シャドー系の飼育・繁殖はナゼ難しいのか?その4
琥珀えびです。
めっきり秋らしくなってきましたね。
秋といえば「繁殖の秋」。
皆さんの水槽のえび達の調子はどうですか?
さてさて、今回は・・・
「シャドー系の飼育・繁殖はナゼ難しいのか?」の
4回目です。
皆さんのブラックシャドーシュリンプはどこから
お迎えしましたか?
オークションで手に入れたり、著名なブリーダーさん
から分けてもらったり専門のショップで購入したり・・
といったところでしょうか。
その際にほとんどの方が飼育データを教えてもらった
と思いますが、まったく同じ条件での飼育は不可能
ですし、有名なブリーダーさんほど設備にこだわって
いるものです。一般の飼育者がR/O水や湧水を
用意できる訳ではないし、飼育者の意のままに
水質をコントロールすることも困難でしょう。
故に飼育者は水質の管理に悩み色々と手を加え
結果えびを弱らせてしまっているのではないかと
思います。
水質に関してはなにわエビ さんが詳しく書いて
くれていますので一度読んでおくことを
お薦めします。
シャドーの飼育・繁殖に適した水質は未だ確立されて
おらず、各ブリーダーさんが試行錯誤を
重ねておられている状態です。
「PH」、「KH」、「GH」、「電導率」・・・・
あげればキリがありません。
方法が確立されていないからこそ飼育者は
あれこれと色々な方法を試し、色々な製品を
購入して、結果、水をいじりすぎてしまって
いるのではないでしょうか?
「理由その③:飼育方法が確立されていないがゆえに
水質をいじりすぎてしまう」
今回で「シャドー系の飼育・繁殖はナゼ難しいのか?」
の説明はおしまいです。
次回からはブラックシャドーシュリンプを上手く
飼育する方法を考えて行きたいと思います。
ではでは
シャドー系の飼育・繁殖はナゼ難しいのか?その3
琥珀えびです。
今日は長袖を着ていても寒く思うくらいでした。
夏が終わったらもう冬になってしまいそうな富山からお送りしています。
今日は「シャドー系の飼育・繁殖はナゼ難しいのか?」の3回目です。
前回の記事でシャドーシュリンプが台湾から入ってきた事をお話ししました。
そして現在ではオークションなどで売られているシャドーのほとんどが
国内のブリーダーが繁殖させたものになってきたことも書きました。
「理由その①」 シャドーが導入された当初は「飼育環境リスク」が
非常に高かったこと。
幸い今では国内産が多くなり「飼育環境リスク」はビーシュリンプと
大差なくなっていると考えられます。
やっと1つ目の理由までたどり着きました。
まだまだ先は長いですね^^;
ここからは「シャドー系の飼育・繁殖はナゼ難しいのか?」二つ目の理由を
考えていきます。
キーワードは・・・
「ブラックシャドーシュリンプはどうやって作出されたのか?」です。
「シャドー系」の作出には謎が多いです。
台湾の政府が関与してるなんてウワサがあるくらいなんですね。
調べてみると「ヘテロだから体質が弱い」とか「近親交配を繰り返したから
大きくならない」とか色々書いてあります。
その真偽は定かではありませんが私はあながち間違いではないと思ってます。
特に日本に入ってきた当初は上記のような弊害が顕著だったと思われます。
一方で遺伝子の研究をしている先生が「ビーシュリンプに近親交配の影響が
出始めるのは10世代~12世代以降」と書いていたのを読んだことがあります。
本来は近親交配に強い種なんだそうです。
恐らく作出・固定の過程でかなりの近親交配が行われたのでしょう。
その影響で「なかなか大きくならない」のではないのだと思います。
現在では繁殖させている人の数が大幅に増え、アウトブリードができる環境が
整いつつあります。
まとめると・・・
「理由その②」 作出・固定の過程で近親交配が進み体質が弱いこと。
見えずらいのですが稚えびが2匹いるのが分かりますか?
手前に1匹と石の上にもう1匹いますね。
だいぶ大きさに差がありますが実はこの2匹「同腹の仔」なんです。
ここまで成長に差が付くことがあるんです。
今後もこの兄弟の成長は興味深く見守っていく予定です。
小さいほうの稚えびがどこまで大きくなるのか興味がありませんか?
今回はこの辺で失礼します。
ではでは
シャドー系の飼育・繁殖はナゼ難しいのか?その2
琥珀えびです。
やっと日中の暑さが和らいできて部屋のクーラーを入れなくても
水温が26度を越えることがなくなりました。
逆に夜は寒く思う日があるくらいでそろそろヒーターの用意を
しなくてはいけないですね。
今日は前回に続き「シャドー系の飼育・繁殖はナゼ難しいのか」を
考えていきたいと思います。
前回お話したように「シャドー系」は台湾で作出されました。
このことが「シャドー」の飼育・繁殖を難しくしていた大きな原因だと
思います。
私には過去に苦い経験があります。
それは「ディスカス」の飼育・繁殖です。今から20年以上前に
ディスカスの大ブームが起こりました。詳しくは書きませんが
ディスカスも海外ブリーダーによって改良・作出された品種が
ほとんどでした。当時は香港のブリーダー(ヤット・サニー氏や
チェン・ワイ・シン氏など)によって作り出された真っ青なディスカスに
多くのアクアリストが魅了され、これらの輸入ディスカスが500円玉
サイズで販売されていました(大きな個体も売られていましたが
信じられない位高かったのです)。
私もこれらの輸入ディスカスの稚魚を何度となく購入して育てました。
そして失敗の連続で多くの魚を死なせてしまいました。
どうにかして育て上げたい、そして繁殖させたいとの思いからディスカスに
良い製品が出れば片っ端から試したりもしました。しかし、なかなかうまく
行きませんでした。そして1年以上悪戦苦闘した結果、ついにペアとなる
魚を育てることに成功しました(産卵は何度かしてくれましたが、結局
稚魚を取るまではいきませんでしたが)。
何が変わったのだと思いますか?設備?水?添加剤?えさ?
全部違います!!
変わったのは稚魚です。ペアまで育った魚は国内で有名なブリーダーさんの
所で分けてもらった魚でした。まだ国内でディスカスを繁殖させている人が
少なかった時代です。とても高価でしたがその分「添加剤」やら「水質調整材」
を買わなくて済んだことを考えるとこれが正解だったと思っています。
では現在の「シャドー」の置かれている状況はどうでしょうか?
台湾から「シャドー」が入ってきはじめたのが3年位前でしばらくは
販売されている個体すべてが台湾産でした。国産の個体が出回り
始めたのがいつごろからか正確には分かりませんが1年半位前から
少しずつ見かけるようになったと記憶しています。そして今では
オークションなどに出品されている個体はほぼ国産です。
私が購入したシャドーも国内のブリーダーさんが繁殖させた
国産のえびでした。そして大きな問題が起こることなく繁殖に成功
しています。
では台湾産と国産、飼育・繁殖難度の違いはどこにあるのでしょうか?
一番大きいのは「水」です。日本でも地域によって水質は違います。
でも日本の水道水は世界でもトップクラスの安全で美味しい水です。
台湾の水事情は分かりませんが恐らくブリーダーの方はRO水などの
特殊な水を使用していると思います。そういった特殊な環境で飼育・
繁殖させてきた個体を日本へ輸入してきて、水道水で飼育したのでは
うまくいく可能性は高くないと思います。おそらく日本で初期に繁殖
させていたブリーダーさんたちは色々な苦労をされたと思います。
そういった方たちは台湾のブリーダーの飼育環境に近づくことで繁殖に
成功したのではないでしょうか。
幸いな事に現在では国内ブリーダーが繁殖させた国産個体を簡単に
(高価ではありますが)入手できるようになりました。ブリーダーさんの
飼育環境に近い環境を作れれば繁殖も難しくはなくなったと
言えるのではないでしょうか?
続きは次回お話しします^^
ではでは
シャドー系の飼育・繁殖はナゼ難しいのか?
琥珀えびです。
私が初めて「ビーシュリンプ」を飼ったのは今から20年近く前になります。
当時のビーはややオレンジがかった透明なボディーに黒い縞が入ったものでした。
まだ珍しかったこともあって1匹500円位したと記憶しています。
5年位前でしょうか?紅白の綺麗なビーシュリンプが登場してアクアリウム界に
シュリンプブームが巻き起こりました。
その時は私も真っ白なえびを作るのに夢中になりました。そしてある程度納得のいく
えびを育て上げることができました。いわゆる「モスラ」タイプのえびです。
レッドビー(CRB)の飼育に於いて気をつけることは夏場の高水温・溶残酸素濃度の低下、
底床(多くの場合ソイル)の劣化による有害物質の発生、ろ過槽の汚れ・目詰まりによる
水質悪化などで熱帯魚の飼育に関する知識がある程度あればそんなに難しい事は
ありませんでした。
そしてCRBのブームが落ち着き始めた2年位前に台湾から真っ黒いえびがやってきました。
「ブラックシャドー」という名前のそのえびは当時で1匹30万円以上の値が付いたといいます。
今ではだいぶ値段が下がってきたとはいえ、まだまだ高価なえびです。
今私はこの「ブラックシャドー」「レッドシャドー」を飼育・繁殖させています。
このえびが高価であるということはつまり「殖やすのが難しい」ということだと思います。
ではなぜ難しいのでしょうか?
ブラックシャドーの飼育・繁殖が難しい訳はまた次回です。
ではでは








