「剱岳 点の記」http://www.tsurugidake.jp/

明治39年、剣岳初登頂と測量を命じられた男たちの記録。


剱岳ってのは、富山県にある標高2999mの山で、日本百名山のひとつ。

「一般登山者が登る山のうちでは危険度の最も高い山」らしいです。

かの弘法大師が、草鞋千足を費やしても登頂できなかったという伝説まである。

(以上Wikipediaより)


そんな危険極まりない山にですよ?

今から100年前の装備で、更に重た~い測量器具を担いで登るってだけで大変なのに

「初登頂」な訳だから、当然登山ルートは確立されてないし、登山道なんてものも勿論無い。

滑落や遭難の危険が常に付きまとう、こんな無茶な指令を

「誰かが行かねば、道はできない」と、引き受ける柴崎氏(浅野忠信)。

カッコ良すぎですから!

その柴崎氏と共に頂上を目指す、地元の案内人宇治長次郎(香川照之)も

穏やかで謙虚な物腰の中に、山へ対する強い愛情が感じられて、凄く良かった。

私の中で、「真の山男」は宇治長次郎です!

もともと香川照之は好きな役者なのだけど、この映画観てますます好きになったよ。

巧いです。ホントに。ハマってました。彼にしかあの役はできないと思う。


この2人の演技はとても素晴らしかったのだけど

やっぱりこの映画の主役って、浅野でも香川でもなく「剱岳」だと思ってしまう。

スクリーンに映し出される剱岳の姿は、壮大で、非常に美しく

見ているだけで目頭が熱くなってくるほど!(キャメラマン木村大作の手腕か?)

この景色が見たくて、人は危険をおかしてまで山に登るんだろな。

私も、体力と度胸があれば登ってみたいと思ったもん剱岳。

あの景色を生で見ちゃったら、人生変わるって。絶対。

ちなみにエンドロールの映像は、最後までひたすら剱岳を映してるんですけど

全く飽きないです。すんごいキレイです。山サイコーです。


観終わって思ったこと。

考えてみれば、どの山にも「初登頂」した人がいるのよね。

我々が今、気軽に登山やハイクを楽しめるのも、道を作ってくれた人たちのおかげなんだなぁ。

ありがとう。本当にありがとう。


あ。最後に映画の見どころもう一つ。

それは「装備」

100年前って、こんな装備で登ってたの!?ってビックリしました。とても心もとない。

ちゃんとしたザックとかストックを持ってるのは一部のブルジョワだけ。

テントのこと「天幕」って言ってるしww

100年前のワンポールテントも登場。機能はともかく、なかなかカワイイやつでした。

山好きは間違いなく楽しめて感動できる映画ですよ!
いやー、Yahoo!の映画レビューでは散々な評価でしたけど私は好きです。

サイコ野郎が出てくる上にバイオレント!最高!

ポール役の俳優、どっかで見たことある人だなーと思ったら

ヘドウィグ&アングリーインチに出てた人でした。

ティム・ロスもお父さん役で出てた。パルプ・フィクションの時からファン☆

やっぱ彼は演技うまいね~!最近あんまり映画に出てない気がしてたんで

久々にスクリーンでお目にかかれて嬉しかったっす。


サイコ野郎2人組、最高だね。「下衆野郎」とはまさしく彼らのこと。

この2人組が次に何をやらかすか、ドキドキしながら見てた。

「時計仕掛けのオレンジ」が好きな人は、たぶんこの映画も好きです。

まぁ、見る人を選びまくる映画。


私的評価は★★★★☆(4つ星)

残酷さが多少物足りなかったのと

ナオミ・ワッツがおっぱい出し惜しみしてたので減点。


PS

オープニングが個人的にすげー気に入ったんだよね。

メタルとかハードコア好きな人はぜひ見て。
矢口監督の作品はどれも好きなので、今回も期待して臨んだ。

見事に期待に応えてくれる映画でした!スバラシイ。


笑いあり、感動あり、ドキドキあり

っていうのは今までの矢口作品どおりだけど

今回はこれに

「社会科見学」の要素が加わっちゃうんだからたまらんです。


こんな役割の人まで居るんだ!

という驚きとか

あー、なるほどね!

っていうトリビア的な満足感(知的好奇心が満たされる系)がある。

社会科見学好きな人にはツボでしょう。

1つのフライトのために

裏でこんなにたくさんの人たちが奔走してくれてるんだって事を知り

航空業界のかたがたに感謝と尊敬の念を抱きました!


そして、この映画を見てて痛感したのが

プロフェッショナルはかっこいい!ということ。

私的には

寺島しのぶ

岸部一徳

この2人に注目してほしいと思います。

ホント、かっこいいから。