以前、りーちゃんはダウン症にしては活舌が良い、英語の発音もなかなか上手、という趣旨のことを書かせていただいた。その一方で、長い文章は苦手であることもご紹介した。

 

今回はりーちゃんの口癖をご紹介したい。口癖だけになかなかクセがあって、日々楽しく聞いたり真似したりしているマミとダディである。

 

りーちゃんの口癖の一番手にあげたいのは、「きょっ(今日)」である。りーちゃんは時間の概念をよく理解していないのか、だいたいのことは「きょっ」になる。

 

夢の国の海の方に行ったときは、何カ月も前から計画していて、りーちゃんに「楽しみだね」と吹き込んでいた。するとりーちゃんは、「きょっ、でぃずにーしーよ」と何カ月も前から言っていた。そのたびに両親が「今度だね。この日に行くよ」とカレンダーを見せながら説明するのだが、次の日になるとまた「きょっ、でぃずにーしーよ」と言っている。

 

「今度」はもちろんのこと、「明日」も含めて、今から将来に向かう時間軸はだいたい「きょっ」になるらしい。ちなみに今日の夕飯はりーちゃんの好きなスパゲティ、という時も、「きょっ、スパゲティよ」と言う。

 

他にも旅行に行く時など、りーちゃんはホテルに泊まるのが好きなようで、何日も前から「きょっ、ホテルよ」と言っていた。楽しみにしている様子のりーちゃんは、とってもかわいい。

 

ときどき、「きょっ、きょっ」などと連発し、「きょきょきょきょきょっ」などとわけのわからないことを言っている。もちろん家族みんなで大爆笑だ。

 

次にあげたいのは、「なんか」と「ちょっと」である。りーちゃんはしょっちゅう、「なんかね」とか「ちょっとが」などと言っている。影響されてマミもダディもりーちゃんの真似をする時は「なんか、ちょっとが」などと言う。

 

この口癖にあまり意味はないように思える。考えてみれば我々も頻繁に無意味な「なんか」を使っている。そういう大人たちの言動に影響されているのかな、とも思う。

 

これとは少し違う意味だと思うが、以前、オムツを押さえながら「なんかしてる!」と叫んだことが度々あった。マミもダディもオオウケである。

 

また、「これが、ちょっとが」という用法もある。「これが、ちょっとが、大変だ」という感じだ。たぶん学校かデイケアの先生が「これ、ちょっと大変だね」というようなことをおっしゃって、それを真似しているのだろう。さも大変そうにりーちゃんが言うので、こちらもやはり笑ってしまう。

 

最後にあげたい口癖は、りーちゃんにしては長文の「けっこぅ、むずかしいねぇ」である。これもまあまあな頻度で言っている。これもおそらく学校やデイケアで先生に言われたことなのだろう。この口癖を言う時のりーちゃんの表情がまた面白い。いかにも難しそうに、口を尖らせて言うのである。

 

「きょっ」や「なんか」「ちょっと」はかなり前から言っているが、「けっこぅ、むずかしいねぇ」は比較的最近だ。他にも本当に徐々にではあるが、今までよりも長めの文章を口にすることが増えてきたように思う。娘の成長を日々感じられることは、親としても喜びですなぁ。