流石カズオ・イシグロ「忘れられた巨人」良いですね。「わたしを離さないで」でから10年余り、これも氏の代表作の一つになりそうです。
騎士や、竜、戦士、鬼などが登場して大人の童話のような話が進むのですが、その辺りは「わたしを離さないで」のミステリアスな進行と似て現実界とは一線を画しています。
読み進んで最終章へ向かうに従い、じわじわとやってくる情感に圧倒されますね。
今最も注目されるべき作家の一人と思います。ノーベル文学賞が、純粋に「最高の文学賞」という性格のものなら真に有力候補の一人と思います。