女中が入ってきて風呂の準備が出来たと聞いた姉は「風呂に入りな」と言いながら私を推した。
丫头进来禀报,热水和沐浴用品都准备好了。姐姐推我,‘你去沐浴吧。

私は姉を見ながら動かなかった。
我拿眼看着她,不动弹。

姉の目は悲しくも可哀想に見えた。「若曦はもう姉のために考えるような大人になって嬉しいわ。でも、姉の側にいる間は、何も考えないで過ごして。度を超えることさえしなければ、笑うのも遊ぶのも気のままにしていいわ」と言いながら、私の髪を撫でててくれた。続けて、「今後......今後宮廷にあがったら、したくても......できないわ」と優しくいった。
她看着我,似伤又似怜,对我说:‘你长大了,懂得为季节考虑,姐姐很高兴。可在姐姐这里,你就什么都不要想地过日子,只要不做太出格的事情,想笑想闹都随你意。’她替我理了一下耳边的乱发,温柔地说,‘以后......以后到了宫里,你想要......也不可能了。’

姉の言葉の意味はなんとなく分かる。気持ちは刹那に重くなって、低い声で「うん」と返事してから女中と風呂に向かった。
她话里的意思我隐约明白,心情刹那间变得沉重,我低低应了声‘嗯’,便跟着丫头去沐浴。

その日から、何か無礼なことは言ってないもののずっと心配していた。ところが、三日が経っても特に何も起こらず、ドキドキしていた心も落ち着いてきた。ただ、姉は狎愛(こうあい)されているわけでもないし、これ以上姉に迷惑をかけてはいけないと自分に慎み深く行動するよう言い聞かせた。
那日过后,我想着自己虽然没说什么越轨的话,可心理还是但着一层心事。不过三天过去,见们什么动静,这心就渐渐平复了,知识告诫自己,以后一定要谨言慎行,姐姐并不受宠,我不能再给她惹麻烦。
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昼寝から起きて、姉に機嫌伺いに行ったら、周りの女中達はみな嬉しそうな顔で掃除をしていて、姉の顔色は逆に淡々としていた。「どうしたの?」
中午睡起午觉,我去给姐姐请安,看周围的丫头仆妇都一脸喜气,姐姐脸上反是淡淡的,不禁问:‘怎么了?’
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姉は返事せずただちらっと笑っただけだった。しかし、笑顔が開く前に消えた。ちょっと苦笑いに近かった。巧恵が嬉しそうに「爺(イェ)【注1】の召使いから今日爺はこちらに夕食しにくるという伝言がありました」私は何を言えばいいのか分からず黙って座っていた。姉は黙っている私を見て怖がっていると思ったのか、微笑みながら「大したことではないわ」と言い冬雲(ドンウン)に向かって「お嬢様をしっかり身支度させるのよ、夜は普通の食事だが、お嬢様が爺(イェ)に会うのはこれが初めてだから、礼儀に不備があってはいけないわ」と御諚した。
姐姐没有接话,笑了一下,但还未展开却又收了回去,涩涩的。巧慧倒是开心地回道:‘爷身边的小厮刚过来传话,说爷晚上过来用膳。’我一时不知说什么好,只好沉默地坐着。姐姐看我不说话,许是以为我害怕,就微笑着说:‘没什么紧要的事情。’又转向冬云吩咐,‘回头给小姐打扮妥当了,晚上虽是平常的家宴,可今儿是姑娘头回见爷,礼数是断断不能缺的。’
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古代の髪型の作り方や眉の描き方、着付けなど私にはまったく分からない。私はただ人形になって女中達に身をまかせた。でも、心の中では一瞬も暇な時はなかった。ここにくる前に清の時代劇で、この八皇子は 雍正帝の不倶戴天(ふぐたいてん)の敵だった。雍正帝を寝ても起きても落ち着かないようにさせる不倶戴天の敵になれるということは絶対に一般な人ではないとか考えながら、今日の夜が待ち遠しかった。大好きなスターに会いにいくような感じで、しかもプライベートでの面会のような気がした。
古代的梳头,画眉,穿衣,我是一点儿也不会,由得丫头们张罗,我乖乖做木偶人就好。心理却一刻不曾闲下来,想着来这里之前看过的清宫戏中,这位八王爷一直是雍正的死对头。能让雍正视作对手,恨得寝食难安的人,肯定也绝非一般,我心理倒开始企盼晚上,觉得像是去见偶像,而且是面对面的私下会晤。
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身支度終えてから、古代の女性は本当に多くの苦しみをなめてることを分かった。頭の上も、足も、警戒厳重で一寸の肌も出さない粽(ちまき)のように巻かれたのと変わりない。しかもあいにく真夏で、気持ちが悪くて仕方がない。私は椅子にじーっと座っていられなかった。夕食の時間はとっくに過ぎたが、八皇子はなかなかこなくて、出てきたばかりの八皇子に対する興味もだんだんと消え始めた。どうしても座っていられず、立ち上がって、女中の手から扇子を奪って猛烈に煽った。姉は眉を歪めながら「そんなに暑くないでしょう?」といった。
等打扮停当,才知道古代的女人有多受罪,头上的,脚上的,到处都密不透肤,和裹粽子差不了多少,偏偏还是大夏天,要多难受有多难受。我再凳子上不停地扭着,完善的时间遭过了,可八阿哥却迟迟不来,刚开始的那股子新鲜劲儿渐渐消失,越发做不住了,站起来,从丫头手里抢过扇子,一阵猛扇。姐姐皱眉说:‘哪儿就那么热了?’
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私は煽りながら「まだ来なければ、私着替えてくるよ、わざわざ苦労を買ってるじゃん!」と言い終わったとたん、御簾があがり、三人が繰り込んできた。前に入ってきたのは二十二、三歳の男で、背は高く月白色の長いローブに、腰には碧色のベルトをしていて、そこに同じ色の玉佩(ぎょくはい)が掛けられていた。美しい玉のような顔に、キラキラと光る目をしていて、八皇子はちょっと陰柔な顔をしているが、本当に美男子だと思わず心の中で思った。
我一边扇着扇子,一边说:‘要是再不来,我就回去换衣服,真是活受罪!’话音还为落,就看见帘子挑了起来,三个人鱼贯而入、走在前面的男子二十二三岁,身材欣长,着月白色长袍,腰间系着同色美玉。面若美玉,目如郎星,我暗赞,这八阿哥长得虽有点儿阴柔,但真是个美男子。

彼は私を見て一瞬驚き表情もぼんやりしたが、すぐに消え元に戻った。含み笑いながら視線を変え姉を見つめた。この時、部屋にいた女中や召使いはみな体を曲げていて、私も急いで反応し体を下げた。あ~あ~まだ、このような古代の礼儀作法になれてないわ。
他看见我,眼里现出几丝惊诧,神情微怔,瞬间又恢复如常,嘴边噙笑地转开视线看向姐姐。此时满屋子的丫头仆妇都俯下了身子,我这才反映过来,忙也俯下身子。唉,我好像 还未习惯这拜来拜去的规矩。
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彼は微笑みながら姉を引き起こして、「みんな起きな!」といってから姉に「ちょっと用事があって遅くなってしまった。後も9番目(弟)10番目(弟)と相談事があって一緒にきた。流れでのことで、知らせられなかった」といった。
他微笑着扶起姐姐,说了声:‘都起吧!’然后笑著对姐姐说,‘又点儿事情耽搁了,回头我和九弟,十弟还有事情商议,所以就一块儿过来。因是一时起意,也来不及通知你。

姉も笑みながら:’大丈夫ですわ’といった。
姐姐笑了笑说:‘这也不是什么打紧的事情。’

八皇子、九皇子、十皇子が座りになってから、女中達の世話の基、顔をふき、手を洗った。姉は外で待っていた宦者に膳の用意をするよう御諚した。私は側に立って、心の中では姉上、私のこと忘れてるよ!と思った。九皇子は無表情で、十皇子はいつものならず者の様子で入ってきてからちらちらと私を見ていて、八皇子というと含み笑いをしているがちょっと疲れた様子で目を軽く閉じて休んでいた。
八阿哥,九阿哥,十阿哥都坐定后,丫头服侍着他们擦脸,洗手。姐姐转身出去吩咐外面的太监传膳。我再旁边站着,心里想着:姐姐啊,你怎么把我给忘了呢?九阿哥面无表情,十阿哥还是那一副痞子样,自打进门,就时不时第瞄我一眼,八阿哥嘴角带笑,好像是有点儿累了,半合着眼休息。

姉は入ってきて笑いながら:’食膳の用意ができました’と言ったら、八王子は頷き目を開け私を見て笑いながら「こちらは若曦でしょう?調子がよくないってきいたけど、最近はよくなったの?」と聞いた。
姐姐进来后,微笑着说:‘可以用膳了。’八阿哥点点头,这才睁开眼睛,看着我笑问:‘这是若曦吧?前段日子说你身子不大好,现在可好些了?’

「はい、よくなりました」
我回道:‘好的差不多了。’

「 よくなったばかりだから、立っていないで、座りな!」
八阿哥又笑说:’你身子刚好,别站着了,坐吧!‘

私は姉をちらっと見て反応がないので座った。
我看了姐姐一眼,见她没什么反应,就坐了下来。
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食事中八皇子は時々姉と笑いながら話を交わしていた。九皇子はただ黙って食べていたが、十皇子は逆に私とちょうど斜め向かいに座っているせいか食べながらちらちらと私をみていて、食欲はよさそうだった。私はもともと暑くて食欲がなく、加え彼がずっと見ているせいで、余計に飲み込めなかった。私は彼にとって「秀色で食欲増進のおかず」になったのではないかと思えた。
席间八阿哥时不时和姐姐笑说几句话,九阿哥默默的吃着,反倒是十阿哥,许是我和他恰好坐了个斜对面,他是边吃饭,边笑眯眯的看着我,胃口极好的样子。我本来就因为天热没什么胃口,他又这么看个不停,我是越发难以下咽,心想,我对他而言算不算是’秀色开胃菜‘啊?
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私は密かに一周見渡し誰も注意をしていないことを確認して、にらみ返した。十皇子はちょうど楽しく見ながら食べていて、思いがけない睨みに固まって、箸は口の中に入ったまま出すのも忘れていた。私は数秒睨みつけた後、馬鹿げた彼の様子に思わず笑って、再び頭を下げ食事をした。頭を下げる際、不意に姉と八皇子、九皇子が私を見てるのが目に入って、ドキッとして二度と頭を上げようとしなかった。急いでご飯を飲み込めてたら、一瞬詰まってしまった。顔を横にテーブルを掴まって、咳き込みながら、姉に大丈夫だと手を振った。十皇子が笑ってるのが聞こえたものの、見る勇気はなく、何もなかったように口をすすいで食事に戻った。顔からは火が出るようだった。
我偷偷看了一圈,见没人注意,立即抬眼狠狠地瞪了回去。十阿哥正边吃边看得开心,冷不防被我这么一瞪,立即愣住,筷子含在嘴里,竟忘了拿出来。我盯了他几秒钟,看着他那副傻样又觉得可笑,抿嘴笑了一下,复低头去吃饭。低头时眼神不经意地一扫,发现姐姐,八阿哥和九阿哥都看着我。我的心猛地一跳,再不敢抬头,快吃了两口饭,可一下子又呛住了,侧着身子,扶着桌沿,一边低着头咳,一边对姐姐摇手表示没事。听到十阿哥大笑,可我是再不敢去看他,装作若无其事得样子漱口,接着吃饭,只感觉脸上火辣辣的。

ようやく食事を終え、八皇子は少ししてから、九皇子、十皇子と行った。老女中は門の前で「皇子様、今日はこちらでお過ごしになられますか?」と聞いた。
好不容易挨倒用过晚饭,八阿哥略坐了会儿,就和九阿哥,十阿哥一块儿离去。婆子在门口问:’要给爷留门吗?‘

八王子は冷ややかに「いいえ」と答えた。
八阿哥淡淡地说:‘不用了’

彼らが帰ったら私は嬉しくて飛び上がった。巧慧に着替えてもらおうと騒ぎ立てた。姉は笑いながら扇子を煽ってくれた。「なんであなただけこんなに暑いの?私たちはみんな大丈夫なのに」
瞪他们一走,我立即开心地跳起来,嚷嚷着巧慧赶紧给我换衣服。姐姐笑著帮我打扇子,‘怎么偏偏你这么怕热呢?我们可都好好的。’

私はにこにこしながら答えず、密かにあなたたちは小さいときから粽のように巻かれて育ったから慣れてるけど、私はノースルブで夏を過ごす人なんだからと思った。
我笑嘻嘻地不说话,你们自小到大被裹粽子裹成习惯了,我确是传小吊带过夏天的人。

八皇子が行ってから、私も姉も嬉しがってるのに、女中や召使いはみんな沈んでいた。よく考えてみると分かってきた。でも、姉が気にしない様子だったので、私もそれ以上考えなかった。
八阿哥走了,我和姐姐都挺开心的,丫头仆妇的脸上却没有一丝喜气。我琢磨了会儿,明白过来,不过看姐姐不在乎的样子,也就不再多想。