原発はもう、絶対に許さない。

29日付けの朝日新聞、31面の左隅。
記事を読んだ。
なみだがこぼれてきて、とまらなかった。

手塩にかけてきた、作物を残して、
自殺していった農家のご主人の記事だ。

その農園は福島県須賀川にある。
福島産の農作物の摂取制限を聞き、
もう福島産の野菜はだめだと、
生きるのぞみをなくしてしまったと。

記事によると、
彼は30年以上も前から、土作りに気を遣って、
有機農法に取り組んでいたそうだ。キャベツなどは、
種まきの時期をずらしたりと独自の工夫を重ねて、
この地方で普通では収穫できない、高品質なものを、
収穫することに成功し、地元の学校給食にも大人気で、
一手にその供給を請け負ったそうだ。
子供の食べるものだから、特に気を遣って作っていたそうだ。

その優れた作り手の農園主の生きがいを、
福島原発は奪ってしまった。
生きるのぞみを絶たれ、自ら命を絶った彼の死は余りにも、悲しすぎる。

私の実家も農家で、
父はキャベツを作るのが得意である。幸い私の父は未だ健在だが
私は父の野菜作りを、見て育った。
まっとうな野菜を作ることは本当に手間がかかる。
今回の記事は、どうしても、私の父の背中とダブってしまう。

さて、はなしを元に戻そう。
原発は、皆さんも十二分にご存知の通り、
一旦事故がおきたら、本当に大変なことが起きてしまう。

原発の事故で生まれた放射能は地球を汚染し、海を汚染し、大地を汚し、空を汚す。
その結果、人から故郷を奪い、職業も奪い、人の命を奪い、人の心も奪ってしまう。
本当に悲惨で絶望的な結果をもたらす。

確かに現状は、原発があって現代社会に必要な電力供給があることは認める。
我々日本人は、核の脅威というものを原子爆弾で今から60年ほど前に一度味わっている。
六十年たった今、又平和な日本で我々が核の脅威にさらされるのはなんとも皮肉なことである。

この恐ろしい原発を次の世代に残しては、ならないのである。
絶対原発をなくしていくことである。
たとえ10年、20年、それ以上かかろうとかまわない。

次の世代。次の次の世代が二度とこのような悲しい思いをしないためにも、
我々日本人は、原発はもう要らないと覚悟を決めなければならない。

尊い志を絶たれ、自ら命を絶った農場主のご冥福を祈るとともに、
これ以上原発を断固として、許してはならない。

私自身は微力だが、あらゆる方法や手段で、
世間に投げかけ続けてゆきたい。