小学生の夏休みには

島に帰るのが定番でした。

なぜ父方の実家である北九州ではなかったのか?

それは単純に神戸のような街から

わざわざ同じような街である黒崎に行くよりも、

どうせなら自然いっぱいで、

普段では体験できない離島の方が

子供には良いと思ったのかもしれません。

真意は定かではないです。


実際、島では伸び伸びと遊んでいました。

叔父さんに釣りに連れて行ってもらい、

見た事もないようなカラフルな魚を釣り、

その夜に刺身や煮物にして食べさしてもらっていました。

遠縁のお兄さんやお姉さん達と一緒に

鍾乳洞に行った覚えもあります。

そういえば、そのお姉さん達と

数年前に再会した事がありました。

遠縁といってもどんな繋がりなのか、

即席の家系図を書いてもらいましたが、

ややこしくて覚えておらず、、、、

結局は理解できぬままです。


一度だけ島の小学校の運動会のようなものに参加した事がありました。

夏休みに開催されるのかと不思議に思いました。

叔父さんが仮装をして何かの競技に参加して

盛り上げていたのを記憶しています。

1人で遊具で遊んでいると、

地元の小学生達が話しかけてきました。

「初めて見るけど、どこから来たの?」

というような問いかけでした。

「神戸から来たよ」と返事。

そして、

「もしかして2学期から転校してくるの?」

と予期せぬ質問をされたので

「うん」

と事実に反する返事をしてしまったのです。

何故そんな意味もない嘘をついたのか、

今でもわかりません。

夏休みが来る度に、

その出来事が思い起こされて、

なんとも言えない罪悪感が沸き起こっていました。


でもいつしか、

上手く嘘をつけるようになっていました。

自分自身にさえ嘘をつくようにもなったのですから。

そしてそれが後々自分を苦しめる事になるのです。