公認会計士BIZ084の世の中ナナメ読み -5ページ目

思考だけじゃなく試行から~イノベーション思考8

仕事柄、情報やデータを分析することがよくあります。今ではあま
りありませんが、若かったころは時々分析の目的を見失うことがあ
りました。分析で得た情報にどんどん流されて、当初の目的からブ
レていくのです。

分析を行うに際しては、どういう目的で行っているかを明確にして
おく必要があります。さらに分析自体を完結させる必要はありませ
ん。あくまでも分析は問題点、切り口といった目的に対する課題の
抽出や全体把握のためのツールにすぎないのです。

大事なのはその分析から実行へ移すことなのです。まずは何事もと
りあえず試してみることの方が大事なのです。何かを試すためのあ
る方向性を示すのが分析なのです。

分析の深堀により、試さない理由がどんどん出てくることはいくら
でもありえます。どうしても分析結果を保守的に見てしまうと見え
る結果は何もやらない方向へ行ってしまうのです。

分析で得られる情報よりも試行で得られる情報のほうが現実的です。
そして、自らの感性で得られるので、よりアイデアの広がりと説得
力が増します。また、時間的にも有効に活用することができるので
す。しかし、試行はすべてのアイデア実施されるのではなく、評価
されたものだけが具体的かつ計画的行われます。

アイデアを具現化するプロセスには必ず評価が必要になります。こ
れはアイデアが質より量で求める膨らます段階ではなく、具体的に
実現するためのプロセスになります。ここではアイデアの絞り込み
が行われます。

その手法の一つにゲーティング法があります。査定・開発・テスト
という3つのゲートを通じてアイデアをふるいにかけるのです。

ゲーティング法の一つにステージゲート法が挙げられます。
査定・開発・テストのプロセスにステージを設定します。
査定プロセスではメリット・市場予測等を時間をかけずに査定を行
います。概ね振り分けられたアイデアはレポートが作成されます。

これはアイデアの定義、趣旨、計画が盛り込まれ、アイデアの成否
を握る重要な要因・プロセスとなります。ここがしっかり具体的か
つ明確であり、論理的であるかによって評価がなされます。

さらに絞り込まれたアイデアだけが開発に取り掛かれるのです。開
発ではレポートの計画をさらに具体的に工程表として落とし込まれ
ます。また、マーケティング計画も立案され、テストステージでの
実行計画として立案されます。

テストステージでは検証です。これまでの査定・開発は仮説を前提
として進められてます。その仮説を検証する工程がこのテストステ
ージなのです。

これらの全てのステージでも、人間の思考が織り込まれてます。つ
まりふるいを掛けたり、絞り込みをしたとはいえ絶えず多面的な視
点を持つことが求められます。その視点こそ、イノベーションの要
素なのです。単にプロセス、ステージに乗せて作業が流れるのでは
なく、これまでにない視点を意識しなければなりません。

イノベーション的アイデアの創出では膨らますステージと絞り込み
具体化するステージがあることによって、アイデアがより深く理解される
されていくのです。


アイデアは質より量、さらに・・・・イノベーション思考7

ルールは破るためにある。常識も同じ?!~イノベーション思考6