぇ?
 じゃなきゃココ追ん出されてるもんなー』
『あったりまえじゃー!
 家賃いれなきゃどこで寝ろってぇの!?』
『公園』
『バカあほゴウカンマ!』

 その後も聞くに堪えない言葉の押収が続き、次第に何か重いものがぶつかる音が続いた。
 そして彼女の声。
『いたっ』
 どんっ
『いたたっ、いたっ、たっ、やめっ……』
 どん、ばし、どす、どん

 咽の奥がぎゅっと絞られたように乾いた。
 慌てて玄関扉を叩く。
「おい、いるのか!?」
 声と音が止んだ。
「おいって。
 いるなら開けろよ!」
 どんどんと玄関扉を叩きながら反対の手でドアノブを回してみる。
 ガチャガチャというばかりで空く気配はない。

『男連れ込みやがったな!』
『まだ連れ込んでな……ったぁい!』
 再び何かがぶつかる音と彼女の声が共鳴しだす。
「開けろ!
 おい、開けろって!」
 左右の部屋の住人は出てこない。
 こんな騒動には慣れきっているのかもしれないし、留守なのかもしれない。

 おもいっきり玄関扉を蹴ってみるが、ぼろアパートとは思えないほど頑丈な玄関扉だった。
 無駄なことするなよ。
 何か他に道具に使えそうなものはないかと通路を見渡すが、薄暗がりの中には洗濯機しかない。
 さすがに洗濯機は……洗濯機でいいやもう!

『このブス!
 っざけたことしやがってぶっ殺してやるブス!』
『ぎゃぁ!』

 比較的小さなお隣さんの洗濯機を拝借し、彼女の玄関扉の前に設置。
 力いっぱい突きを繰り出した。
「ふんがぁー!」
 横綱もびっくり。
 洗濯機から頭突きをいただくなんて始めてだっただろう。
 玄関扉は驚いたかのようにぽっかり穴を空けた。

 空いた穴から腕を入れて手探りでカギを開け、寝転がったままで邪魔になった洗濯機を足蹴に避ける。
 玄関扉を開けて部屋へ突撃したとき。
「ぎゃぁ!」

 あぁ、これはどうしたことでしょう。