指先に2針縫う怪我をしてしまいました・・・
なので、長文をカタカタ打つのが苦痛でまた時間がかかるので、とりあえず抜糸・圧力を加えても痛くない程度になったらまた答案をアップしていこうと思います。
それもまぁ時間の関係でできれば、ですが・・・
今現在は、択一と、答案練習、市販の問題集を回しています。
書くのは多少大丈夫なので・・・
ではー
<H22年 刑法答案>
第1、甲の罪責
1、事例1について
(1)ア甲は、乙の腹部を拳で殴打し、さらに、乙の顔面を膝で蹴って、これによって乙に上あご左側中切歯・側切歯歯牙破折及び顔面打撲という身体の生理機能を害する結果を生じさせている。そして、腹部・顔面という脆弱な部分に対して、拳や膝という硬い部分で複数回の暴行を加えているため、傷害の故意は認められるから、甲の上記行為は傷害罪(刑法204条(以下「刑法」略))の構成要件に該当する。
イ、また、上記暴行は乙に「お前、俺を誰だと思ってんだ」と言われ、すごまれた直後になされたものであるため、乙による脅迫に対してなされたものであり正当防衛(36条1項)が成立しうる。しかし、甲は乙の態度にひるむ事なく、また、言い合った末に先制攻撃としてなされており、急迫不正の侵害があったとはいえない。よって、違法性阻却事由があるとはいえず、甲には傷害罪が成立する。
(2)ア 次に、甲は丙に対して丙の腹部や大腿部を2回蹴り、結果、丙に腹部打撲等の怪我を負わせているため、傷害罪(204条)の構成要件に該当するか問題となる。この点、上記傷害結果にいたる暴行態様をみると、腹部は脆弱な部分であり、また、蹴りを2回もするという丙に身体的ダメージをあえて負わせる態様でなされており、かつ、甲が丙の頭部を抱え「おら、おら、どうした」と言っていることから、甲には丙を痛めつけるという傷害の故意があったといえる。よって、傷害罪(204条)の構成要件に該当する。
イ また、甲の丙に対する暴行は、丙が甲の旨付近を押すという暴行に対応してなされたものであるため、正当防衛(36条1項)が成立するか問題となる。しかし、丙がしたのは甲の乙への暴行をとめるためにしたにすぎず、これ以上甲に対してさらに暴行を加える状況になかったといえ、「急迫不正の侵害」があったとはいえない。よって、正当防衛(36条)は成立しない。
2、事例3について
(1)甲は車に飛び乗った乙を車から振り落とし、その結果乙は頭部を路面に強打し、頭蓋骨骨折及び脳挫傷の大怪我をおい、意識不明にさせている。かかる甲の行為は、傷害罪の構成要件に該当するにとどまるものか、殺人未遂罪(199条・203条)の構成要件に該当するかが問題となる。
ア、まず、傷害罪と殺人罪の区別は、保護法益が身体と生命という違いがあるため、まずは客観的行為態様の危険性が身体に対するものか、生命に対する危険性を有するものであるかによって決せられる。
イ、そこで、本件についてみると、甲の車は四輪駆動という馬力のある車であり、かつ、車高が高いタイプであるため、人が飛び乗った際には車の勢いで、高い位置から振り落とすことができる危険性を有する車である。そして、本件で車を走らせた場所は片側3車線という広く交通量が多い道路で、また、アスファルト舗装された硬い道路である。このような危険性を有する車で、かつ、そのような車から落ちれば死の危険のある道路において、本件で甲は蛇行運転という飛び乗ったものが振り落とされる危険性が十分ある運転方法で、それも約200メートルという長い距離にわたり、時速50キロメートルという勢いで、ハンドルを急激に左に切ったことで乙を振り落としている。そして、実際に乙は頭部を路面に強打し、頭蓋骨および脳という生命維持に重要な器官にダメージを受けている。
ウ、このような危険性は、単に身体に対するものにとどまらず、生命に対する法益侵害の危険である。そうすると、甲の乙を振り落として傷害結果を生じさせた行為は、殺人未遂罪の構成要件に該当するといえる。
(2)ただ、かかる甲の行為は、乙が逃げる甲を追いかけ、車から降りさせようとした行為に対してなされたものであるため、正当防衛(36条1項)が成立するか問題となる。
ア、まず、「急迫不正の侵害」があるといえるか。本件で乙は走っても追いつかないような速度を上げた甲の車にあえて飛び乗り、逃げる甲に対して「てめぇ、降りて来い。車を止めろ。」と右手の拳で窓ガラスをたたいており、また、甲は後述のように乙からナイフで切りつけられていることからすれば、甲は乙につかまればただではすまされない状況にある。そのため、甲には、身体又は生命に対する急迫不正の侵害が現に存在し、また間近に差し迫っているといえる。
イ、次に、「防衛の意思」があったといえるか。防衛の意思は明文上、「ために」と規定があること、及び防衛の意思が全く無いのにした防衛行為を正当防衛と認めるのは妥当ではなく、正当防衛の成立要件の一つといえる。
本件についてみると、確かに甲は「乙が路面に頭などを強く打ち付けられてしまうだろうが、乙を振り落としてしまおう」という加害意思を有しているが、かかる加害意思と防衛意思が並存したとしても、加害意思があれば常に防衛の意思を欠くとするのは一般的に実情に反し妥当ではない。甲はかかる加害意思は有しているが、乙からの侵害を避けるためにしたのであるから、防衛の意思は認められるといえる。
ウ、また、「やむを得ずにした行為」といえるか、すなわち、甲の振り落とし行為が防衛目的達成のための必要最小限度の反撃行為といえるか(相当性)が問題となる。
まず、甲に対する乙の侵害行為の態様についてみると、乙はナイフを持っており、また、甲は乙から逃げる際にきりつけられている。さらに、乙は甲車に追いついた際には、運転席側の少しあけられていた窓ガラスからナイフを持った右手を車内に突っ込んで「てめぇ、やくざ者なめんな。逃げられると思ってんのか。」等と言い、また、その後車に飛び乗っている。このように乙は危険な凶器を手にして、興奮し、また執拗であるから、乙の甲に向けられた生命侵害の危険性は高かったといえる。
しかし、乙は車に飛び乗った際、ナイフを車内シートに落としており、ナイフによる生命侵害の危険性は減少している。そして、甲はナイフを車内に落としたことに気付いており、生命への侵害度は相当減少していることの認識があったといえる。
そうであるにもかかわらず、甲は乙に対して生命侵害への危険が及ぶことを認識して、実際に上記のような死の結果の可能性が高い車から振り落とす行為を行っている。
また、このような場合、甲は乙を振り落とすのではなく、警察などに駆け込むなどの方法により乙の侵害を除去することは可能であったといえる。
このように考えると、他の方法による侵害を除去できるにもかかわらず、甲は、乙から受けるおそれのある身体へ侵害行為に対し、生命への危険を生じる行為をもって防衛行為を行ったものといえ、「やむをえずした行為」の要件を欠くといえる。
(2)したがって、甲の乙を振り落とした行為は殺人未遂罪について正当防衛行為は成立せず、過剰防衛(36条2項)が成立するにとどまる。
3、罪数
以上より、事例1において甲には乙、丙に対してそれぞれ傷害罪(204条)が成立し、事例3においては殺人未遂(199条・203条)の過剰防衛が成立し殺人未遂罪については任意的減免(36条2項)、各罪責は併合罪として処断される。
第2、乙の罪責
1、事例1
(1)乙は、事例1において、甲から受けた傷害結果に対し、甲に仕返しをしてやろうという傷害の故意をもって甲の後ろから腰背部付近を右足で2回蹴り、甲に腰背部打撲の怪我を負わせている。そして、かかる傷害行為は、かつて同じ暴走族に所属していた丙が、乙を助けるためにけんかに割って入った丙が「助けてくれ」と乙に言ったことに応じてなされたものであり、また、その後仲間関係にある乙と丙が相互に敵対する甲に対して暴行行為をしていることからすれば、明示の乙丙間の共謀はなくとも、乙丙間において現場の黙示凶暴の下なされたといえる。したがって、乙の上記行為は傷害罪の共同正犯(204条・60条)の構成要件に該当する。
(2)ただ、乙は丙を助けるために上記(1)の行為を行っており、正当防衛が成立するか問題となる。
ア、まず、丙に対する甲の頭部締め上げという急迫不正の侵害は認められる。
イ、次に、防衛の意思については、確かに乙は甲に対する仕返しの目的をもって上記侵害行為に及んでいるが、上述のように防衛の意思と加害医師は並存しうるため、丙に対する甲の侵害行為を除去するために乙が上記行為に及んでいる以上、防衛の意思がある。
ウ、そして、防衛行為の相当性についても、乙の行為は、甲の丙の腹部・大腿部を蹴って傷害結果を生じさせ、さらに頭部を締め上げるという身体への危害を加える行為に対して、後ろからとはいえ蹴っているにすぎない。よって、「やむをえずした行為」といえる。
エ、よって、正当防衛が成立する。
(3)したがって、事例1において乙には傷害罪は成立せず、罪責を負わない。
2、事例2
(1)乙は、甲を痛めつけてやらねば気がすまないという傷害の故意をもって、甲を追いかけ、実際にナイフで甲の左手付近を切りつけ、甲に左前腕部に切創を負わせているため、傷害罪の構成要件該当性が認められる。
(2)もっとも、かかる傷害行為は事例1において丙との現場共謀が成立しているため、ここでも丙との関係で共同正犯といえるか問題となる。
ア この点、事例1と事例2における行為の一体性をみると、事例2においては甲は全速力で走って逃げ出しており、きりつけた場所も事例1の地点から約300メートル離れた場所であるから、場所的な近接性は認められないとも思える。しかし、乙は甲が逃げる後ろ5、6メートルで追いかけており、場所的な近接性は継続していたといえる。
イ、他方、事例2の乙の行為は乙と丙との事例1での共謀の範囲に含まれるかが問題となる。この点、乙と丙は確かに事例1において甲を痛めつける共謀行為を持っているが、事例1の共謀は甲に対する反撃行為についての共謀である。これに対し、事例2においては、乙は、多数の通行人が見ている場所で甲からやられたことで面子をつぶされたと思って逆上してナイフを取り出しており、乙が丙との意思連絡なしにナイフを取り出していること、また、丙は、確かに乙の後ろを追いかけているが、乙が何をするか分からず、心配になって追いかけており、実際、ナイフを取り出した際には「やめとけ。ナイフなんかしまえ」と何度か叫んで、乙を制止する言動をしていること、さらに、丙は、乙が甲に切りかかった行為を見て、乙を制止するために乙の両肩をつかんで津腰公法に引っ張って甲に切りかかる乙を引き離すという積極的態様で乙を制止していることが認められる。
このようにみると、事例2においては乙は丙からナイフでの切りつけ行為について積極的に制止されたにもかかわらず単独で犯行に及んでおり、かかる行為はもはや事例1の間で成立した丙との共謀の範囲外での行為であるというべきである。
ウ、したがって、事例2においては傷害の単独正犯が成立するといえる。
3、罪数
以上より、乙には事例1における傷害罪の共同正犯、事例2における傷害罪が成立し、それぞれ併合罪として処断される。
第3、丙の罪責
1、事例1
(1)丙は甲の胸付近を強く押すという有形力を行使しており、かかる行為は暴行罪(208条)の構成要件に該当する。
(2)もっとも、かかる行為は、乙が甲から一方的にやられており、さらに乙への攻撃が続けられる様子という乙への急迫不正の侵害に対し、乙を助けてやろうという防衛の意思をもって、甲を乙から引き離すため胸を押すという必要最小限度でなされた有形力の行使に過ぎないため、正当防衛(36条)が成立する。
2、事例2
(1)上記第2、2(2)で述べたように、乙がしたナイフの切りつけ行為に関し、丙と乙の間に共謀はなく、丙は乙の行為について罪責を負わない。
3、罪責
以上より、丙は何らの罪責を負わないといえる。
以上
第1、甲の罪責
1、事例1について
(1)ア甲は、乙の腹部を拳で殴打し、さらに、乙の顔面を膝で蹴って、これによって乙に上あご左側中切歯・側切歯歯牙破折及び顔面打撲という身体の生理機能を害する結果を生じさせている。そして、腹部・顔面という脆弱な部分に対して、拳や膝という硬い部分で複数回の暴行を加えているため、傷害の故意は認められるから、甲の上記行為は傷害罪(刑法204条(以下「刑法」略))の構成要件に該当する。
イ、また、上記暴行は乙に「お前、俺を誰だと思ってんだ」と言われ、すごまれた直後になされたものであるため、乙による脅迫に対してなされたものであり正当防衛(36条1項)が成立しうる。しかし、甲は乙の態度にひるむ事なく、また、言い合った末に先制攻撃としてなされており、急迫不正の侵害があったとはいえない。よって、違法性阻却事由があるとはいえず、甲には傷害罪が成立する。
(2)ア 次に、甲は丙に対して丙の腹部や大腿部を2回蹴り、結果、丙に腹部打撲等の怪我を負わせているため、傷害罪(204条)の構成要件に該当するか問題となる。この点、上記傷害結果にいたる暴行態様をみると、腹部は脆弱な部分であり、また、蹴りを2回もするという丙に身体的ダメージをあえて負わせる態様でなされており、かつ、甲が丙の頭部を抱え「おら、おら、どうした」と言っていることから、甲には丙を痛めつけるという傷害の故意があったといえる。よって、傷害罪(204条)の構成要件に該当する。
イ また、甲の丙に対する暴行は、丙が甲の旨付近を押すという暴行に対応してなされたものであるため、正当防衛(36条1項)が成立するか問題となる。しかし、丙がしたのは甲の乙への暴行をとめるためにしたにすぎず、これ以上甲に対してさらに暴行を加える状況になかったといえ、「急迫不正の侵害」があったとはいえない。よって、正当防衛(36条)は成立しない。
2、事例3について
(1)甲は車に飛び乗った乙を車から振り落とし、その結果乙は頭部を路面に強打し、頭蓋骨骨折及び脳挫傷の大怪我をおい、意識不明にさせている。かかる甲の行為は、傷害罪の構成要件に該当するにとどまるものか、殺人未遂罪(199条・203条)の構成要件に該当するかが問題となる。
ア、まず、傷害罪と殺人罪の区別は、保護法益が身体と生命という違いがあるため、まずは客観的行為態様の危険性が身体に対するものか、生命に対する危険性を有するものであるかによって決せられる。
イ、そこで、本件についてみると、甲の車は四輪駆動という馬力のある車であり、かつ、車高が高いタイプであるため、人が飛び乗った際には車の勢いで、高い位置から振り落とすことができる危険性を有する車である。そして、本件で車を走らせた場所は片側3車線という広く交通量が多い道路で、また、アスファルト舗装された硬い道路である。このような危険性を有する車で、かつ、そのような車から落ちれば死の危険のある道路において、本件で甲は蛇行運転という飛び乗ったものが振り落とされる危険性が十分ある運転方法で、それも約200メートルという長い距離にわたり、時速50キロメートルという勢いで、ハンドルを急激に左に切ったことで乙を振り落としている。そして、実際に乙は頭部を路面に強打し、頭蓋骨および脳という生命維持に重要な器官にダメージを受けている。
ウ、このような危険性は、単に身体に対するものにとどまらず、生命に対する法益侵害の危険である。そうすると、甲の乙を振り落として傷害結果を生じさせた行為は、殺人未遂罪の構成要件に該当するといえる。
(2)ただ、かかる甲の行為は、乙が逃げる甲を追いかけ、車から降りさせようとした行為に対してなされたものであるため、正当防衛(36条1項)が成立するか問題となる。
ア、まず、「急迫不正の侵害」があるといえるか。本件で乙は走っても追いつかないような速度を上げた甲の車にあえて飛び乗り、逃げる甲に対して「てめぇ、降りて来い。車を止めろ。」と右手の拳で窓ガラスをたたいており、また、甲は後述のように乙からナイフで切りつけられていることからすれば、甲は乙につかまればただではすまされない状況にある。そのため、甲には、身体又は生命に対する急迫不正の侵害が現に存在し、また間近に差し迫っているといえる。
イ、次に、「防衛の意思」があったといえるか。防衛の意思は明文上、「ために」と規定があること、及び防衛の意思が全く無いのにした防衛行為を正当防衛と認めるのは妥当ではなく、正当防衛の成立要件の一つといえる。
本件についてみると、確かに甲は「乙が路面に頭などを強く打ち付けられてしまうだろうが、乙を振り落としてしまおう」という加害意思を有しているが、かかる加害意思と防衛意思が並存したとしても、加害意思があれば常に防衛の意思を欠くとするのは一般的に実情に反し妥当ではない。甲はかかる加害意思は有しているが、乙からの侵害を避けるためにしたのであるから、防衛の意思は認められるといえる。
ウ、また、「やむを得ずにした行為」といえるか、すなわち、甲の振り落とし行為が防衛目的達成のための必要最小限度の反撃行為といえるか(相当性)が問題となる。
まず、甲に対する乙の侵害行為の態様についてみると、乙はナイフを持っており、また、甲は乙から逃げる際にきりつけられている。さらに、乙は甲車に追いついた際には、運転席側の少しあけられていた窓ガラスからナイフを持った右手を車内に突っ込んで「てめぇ、やくざ者なめんな。逃げられると思ってんのか。」等と言い、また、その後車に飛び乗っている。このように乙は危険な凶器を手にして、興奮し、また執拗であるから、乙の甲に向けられた生命侵害の危険性は高かったといえる。
しかし、乙は車に飛び乗った際、ナイフを車内シートに落としており、ナイフによる生命侵害の危険性は減少している。そして、甲はナイフを車内に落としたことに気付いており、生命への侵害度は相当減少していることの認識があったといえる。
そうであるにもかかわらず、甲は乙に対して生命侵害への危険が及ぶことを認識して、実際に上記のような死の結果の可能性が高い車から振り落とす行為を行っている。
また、このような場合、甲は乙を振り落とすのではなく、警察などに駆け込むなどの方法により乙の侵害を除去することは可能であったといえる。
このように考えると、他の方法による侵害を除去できるにもかかわらず、甲は、乙から受けるおそれのある身体へ侵害行為に対し、生命への危険を生じる行為をもって防衛行為を行ったものといえ、「やむをえずした行為」の要件を欠くといえる。
(2)したがって、甲の乙を振り落とした行為は殺人未遂罪について正当防衛行為は成立せず、過剰防衛(36条2項)が成立するにとどまる。
3、罪数
以上より、事例1において甲には乙、丙に対してそれぞれ傷害罪(204条)が成立し、事例3においては殺人未遂(199条・203条)の過剰防衛が成立し殺人未遂罪については任意的減免(36条2項)、各罪責は併合罪として処断される。
第2、乙の罪責
1、事例1
(1)乙は、事例1において、甲から受けた傷害結果に対し、甲に仕返しをしてやろうという傷害の故意をもって甲の後ろから腰背部付近を右足で2回蹴り、甲に腰背部打撲の怪我を負わせている。そして、かかる傷害行為は、かつて同じ暴走族に所属していた丙が、乙を助けるためにけんかに割って入った丙が「助けてくれ」と乙に言ったことに応じてなされたものであり、また、その後仲間関係にある乙と丙が相互に敵対する甲に対して暴行行為をしていることからすれば、明示の乙丙間の共謀はなくとも、乙丙間において現場の黙示凶暴の下なされたといえる。したがって、乙の上記行為は傷害罪の共同正犯(204条・60条)の構成要件に該当する。
(2)ただ、乙は丙を助けるために上記(1)の行為を行っており、正当防衛が成立するか問題となる。
ア、まず、丙に対する甲の頭部締め上げという急迫不正の侵害は認められる。
イ、次に、防衛の意思については、確かに乙は甲に対する仕返しの目的をもって上記侵害行為に及んでいるが、上述のように防衛の意思と加害医師は並存しうるため、丙に対する甲の侵害行為を除去するために乙が上記行為に及んでいる以上、防衛の意思がある。
ウ、そして、防衛行為の相当性についても、乙の行為は、甲の丙の腹部・大腿部を蹴って傷害結果を生じさせ、さらに頭部を締め上げるという身体への危害を加える行為に対して、後ろからとはいえ蹴っているにすぎない。よって、「やむをえずした行為」といえる。
エ、よって、正当防衛が成立する。
(3)したがって、事例1において乙には傷害罪は成立せず、罪責を負わない。
2、事例2
(1)乙は、甲を痛めつけてやらねば気がすまないという傷害の故意をもって、甲を追いかけ、実際にナイフで甲の左手付近を切りつけ、甲に左前腕部に切創を負わせているため、傷害罪の構成要件該当性が認められる。
(2)もっとも、かかる傷害行為は事例1において丙との現場共謀が成立しているため、ここでも丙との関係で共同正犯といえるか問題となる。
ア この点、事例1と事例2における行為の一体性をみると、事例2においては甲は全速力で走って逃げ出しており、きりつけた場所も事例1の地点から約300メートル離れた場所であるから、場所的な近接性は認められないとも思える。しかし、乙は甲が逃げる後ろ5、6メートルで追いかけており、場所的な近接性は継続していたといえる。
イ、他方、事例2の乙の行為は乙と丙との事例1での共謀の範囲に含まれるかが問題となる。この点、乙と丙は確かに事例1において甲を痛めつける共謀行為を持っているが、事例1の共謀は甲に対する反撃行為についての共謀である。これに対し、事例2においては、乙は、多数の通行人が見ている場所で甲からやられたことで面子をつぶされたと思って逆上してナイフを取り出しており、乙が丙との意思連絡なしにナイフを取り出していること、また、丙は、確かに乙の後ろを追いかけているが、乙が何をするか分からず、心配になって追いかけており、実際、ナイフを取り出した際には「やめとけ。ナイフなんかしまえ」と何度か叫んで、乙を制止する言動をしていること、さらに、丙は、乙が甲に切りかかった行為を見て、乙を制止するために乙の両肩をつかんで津腰公法に引っ張って甲に切りかかる乙を引き離すという積極的態様で乙を制止していることが認められる。
このようにみると、事例2においては乙は丙からナイフでの切りつけ行為について積極的に制止されたにもかかわらず単独で犯行に及んでおり、かかる行為はもはや事例1の間で成立した丙との共謀の範囲外での行為であるというべきである。
ウ、したがって、事例2においては傷害の単独正犯が成立するといえる。
3、罪数
以上より、乙には事例1における傷害罪の共同正犯、事例2における傷害罪が成立し、それぞれ併合罪として処断される。
第3、丙の罪責
1、事例1
(1)丙は甲の胸付近を強く押すという有形力を行使しており、かかる行為は暴行罪(208条)の構成要件に該当する。
(2)もっとも、かかる行為は、乙が甲から一方的にやられており、さらに乙への攻撃が続けられる様子という乙への急迫不正の侵害に対し、乙を助けてやろうという防衛の意思をもって、甲を乙から引き離すため胸を押すという必要最小限度でなされた有形力の行使に過ぎないため、正当防衛(36条)が成立する。
2、事例2
(1)上記第2、2(2)で述べたように、乙がしたナイフの切りつけ行為に関し、丙と乙の間に共謀はなく、丙は乙の行為について罪責を負わない。
3、罪責
以上より、丙は何らの罪責を負わないといえる。
以上
まー、卒業後は、計画どおり、過去問の検討・答案を作ることにします。
すべて一度やったやつなので、2月、3月は時間を計るというより、出題趣旨・採点実感を読み込んで完璧答案を作ることにする。
優秀答案やら、1000番答案から自分のいいなとおもったところを盗んで答案に反映。
これらはワードでつくって、そのあとそれを添削する。ゼミでやることなんだけど、ゼミでやる前のやつをブログに乗っける。
という感じです。なので、表現が冗長だったり、本番ではこんなにかけるか馬鹿、っていうこともあります。というかほとんどそういうものです。
ちなみに、時間を気にせず、あえて自分の完璧答案をつくる、というのは、上位合格者の一人である先輩がやっていたことの真似ですが、これは意外と効果的だと思ってます。
なんでかっていうと、時間内に解くためには、知識・理解、表現力(論述力)が必要なのですが、これを欠く状態でいきなり時間を計って、書くことやっちゃうと単なる時間の無駄が多くなるからです。また、時間内に最低限の答案も作れないこと自体は自覚しているので、そもそも実際に書くということをもう一度やるのは直前の4月からで良いのではないか、と判断しているからです。
こういった勉強方法も勉強の進度によって有効・無効が分かれると思いますが、あまり進んでない私としてはこういう勉強をまずやっていって、自分の潜在的な感覚を研ぎ澄ませていくのが先決と考えるため、こういう方法をとることにしました。
良い指摘もらえるとうれしいです。
すべて一度やったやつなので、2月、3月は時間を計るというより、出題趣旨・採点実感を読み込んで完璧答案を作ることにする。
優秀答案やら、1000番答案から自分のいいなとおもったところを盗んで答案に反映。
これらはワードでつくって、そのあとそれを添削する。ゼミでやることなんだけど、ゼミでやる前のやつをブログに乗っける。
という感じです。なので、表現が冗長だったり、本番ではこんなにかけるか馬鹿、っていうこともあります。というかほとんどそういうものです。
ちなみに、時間を気にせず、あえて自分の完璧答案をつくる、というのは、上位合格者の一人である先輩がやっていたことの真似ですが、これは意外と効果的だと思ってます。
なんでかっていうと、時間内に解くためには、知識・理解、表現力(論述力)が必要なのですが、これを欠く状態でいきなり時間を計って、書くことやっちゃうと単なる時間の無駄が多くなるからです。また、時間内に最低限の答案も作れないこと自体は自覚しているので、そもそも実際に書くということをもう一度やるのは直前の4月からで良いのではないか、と判断しているからです。
こういった勉強方法も勉強の進度によって有効・無効が分かれると思いますが、あまり進んでない私としてはこういう勉強をまずやっていって、自分の潜在的な感覚を研ぎ澄ませていくのが先決と考えるため、こういう方法をとることにしました。
良い指摘もらえるとうれしいです。
<答案>
第1 設問1
1、捜査①
(1)警察官Pらが、甲がアパート前公道上のごみ集積所に置いたごみ袋を警察署に持ち帰った行為は「領置」(刑事訴訟法(以下、略)221条)として適法か。領置といえるか問題となる。
まず、領置は、被疑者その他の者が遺留した物の占有を取得する行為であるが、占有を放棄した物の占有を取得することから法益侵害を伴わず、無令状で行うことができる。
したがって、領置ができるか否かは、占有取得の対象が、占有が放棄された遺留物にあたるか否かによって決せられる。
これを本件についてみると、Pらが持ち帰ったごみ袋が置かれた場所は、A組事務所アパート前の公道上である。そして、公道では不特定多数の人々の往来がある場所であるから、公道上におかれたゴミ袋については、客観的にもはやアパートの管理・占有を離れた遺留物というべきである。
よって、上記行為は「領置」(221条)として適法といえる。
(2)次に、Pらがごみ袋の内容物たる裁断されていたメモ片を復元する行為の適法性については、上記のように適法な領置がなされた後は、221条1項が準用する111条1項により、「必要な処分」として適法といえる。
(3)以上より、捜査①は適法といえる。
2、捜査②
(1)
ア、捜査②においては、Pは捜査①と同様に甲が投機したごみ袋を回収している。しかし、捜査①とは異なり、ごみ袋が置かれた場所は甲が居住するマンション敷地内のごみ集積所であり、ごみ袋はマンション管理人の占有下にあり、「遺留物」といえず無令状で行えないのではないか。
イ、この点、確かにごみ集積所は、居住部分の建物棟とは少し離れた場所の倉庫内にあり、出入り口は施錠されておらず、誰でも出入り可能な場所である。しかし、ごみ集積所が居住部分と少し離れた場所に設けられることは通常ありうることであるし、かつ、日々ごみの回収が行われるため、ごみを出す居住者のために鍵をかけず、だれでも出入り可能にした状態にしてマンションが管理することは一般的である。よって、ごみ集積所がマンション敷地内にある以上、当該ごみ集積所に出されたごみ袋は占有を失っていないとみるべきである。
ウ、よって、捜査②でPらが行ったごみの持ち帰りは、「領置」としては行えないため、無令状でごみ袋を持ち帰った行為は令状主義に反し、違法である。
(2)ごみの持ち帰り行為が違法である以上、メモの復元行為も違法である。
(3)したがって、捜査②は違法である。
3、捜査③
捜査③の前提として、Pらは乙の携帯電話について捜索差押許可状の発付を得て、押収している。そして、乙の携帯電話には、甲によるけん銃譲渡の被疑事実についての証拠価値が高い情報が含まれている可能性が高い。そうすると、押収物たる携帯電話のデータを可読にするために行う携帯電話の消去されたデータの復元・分析を行う捜査③は、令状執行の実効性を確保するために行う「必要な処分」(221条1項111条2項)として適法である。
第2 設問2
1、前提となる捜査の適法性
(1)おとり捜査
ア、本件では乙および丙を捜査協力者として、甲にけん銃譲渡の罪を行うように誘導し、かかる罪の証拠収集を行うといういわゆるおとり捜査が行われている。
イ、このようなおとり捜査は適法といえるか。おとり捜査は、国家機関たる捜査機関が、犯罪の契機を創出する点で違法となりうるため、その適法性基準が問題となる。
まず、おとり捜査は、新たな犯罪行為を国家が創出するとはいえ、新たな法益侵害を伴うものでなければ、任意捜査として適法となりうる。そのため、おとり捜査が適法といえるためには、まず直接法益侵害される被害者が想定されない犯罪類型にかぎり、許された捜査方法であるといえる。
次に、上記のように国家が犯罪行為を創出するという点から、おとり捜査が行われることはできる限り抑制的であるべきである。そのため、おとり捜査を行うには必要性が必要であり、かつその必要性は高度でなければならない。具体的には、組織的かつ密行的になされ、おとり捜査を行わなければ捜査機関が具体的な犯罪の嫌疑をもちえないような犯罪についてのみおとり捜査は違法である。
したがって、おとり捜査の適法性基準は、①法益侵害を伴わない犯罪類型であり、②かつ、おとり捜査を行う必要が高度に認められる場合にのみ適法となると考える。
ウ、あてはめ・結論
(ア)まず、本件で甲に対する被疑事実はけん銃譲渡罪であって、直接の犯罪被害者が想定しにくい犯罪類型である。
(イ)そして、本件けん銃譲渡は、A組による組織的な密売ルートによって行われており、A組は、けん銃譲渡の発覚を恐れ一般人には販売せず、暴力団に属するものに対してのみ、密行的に販売していたのであって、おとり捜査を行わなければ検挙する証拠を入手できなかったという事情がある。そうだとすると、PらがB組の組合員たる乙および乙と密接な関係を有していた丙に捜査協力を仰いでおとり捜査を行う必要性は高かったといえる。
(ウ)よって、本件でなされたおとり捜査は適法というべきである。
(2)秘密録音
ア、まず、Pは、乙・丙の協力を得て、録音①~③において甲の同意を得ずして会話を録音している。かかる録音は秘密録音として適法といえるか。
イ、秘密録音は、相手方が電話の内容を録音され、第三者に開示されないという期待を侵害するものである。かかる相手方の期待は、プライバシー権として保護されるべき法益と評価しうるものであり、強制処分法定主義(197条1項但書)に反して違法となりうる。しかし、そもそも電話での会話が第三者に聞かれることは予測可能であり、会話内容によってはそのプライバシーの保護への期待は低い場合があることを考えると、当事者の一方の同意を得てなされる秘密録音は重要利益を侵害するものとはいえず、任意処分といえる。
ウ、そこで、次に任意捜査としての適法性基準は、会話の内容、録音の目的に照らし、録音の必要性、緊急性、手段の相当性から任意捜査として許容されるか判断されるべきと考える。
エ、これを本件についてみると、上記のように本件では組織的・密行的に行われるけん銃譲渡罪の被疑事実についての証拠収集のために行われた秘密録音であり、録音の必要性は認められる。また、暴力団関係者でしか甲を検挙する証拠を入手する機会は得られないことから、乙を捜査協力者として行う場合には、ほかにない好機であるといえ、かつ、まさにけん銃譲渡の罪が行われようとしている状況であるから、秘密録音の緊急性も認められる。
そして、Pらが行った秘密録音は、乙・丙の同意を得てなされたものであって、手段としても相当性があるといえる。
オ、よって、本件で行われた秘密録音は任意捜査として適法である。
2、捜査報告書の証拠能力
(1)上記1より、おとり捜査および秘密録音は適法であるため、かかる捜査を前提に作成された捜査報告書は違法収集証拠として排除されない。
(2)伝聞法則
ア 捜査報告全体
(ア)もっとも、捜査報告書は、司法警察員Kが録取したものであり、伝聞証拠(320条1項)として証拠能力を否定されるか問題となる。
(イ)まず、伝聞証拠とは、公判期日外における供述を内容とする供述証拠であって、その内容の真実性を立証するために提出される証拠をいう。伝聞法則の趣旨は、人の知覚・記憶・表現・叙述が介在し、かつ、反対尋問の機会が無い証拠には証拠能力を付与しないことにあるからである。そして、伝聞証拠にあたる場合には、伝聞例外(321条以下)要件を満たさない限り、許容されない。また、伝聞証拠にあたるか否かは、要証事実との関係によって決まる。
(ウ)まず、捜査報告書全体は、司法警察員KがICレコーダーおよび携帯電話を再生して反訳したものであり、Kがその五官の作用によって認識し録取した点でかかる反訳の性質は実質的に検証である。したがって、捜査報告書全体は検証調書として、Kが録取したことの真正性の立証、すなわちK名義の真性とKが検証を真摯に行ったと公判廷で供述した場合に、321条3項によって許容される。
イ 甲・乙、及び甲・丙の会話部分
捜査報告書には、甲・乙、甲・丙の会話部分が録取されており、かかる録取部分は、当該会話の存在を立証するために提出される証拠といえる。そうすると、当該部分は非伝聞証拠であり、上記報告書全体が許容されることによって一体として証拠能力を有する。
ウ 乙の供述部分
(ア)乙の供述部分は、「甲と電話し」て、けん銃の話合いをしたこと、F喫茶店で会うと話したこと、F喫茶店でけん銃の譲渡の方法や代金についての供述内容であり、かかる供述はその供述内容の真実性を立証するために提出される場合であるから、伝聞性が認められる。そのため、被告人以外の供述(321条1項)として、321条1項3号の例外要件を満たさなければ許容されない。
(イ)321条1項3号の例外要件が本件で認められるかが問題となる。
まず、供述者乙は死亡している(321条1項3号前段)。
次に、乙の供述は本件甲のけん銃譲渡罪の犯行に至るまでの過程を唯一具体的に証明するための証拠として犯罪事実の存否証明に必要不可欠である(321条1項3号後段)。
そして、死亡した乙が発見されたマンションにおいて発見された宅配便の箱の内容物は、発見されたけん銃の数、甲が丙に要求した代金と乙の供述内容と一致することから、甲の供述には特に信用すべき状況が認められるといえる(321条1項3号但書)。
(ウ)よって、乙の供述部分は伝聞例外要件を満たすため、許容される。
エ 以上より、本件捜査報告書全体の証拠能力は認められるといえる。
以上
第1 設問1
1、捜査①
(1)警察官Pらが、甲がアパート前公道上のごみ集積所に置いたごみ袋を警察署に持ち帰った行為は「領置」(刑事訴訟法(以下、略)221条)として適法か。領置といえるか問題となる。
まず、領置は、被疑者その他の者が遺留した物の占有を取得する行為であるが、占有を放棄した物の占有を取得することから法益侵害を伴わず、無令状で行うことができる。
したがって、領置ができるか否かは、占有取得の対象が、占有が放棄された遺留物にあたるか否かによって決せられる。
これを本件についてみると、Pらが持ち帰ったごみ袋が置かれた場所は、A組事務所アパート前の公道上である。そして、公道では不特定多数の人々の往来がある場所であるから、公道上におかれたゴミ袋については、客観的にもはやアパートの管理・占有を離れた遺留物というべきである。
よって、上記行為は「領置」(221条)として適法といえる。
(2)次に、Pらがごみ袋の内容物たる裁断されていたメモ片を復元する行為の適法性については、上記のように適法な領置がなされた後は、221条1項が準用する111条1項により、「必要な処分」として適法といえる。
(3)以上より、捜査①は適法といえる。
2、捜査②
(1)
ア、捜査②においては、Pは捜査①と同様に甲が投機したごみ袋を回収している。しかし、捜査①とは異なり、ごみ袋が置かれた場所は甲が居住するマンション敷地内のごみ集積所であり、ごみ袋はマンション管理人の占有下にあり、「遺留物」といえず無令状で行えないのではないか。
イ、この点、確かにごみ集積所は、居住部分の建物棟とは少し離れた場所の倉庫内にあり、出入り口は施錠されておらず、誰でも出入り可能な場所である。しかし、ごみ集積所が居住部分と少し離れた場所に設けられることは通常ありうることであるし、かつ、日々ごみの回収が行われるため、ごみを出す居住者のために鍵をかけず、だれでも出入り可能にした状態にしてマンションが管理することは一般的である。よって、ごみ集積所がマンション敷地内にある以上、当該ごみ集積所に出されたごみ袋は占有を失っていないとみるべきである。
ウ、よって、捜査②でPらが行ったごみの持ち帰りは、「領置」としては行えないため、無令状でごみ袋を持ち帰った行為は令状主義に反し、違法である。
(2)ごみの持ち帰り行為が違法である以上、メモの復元行為も違法である。
(3)したがって、捜査②は違法である。
3、捜査③
捜査③の前提として、Pらは乙の携帯電話について捜索差押許可状の発付を得て、押収している。そして、乙の携帯電話には、甲によるけん銃譲渡の被疑事実についての証拠価値が高い情報が含まれている可能性が高い。そうすると、押収物たる携帯電話のデータを可読にするために行う携帯電話の消去されたデータの復元・分析を行う捜査③は、令状執行の実効性を確保するために行う「必要な処分」(221条1項111条2項)として適法である。
第2 設問2
1、前提となる捜査の適法性
(1)おとり捜査
ア、本件では乙および丙を捜査協力者として、甲にけん銃譲渡の罪を行うように誘導し、かかる罪の証拠収集を行うといういわゆるおとり捜査が行われている。
イ、このようなおとり捜査は適法といえるか。おとり捜査は、国家機関たる捜査機関が、犯罪の契機を創出する点で違法となりうるため、その適法性基準が問題となる。
まず、おとり捜査は、新たな犯罪行為を国家が創出するとはいえ、新たな法益侵害を伴うものでなければ、任意捜査として適法となりうる。そのため、おとり捜査が適法といえるためには、まず直接法益侵害される被害者が想定されない犯罪類型にかぎり、許された捜査方法であるといえる。
次に、上記のように国家が犯罪行為を創出するという点から、おとり捜査が行われることはできる限り抑制的であるべきである。そのため、おとり捜査を行うには必要性が必要であり、かつその必要性は高度でなければならない。具体的には、組織的かつ密行的になされ、おとり捜査を行わなければ捜査機関が具体的な犯罪の嫌疑をもちえないような犯罪についてのみおとり捜査は違法である。
したがって、おとり捜査の適法性基準は、①法益侵害を伴わない犯罪類型であり、②かつ、おとり捜査を行う必要が高度に認められる場合にのみ適法となると考える。
ウ、あてはめ・結論
(ア)まず、本件で甲に対する被疑事実はけん銃譲渡罪であって、直接の犯罪被害者が想定しにくい犯罪類型である。
(イ)そして、本件けん銃譲渡は、A組による組織的な密売ルートによって行われており、A組は、けん銃譲渡の発覚を恐れ一般人には販売せず、暴力団に属するものに対してのみ、密行的に販売していたのであって、おとり捜査を行わなければ検挙する証拠を入手できなかったという事情がある。そうだとすると、PらがB組の組合員たる乙および乙と密接な関係を有していた丙に捜査協力を仰いでおとり捜査を行う必要性は高かったといえる。
(ウ)よって、本件でなされたおとり捜査は適法というべきである。
(2)秘密録音
ア、まず、Pは、乙・丙の協力を得て、録音①~③において甲の同意を得ずして会話を録音している。かかる録音は秘密録音として適法といえるか。
イ、秘密録音は、相手方が電話の内容を録音され、第三者に開示されないという期待を侵害するものである。かかる相手方の期待は、プライバシー権として保護されるべき法益と評価しうるものであり、強制処分法定主義(197条1項但書)に反して違法となりうる。しかし、そもそも電話での会話が第三者に聞かれることは予測可能であり、会話内容によってはそのプライバシーの保護への期待は低い場合があることを考えると、当事者の一方の同意を得てなされる秘密録音は重要利益を侵害するものとはいえず、任意処分といえる。
ウ、そこで、次に任意捜査としての適法性基準は、会話の内容、録音の目的に照らし、録音の必要性、緊急性、手段の相当性から任意捜査として許容されるか判断されるべきと考える。
エ、これを本件についてみると、上記のように本件では組織的・密行的に行われるけん銃譲渡罪の被疑事実についての証拠収集のために行われた秘密録音であり、録音の必要性は認められる。また、暴力団関係者でしか甲を検挙する証拠を入手する機会は得られないことから、乙を捜査協力者として行う場合には、ほかにない好機であるといえ、かつ、まさにけん銃譲渡の罪が行われようとしている状況であるから、秘密録音の緊急性も認められる。
そして、Pらが行った秘密録音は、乙・丙の同意を得てなされたものであって、手段としても相当性があるといえる。
オ、よって、本件で行われた秘密録音は任意捜査として適法である。
2、捜査報告書の証拠能力
(1)上記1より、おとり捜査および秘密録音は適法であるため、かかる捜査を前提に作成された捜査報告書は違法収集証拠として排除されない。
(2)伝聞法則
ア 捜査報告全体
(ア)もっとも、捜査報告書は、司法警察員Kが録取したものであり、伝聞証拠(320条1項)として証拠能力を否定されるか問題となる。
(イ)まず、伝聞証拠とは、公判期日外における供述を内容とする供述証拠であって、その内容の真実性を立証するために提出される証拠をいう。伝聞法則の趣旨は、人の知覚・記憶・表現・叙述が介在し、かつ、反対尋問の機会が無い証拠には証拠能力を付与しないことにあるからである。そして、伝聞証拠にあたる場合には、伝聞例外(321条以下)要件を満たさない限り、許容されない。また、伝聞証拠にあたるか否かは、要証事実との関係によって決まる。
(ウ)まず、捜査報告書全体は、司法警察員KがICレコーダーおよび携帯電話を再生して反訳したものであり、Kがその五官の作用によって認識し録取した点でかかる反訳の性質は実質的に検証である。したがって、捜査報告書全体は検証調書として、Kが録取したことの真正性の立証、すなわちK名義の真性とKが検証を真摯に行ったと公判廷で供述した場合に、321条3項によって許容される。
イ 甲・乙、及び甲・丙の会話部分
捜査報告書には、甲・乙、甲・丙の会話部分が録取されており、かかる録取部分は、当該会話の存在を立証するために提出される証拠といえる。そうすると、当該部分は非伝聞証拠であり、上記報告書全体が許容されることによって一体として証拠能力を有する。
ウ 乙の供述部分
(ア)乙の供述部分は、「甲と電話し」て、けん銃の話合いをしたこと、F喫茶店で会うと話したこと、F喫茶店でけん銃の譲渡の方法や代金についての供述内容であり、かかる供述はその供述内容の真実性を立証するために提出される場合であるから、伝聞性が認められる。そのため、被告人以外の供述(321条1項)として、321条1項3号の例外要件を満たさなければ許容されない。
(イ)321条1項3号の例外要件が本件で認められるかが問題となる。
まず、供述者乙は死亡している(321条1項3号前段)。
次に、乙の供述は本件甲のけん銃譲渡罪の犯行に至るまでの過程を唯一具体的に証明するための証拠として犯罪事実の存否証明に必要不可欠である(321条1項3号後段)。
そして、死亡した乙が発見されたマンションにおいて発見された宅配便の箱の内容物は、発見されたけん銃の数、甲が丙に要求した代金と乙の供述内容と一致することから、甲の供述には特に信用すべき状況が認められるといえる(321条1項3号但書)。
(ウ)よって、乙の供述部分は伝聞例外要件を満たすため、許容される。
エ 以上より、本件捜査報告書全体の証拠能力は認められるといえる。
以上
12月にひとつ記事を書いて、3ヶ月放置していた。。
卒業試験がおわったのでひと段落する2月1日までは、ほんとに怒涛の3ヶ月だった気がする。
でもやりきったと感じていない。後悔が多い。
なんであのとき、ひとふんばりできなかったんだろう、とか。
今は、短期で頑張る自分の癖を直して、継続する力、癖を改めてつけるようにする。
択一もまだまだやっていないし。択一頑張るぞ。
目標は、一日6,7時間、4、5時間は論文。
やれるとこまでやろう。
今日はもう寝よう。
がんばるぞ。
卒業試験がおわったのでひと段落する2月1日までは、ほんとに怒涛の3ヶ月だった気がする。
でもやりきったと感じていない。後悔が多い。
なんであのとき、ひとふんばりできなかったんだろう、とか。
今は、短期で頑張る自分の癖を直して、継続する力、癖を改めてつけるようにする。
択一もまだまだやっていないし。択一頑張るぞ。
目標は、一日6,7時間、4、5時間は論文。
やれるとこまでやろう。
今日はもう寝よう。
がんばるぞ。
さて、ブログ初めてみました。
なんだか、ブログを続けているひとってほんとうにすごいと思ってます。
正直、いぬたまは、ずぼらな性格なのでそんなに毎日のように、思ったことなどを整理して書き綴る、という作業ができる気がしません。
まぁ、そんないぬたまがなぜブログをはじめてみようかなと思った理由は、ずばり、他の合格者ブログがすごい、って思ったことです。
なんだか、合格者のブログをみていると、そもそも、ブログを続けるという作業自体、日々の出来事や感想をちゃんと整理して、それを文章にしていくという作業であるので、これは合格に必要な能力の一つである「論述力」を養う訓練なのではないかなと感じます。
まぁそんなこんなで、自分の論理力要請の目的もかねて、ブログを続けていくことができればなーなんて思ってます。
そのうち、再現答案なんぞを載せてみるのも、なかなかいいかもしれない。
ちなみに、司法試験受験まであと164日なのですが、現段階で、短答過去問題を一回りすらしていません。
9月のTKCでは、下位20パーセントでした。12月でも、おそらく下位40パーセントくらいだと予想しています。
こんないぬたまが、司法試験にどうやって受かっていくのか、ここで 記録していこうかと思います。
とりあえず、労働法の試験が近いし、その一週間後には行政法の中間試験が控えているので、気合をいれて頑張ろうと思います。
なんだか、ブログを続けているひとってほんとうにすごいと思ってます。
正直、いぬたまは、ずぼらな性格なのでそんなに毎日のように、思ったことなどを整理して書き綴る、という作業ができる気がしません。
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なんだか、合格者のブログをみていると、そもそも、ブログを続けるという作業自体、日々の出来事や感想をちゃんと整理して、それを文章にしていくという作業であるので、これは合格に必要な能力の一つである「論述力」を養う訓練なのではないかなと感じます。
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とりあえず、労働法の試験が近いし、その一週間後には行政法の中間試験が控えているので、気合をいれて頑張ろうと思います。
