佐藤くん元気かな | 大道芸人ぼくゆう
先週の金曜日、平日のお昼は2000円で楽しめるということで、新宿ルミネtheよしもとに行ってきました!

お笑いが好きで、実は高校生の時にM-1甲子園というのに出たことがあります。地区大会は優勝しました。高校を卒業してからはM-1グランプリにも出場したことがあります。人生で一番スベったのは間違いなく5年くらい前のM-1グランプリです。かなりスベって寒すぎて風邪をひくかと思いました。この時の記憶は忘れ去りたい記憶第1位です。第2位は渋谷の街中で仲の良い双子姉妹の妹を見つけて後ろから抱きついたらそれは姉でも妹でもなく全く違う人だった時です。この話はまた別の機会にでもします。


当時の相方佐藤くんとはもう何年も連絡を取っていないので今は何をしているかわかりません

連絡を取らなくなったのには理由がありまして






佐藤くんは普段はものすごく礼儀正しく真面目でした、紳士ですよ、ジェントルマン。

そんな佐藤くんと飲みに行くことがあったんですね。席についてとりあえず飲み物を注文するじゃないですか。

「お茶割りー」とか「とりあえず生!」みたいに注文しますよね。

佐藤君は「じゃあ、このアサヒスーパードライを一つ貰えますか?」って言うんです。お好み焼き屋ですよ。おばちゃんが「何にするー?」とか軽がるしく聞いてくるようなところでまるで迎賓館にいるかのような口ぶり。紳士ですよ、ジェントルマン。

そんで飲み物が来たら「あ、そこに置いておいてもらえますか?自分でやりますんで。ありがとうございます。」おばちゃんに丁寧にお礼を言う佐藤君。正直ちょっとうっとうしい。でもそんな大人な態度、紳士ですよ、ジェントルマン。

おいしい料理にお酒は進みちょっと上機嫌になってきました。大人しい佐藤君もさすがに冗談を言ったりふざけたりとあか抜けてきました。

それで佐藤君がトイレに立ち「今のほうが明るくていいカンジだね」って言ってみると頭をスパーンとひっぱたかれ「おっ、寂しくなかったか!?」と。何事だと思い後ろを見るとフラフラになった佐藤君が。

あまりの豹変ぶりに苦笑いでしたよ。まあ、酔ったらこうなる人もいるか。それにこの明るい佐藤君も面白いってことでそこまで気にせず楽しくやってたんですよ。

数分後、そんな佐藤君にも馴れてきてワイワイやってたところ佐藤君が「ちょいトイレに行って来るわー」とトイレに行ったんですよ。そしたら「ガシャーン」何かが割れる音がしました。

もしかしたら酔ってる佐藤君が飲みすぎてふらついて何かを割ったのかと思いましたが彼ならいつもの態度で丁重に謝罪するに違いない。心配は要らないだろう。と思ったんですね。

半分あたりで半分はずれでした。

確かに佐藤君が花瓶を割ってしまってんですね。しかし彼は謝るんでも怒るんでもなく花瓶にいけてあったユリを食ってました。

店長が「他のお客様に迷惑ですので…」と注意してましたが佐藤君は「僕がユリを食べたら迷惑なやつなんているのか!」と言ってるんですよ


店長は「不快に思うお客様もいらっしゃいますので。すべてのお客様に楽しいひと時を過ごしていただきたいのです。お客様も席に戻られてまた楽しんでください。」


すばらしい。接客の鏡ですよ。

そんなすばらしい御言葉に佐藤君は「僕がウンコ食ってたら不快なのは分かりますよ?でもユリですよ。こんな美しいユリなのに何が不快なんですか!」

もうワケが分かりません何が不快かってお前が不快なんだよ。店長も内心絶対思ってます。

さすがに迷惑だと思い、もうあいつ連れて帰ろうと佐藤君のもとへ言って謝罪にいったんですよ。

「すいません、迷惑おかけしました」
「いえ、とんでもないです。ありがとうございました。」
「あのね、ゆう君。僕は花を食べてたんですよ。ウンコは食べてないんですよ。何が迷惑だというんですか?」
「いや、いいからその外に出るぞ。」と無理矢理外に連れてでるとアルバイトの女の子が割った花瓶を片付けてたんですね。

するとそれを見た佐藤君が「お姉さん、こんなにいい壷を割っちゃってすいません。よかったら今夜どうですか?」


僕は思いました。法律というものはなんてすばらしいものなんでしょうと。もし、この世の中に法律がなければ佐藤君を殺してました。






そんなことがあって、酔いが冷めてから恥ずかしかったんでしょうね。佐藤君からは連絡がこなくなって僕からもしなくなりました。おしまい。