りーちゃんのお兄ちゃんは、普段は寮生活を送っているのだが、夏休みということで今は実家に帰ってきている。すると、りーちゃんの様子も少し変わる。

普段のりーちゃんはマミやダディに対して、「だいすきー」などと言いながら頬を寄せ合ったり、ハグしたりするのが日常的。これに対してお兄ちゃんに対しては、そこまであからさまな愛情表現をすることはなく、なんとなく一定の距離を保っている。でも「お兄ちゃん、好き?」と聞いてみると、以前は無反応だったのが、最近では「うん、すきだね」と答えるようになった。

お兄ちゃんが部屋にいると気になるようで、物陰に隠れながらソロリソロリと近づき、様子をうかがうこともある。朝、お兄ちゃんが寝坊していると、猿のぬいぐるみを持ってきて、お兄ちゃんのベッドに投げ入れて「おきなさいよ」と命令口調で起こしに行く。

この猿のぬいぐるみは知人からいただいたものなのだが、電池で動くようになっていて、音や声に反応して、それを復唱しながら小刻みに歩く。りーちゃんは当初からこのぬいぐるみを極度に怖がり、お兄ちゃんはそれを面白がってわざとりーちゃんに近づけたりしていた。そのうちにりーちゃんに対して「サル、くるよ!」などと言って脅かすようにもなった。今となってはかなり慣れたので、触ったり持ったりすることができるようになったりーちゃんだが、それでもいまだに恐怖の対象なのである。

というわけで、りーちゃんはお兄ちゃんが驚くと思って猿を投げ入れたのだが、もちろんお兄ちゃんは全く平気だ。

お兄ちゃんもお年ごろなので実家の地元の友達と遊ぶのに忙しく、家族で出かけたりする余裕はなかなかない。家族で寮の方に出向く時は、当然、一緒にご飯を食べたりする(それが目的で出向いている)ので、今回は一緒に行動できなくてりーちゃんは少し寂しそうだ。

話は変わるがりーちゃんは水遊びが大好きなので、マミとダディは涼しいしバーベキューもできる川辺が良いかなと思って、計画している。先日、お兄ちゃんも一緒に来るかと尋ねたところ、意外にも「行きたーい」との返答。友達と遊ぶから忙しい、などと言われるかと思ったが、実はお兄ちゃんも川遊びやバーベキューが大好きなのだ。

そうかと思えば、花火に行くから一緒に行く?と誘ったところ、友達と行くから、と断られてしまった。我が子の成長は喜ぶべきことではあるが、りーちゃんだけではなく、マミもダディもちょっと寂しい。