普段はマミとダディと三人で行動することが多いりーちゃん。ダンス教室に行く時もたいていはそうなのだが、先日、ダディがどうしても都合がつかなくて、二人で行くことになった。

行きはお友達の家の車に同乗させていただけることになったのだが、帰りは立ち寄りたいところがあるとのことで、マミとりーちゃんの二人でバスと電車を乗り継いで帰宅することに。

りーちゃんはしゃがみこんだりもせず、順調にバスに乗り降りし、電車に乗る前にお昼ご飯を食べさせたいと思ったマミ。比較的大きな駅なので飲食店も多いのだがお客さんも多い。どのお店も並びそうだなと思っていたら、りーちゃんが食べたいと言うラーメン屋さんだけは、なんとかほぼ並ばずに入ることができた。

余談だがりーちゃんに「何食べたい?」と聞くと、たいていは「ラーメン」「うどん」などの麺類が指定される。先日など夕飯に何を食べたいかを聞いたら、「たらこスパゲッティ」とかなり限定された返答が。夕飯でたらこスパゲッティではちょっと栄養が偏るなと思い、「それは今度にしよっか」と言ったら案の定、「たらこ!スパゲッティ!!」と怒気を含んだ声で再主張されてしまった。なんだかんだと誤魔化して他のメニューにしたけれども。

というわけで、ラーメンと餃子を注文して、美味しそうに食べるりーちゃん。餃子は取り皿にとってあげたのだが、ラーメンばかりを先に食べてなかなか餃子に手を付けない。実は最近、りーちゃんの食べる量が一時よりも減っているので、今回も餃子はそれほど食べないかな、と思い、マミは残っている餃子を全部食べてしまった。もちろん、りーちゃんの取り皿にはまだ2つほど餃子が残っている。

その直後のこと。りーちゃんが何やら低い声で唸っている。表情も何やら険しい。何と言っているか聞こえなかったので、「どうしたの?なぁに?」とりーちゃんに尋ねるマミ。するとりーちゃんが低く小さい声で、「ぎょおおお、ざああああ」と唸っているではないか。そう、りーちゃんは自分の取り皿のものはもちろん、残っていた餃子も含めて、まだまだ食べる気マンマンだったのである。

これから追加注文するわけにもいかず、「ごめんねぇ」と謝るしかないマミ。仕方がないので、何かお菓子を買って帰ろう、などと機嫌を取るほかなく、実際に電車に乗る前に買って食べさせたのであった。

後日、家でも餃子を焼いたのだが、りーちゃんが食べ終わるのを確認するまで、マミもダディも餃子を4~5つ残しておいたのは言うまでもない。