Empellon Cocina
105 1st Ave
New York, NY 10003
* 3/19/12 訪問
Alex Stupakは全米トップパティシエの一人であった。若干31歳ながら、シカゴの全米#1レストランAlineaのペイストリーシェフとして名を広め、後に現代料理の最先端であるNYCのwd-50でSam Masonの後を引き継いだ。そんな彼が昨年メキシコ料理のEmpellon Taqueriaをオープンした際には、全米中が首を傾げた。なぜ100%白人の全米最高峰パティシエがメキシカン?
しかしEmpellon Taqueriaは、彗星のごとくNYCレストランシーンに衝撃を与えた。メキシコ人のハーフであるパティシエの妻と共に、幾度となくメキシコへ渡り現地の味を学んだ上で、彼の創造力を全面的に出したプレートは、前代未聞の料理として大ヒット。
そんな成功を収めて約一年、2012年2月に彼は新たな一歩を踏み出した。タコスが主流のEmpellon Taqueriaの続編として誕生したのが、全世界初の試みと言っても過言ではない、高級な現代メキシカンのEmpellon Cocina。

Mezcal Cured Ocean Trout with Cream Cheese, Roe and Sal de Gusanos
中米の酒であるmezcalでキュアされた鱒は、懐石の刺身のように皿に盛られる。Mezcalと鱒独自の甘味が前面に主張され、更にオレンジも添えられることによって、甘味主体の一品。イクラの塩気とチリのキックを加えたクリームチーズなどで味覚を楽しませ、シェフの意気込みがうかがえる。
Ruby Red Shrimp with Crispy Masa, Sea Urchin Mousse and Lettuces
この一品の基盤となるのが、銅製の筒を仕様しダブルベイクすることによって、美しい正弦波を描くmasaのトルティーヤ。その間にはペースト状のような舌触りのウニのムース、底部にはチリを加えたクレマ、queso fresco、そして海老、蕪、ハレペニョ、レタスなどを芸術的に盛る。美しいプレートというのは当然多々存在するが、大抵のものは二次元的に綺麗に盛られている。しかしこのプレートは三次元の創造であり、その様はまるで南国の島のよう。
八方から舌を襲う辛さはqueso frescoと葉菜の爽快感で和らげられ、ウニのムースと海老が海鮮の旨味を与える。唯一の汚点はトルティーヤの食べにくさだが、それも利点としてしまうほど素晴らしい食感をコントラストを加える。I have previously stated that the langoustine dish I was served at Le Bernardin was the single most ethereal savory dish in my dining career. However, through this revelatory creation, Alex Stupak has managed to completely altar my perception of food itself. Thus I hereby confess that this dish has triumphed the wizardry of Eric Ripert to claim the epicurean diadem as "The Best Thing I Ever Ate."
Beets with Pickled Maitake Mushrooms, Sorrel and Sikil Pak
ソレルの葉と舞茸の下に隠れる蕪は、分厚く切ることによって大根などに似た繊維感を保ちつつフルーティー。酢でピックルされた舞茸の酸味は力強く、全体的に食べ応えがある一品。
Squid with Heirloom Potatoes, Chorizo Mayonnaise and Black Mole (chihuacle negro, 29 other ingredients)
メキシコ料理の真骨頂ここにあり。Moleはメキシコ特有のソースであり、世界一複雑なソースとしても知られる。Alex Stupakのmole negroはメキシカン・チョコレートなど計30種類の素材を用いたもので、解析不能なほど複雑な味の混ざり合い。簡単な印象としては、とてもearthy。またチョリソーのマヨネーズも負けじと素晴らしい。ウェイターによると、肉はけして使用していなく、チョリソーを作るのに使われるcuminやall spiceなどのスパイスを用いることによって誕生したシェフのオリジナル。軽く素揚げされたイカと芋をこの二つのソースが纏、シェフがメキシコ料理のインテグリティーを証明する。Alineaを彷彿させるプレーティングもさすがといったところか。
デザートは残念ながらAlex Stupakは関与していなく、Mario Batali帝国のBabboなどで勤めていた、Stupak氏の妻のLauren Reslerが全任している。
事前の調査で大評判だったハンバーガーに象ったプランテインのジェノワーズを楽しみにしていたのだが、ちょうど僕が伺った日にオープンから初のメニュー更新で無くなってしまっていた・・・
Arroz Con Leche
with Rompope, Guava, & Cream Cheese
メニューを見た印象ではArroz Con Leche (rice a la milk)なのでライスプリンを想像していたが、実際は全くの別物。クリームチーズのムースはアイスとムースの中間点だが、semifreddoともまた違う。単体で優しい味わいのムースだが、クレム・アングレーズや生クリームなどを上乗せすることによって、dairy nirvana、乳製品の境地へ。グアバの酸味でラテン風な印象も与え、パフド米も口内でポップを起こす。
Vanilla Marquesote
with Orange, Piloncillo & Cafe Con Leche Ice Cream
コーヒーアイスクリームの苦味が全体に行きとどり、重厚なバニラのmarquesoteこそsemifreddoのよう。しかしコンフィチュールの甘味はキレが強すぎ、苦味と甘味のバランスは崩れている。コンフィチュールを除けば個性的で美味。

























