今月いっぱいで、退職してしまう人がいる。
つい先週聞いた話で、とても急な知らせだった。
間違いなく、1番お世話になった人。
初歩的な雑務しかこなせない、ただのアルバイトの1人でしかない。
この業界に関しての知識はほぼ皆無……そんなあたしに、いくつもの鍵を差し延べてくれた人。
彼女にとっては、手が回らなかった仕事をあたしに振った。
ただそれだけの話なんだが、いきなりこの業界に飛び込んだあたしからしたら、すべてが有り難すぎるお仕事でした。
最初は緊張の連続だったが、今となってはどっしりと身構えて挑めるようになった。
つい先日、頂いたお仕事を除いては。
彼女から与えられるお仕事は、これが最後になるのだろう。
話をもらった時は、自分でも驚くほど冷静だったが、時間が経ち、期日が日に日に迫ってきて、いま現在は何とも言えぬ気分。
緊張とも違う。
何だろうな、この気持ち。
責任感を感じているのは確か。
こんなお仕事をもらえる事を、最終目的としてこの世界に飛び込んだあたしだが、こんなに短期間のうちにその時がやってくるとは、夢にも思わなかった。
でも、このお仕事を振られた時、もはや自分の中で、これが最終目的ではなくなっていた事に気付かされた。
1つの目標があり、その目標を達成した時、そこで満足するかと思いきや、そうでもないんだね。
瞬時に次の目標にシフトチェンジしていた。
その、次っていうのが具体的に何なのかは決まってないけどね。
でも、次を見てるんだよ。
未知なる次を。
諦めなければ、何でもできるし、叶う時がくる。
自分だって、最初はベースがどの音なのかすら、わからなかった。
そんなJサンの言葉を励みに生きてきたが、27年生きてきて、ようやく、その言葉が真実だったという事を身をもって体感した。
した、じゃない。
する、か。
いままでは、Jサンの言葉を自分の言葉かのように、「諦めなければ、できるよ」と周囲の人に言ってきた。
言いつつ、自分にもそう言い聞かせていた。
でも、今なら自分の言葉として、そう言える。
この現状に、いい気になり高飛車になっているわけではなく、自分自身の体験談も交えて「諦めなければできる」って言える事が嬉しい。
そうやって、誰かの夢へ拍車をかける、そんな一石を投じられたら幸せだな。
Jサンがあたしの背中をずっと押し続けてくれたように。