「痛っ」

あれから2週間俺のケガは全然治ってない。

「いつ治るんですか?」

医師に尋ねた。

「そうだな~3か月は無理だな」

「そんな・・・」

「どいて~~~~!!」

大声で看護婦が患者を運んできた。

びっくりして振り向いた。

「大佐?」

大佐に似ているような気がした。

別室に運ばれたのではっきり顔は分からなかった。

それからまもなく医師が出てきた。

「今のは誰なんですか?」

「君の大佐だ・・・もう大佐は目を覚まさない」

それを聞いた瞬間涙が出てきた。

涙が止まらなかった。

「何で?何で?何で大佐は死んだんですか!答えてください!」

「落ち着け!君がいくら叫んでも大佐は戻ってこない・・・」

「・・・」

「大佐は兵士を助けたんだ。自分が身代りになって・・・」

「大佐・・・」

「大佐がいなくなった今、君がやるべきことは分かっているだろ」

「はい・・・」









































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































続く・・・



ホントはもっと居たかった。

でも、我が国に「勝利」という2文字を持って帰らなければならない。

「バーン!!」



「おい!カツナリ大丈夫か!」

目を開けた瞬間痛みが走った。

「皆・・・。ここはどこ?」

「大丈夫か?お前は敵の兵士に撃たれたんだよ。銃声が聞こえたから走って行くとお前が倒れていたんだ」

「ありがとうございます」

「これじゃあ3週間は無理ですね」

医師の声がした。

「えっ!そんなの無理ですよ。今まで頑張ったのに」

「良く頑張ったなカツナリ」

「大佐までそんなこと言うんですか。僕は大丈夫です!」

「カツナリ良く聞け。お前は良く頑張った。戦争の中で17人も撃ったんだぞ。お前はこの戦争の英雄だ」

「大佐・・・」


それからまもなくして治療が始まった。

「痛っ!」

右肩に激痛が走った。

大佐は明日出発するらしい。

俺の2度目の戦いが始まった。


気がつけば隣に友達になった敵の兵士がいなくなっていた。

いつの間にいなくなったのだろう。

たった一人になってしまった。

今この国は勝っているのだろうか?

俺の仲間はどこへ行ったのだろう。

寂しくて仕方がなかった。


しばらく歩いた。

「カツナリ!!!」

そう聞こえた瞬間血が騒いだ。

「皆・・・」

安心感で倒れてしまった。

そこは医療施設だった。

ケガをした人を治療する所だ。

そこに俺の仲間がいた。


目が覚めた。

「おい大丈夫か?」

「大佐!」

「お前良く生きていられたな」

「ありがとうございます!」

大佐もケガをしてここに来ていたのだ。

「報告いたします!17名撃ち殺すことに成功したしました」

「良く頑張ったな」

「はっ!」

「お前の事を心配していたんだよ。何も食べていないだろう?これやるよ」

「ありがとうございます」

久しぶりのご飯をおいしく食べた。

「大佐」

「どうした?」

「我が国は現在勝っているのでしょうか?」

「ああ、勝っているよ」

「よかった」と心の中で思った。

「僕はもう出かけます」

「ホントか?」

「はい、もう大丈夫ですよ。皆によろしくお伝えください」

「分かった、気をつけろよ」

俺は夜の戦場へ走って行った。