源氏 ~懐石@沼津~ 静岡おいしいもん!!!
駿河湾の新鮮食材を生かした懐石料理を主とした日本料理店。という触れ込みである。“懐石”“日本料理”東急ホテル内のお店という事前情報のみで、いざ、東急ホテル2Fへ。
“日本料理 源氏”という看板の奥には、俵をしょったねずみの置物。着物姿の店員の笑顔は、よく教育されていることが窺える。狩野川沿いの建物であるため、大きな窓から狩野川と香貫山という沼津のシンボルともいえる風景を見ながら食事ができる。よくしたもので、素晴らしい風景を見ただけで、料理がおいしく感じられるのだから、単純なものである。
この日、昼メニューから選択したのは、板長おすすめ昼懐石¥4,620、日替わりメニュー花ごよみ 2月は「寿司懐石」¥3,465、そして“限定”と言う言葉に弱い私は、このお店のお手ごろランチメニュー1日限定10食という「源氏御膳」¥2,887を食べ比べてみることにした。飲み物は、お茶を頼んだところ、料理が出る前にまず、温かいほうじ茶が出された。
まずは、“板長おすすめ”という冠のついた昼懐石のコースから。
1.先付:
梅豆腐、芹胡麻和え、子持ち昆布の小鉢
それぞれ季節を先取りした料理だ。特に芹の香りが、春を一早く運んできたように心を軽くする。
2.お椀:
梅の形に作られた湯葉豆腐の上に、やはり梅の花形の人参、そして菜の花が添えられたお椀。
汁はだしのみのシンプルな味わい。こういう趣向が、和懐石の醍醐味であり、日本人に生まれてよかったと思う瞬間である。
3.造里 沼津港水揚げ三種盛り
甘エビ、イカ、カンパチのお造里
旬のカンパチが、脂がのっていておいしい!甘エビは、その名のとおり甘く、味噌まで堪能できる新鮮さ。しかし、鮪がないと寂しいと感じるのは、貧乏性の成せる業か。
4.精進煮
六角いも、梅形の人参、南瓜、揚げ茄子、はす、おくら
それぞれ別に煮たものに、最後にみりんとはちみつ(砂糖?)の甘たれをかけた感じ。野菜一つ一つの甘さや味を感じることができる機会って以外に少ないのではないだろうか。こういうところが、料理人の腕の見せ所なのだろうと、感心しきりであった。
5.焼物:さごし柚庵焼 梅大根溜漬
“さごし”初体験の魚である。さごしとは、体長50cmまでの大きさの鰆のことで、意外と知られていないが、鰆もブリのように成長と共に名前が変わる出世魚で、50cm位までを関東では「さごち」(関西ではさごし)、70cm位までを「やなぎ」又は「なぎ」、それ以上を「さわら」と呼ぶそうだ。
小さい魚であるからなのか、脂が乗っている割には、さっぱりと淡白な白身魚という印象だった。
6.蒸し物 蟹饅頭 銀あんかけ
裏ごしした里芋の皮で、蟹の身と蟹味噌を餡につつんだ饅頭。その上から、と~りとした銀あんをかけたもの。饅頭と言う言葉から甘いものを想像して食べると、びっくり。蟹味噌の苦味が、なんともいえない大人の味なのだ。ここらへんで日本酒が飲みたくなる。
7.食事 浅蜊ご飯 香の物 留め椀
浅蜊の苦味と薄塩仕立てのまぜご飯。あっさりとした味付けが、締めのご飯としてはうれしい。全ての料理がうすあじの中、最後のなめこと豆腐の赤味噌汁だけが、しょっぱかったのが残念。
8.水物 豆乳のバジルシードのせ
バジルシードとは、ダイエット食品としてはかなり有名なものらしい。黒い種をゼラチン質が覆っているため、一見、カエルの卵のようで少々引き気味だったが、ゼラチン質がプチプチとはじける感触がおもしろく、癖になる。
以上で懐石のコースは終了。他のコースをご紹介しましょう。
花ごよみ2月 寿司懐石
1.先付 梅豆腐、芹胡麻和え、蕨のやまかけ
こちらも春の先取りなのだろう。今の時期にわらびを食べることができるのが、うれしい。
2.吸い物 鰯のつみれと細切ねぶか
こちらもシンプルなだし汁なのだが、鰯の臭みもなく柔らかい。細切のねぶかの香りがこれまた良い。
3.煮物 はまちとカブの煮物
脂の乗ったはまちのだしで煮込まれたカブが、とろとろととろける。カブってこんなにおいしく食べることができるのかと感動。家でも作ってみたいが、腕の問題が大きそうだ。
4.揚げ物 揚げもちと大根おろし
揚げもちと言うには、揚げた感がなく、焼き餅のようにさっぱりと頂けた。ここで、何故お餅なのか???と感じたが、きっと料理人なりの意味がある流れなのだろう。
5.寿司 あおりイカ、帆立、しめさば、まぐろ赤身、タイの握り
五貫のみだが、懐石の最後としては、丁度良い分量である。ネタは、こんなものかなという印象。
デザート 豆乳のババロア バジルシードかけ 以上6品。
そして、限定10食の源氏御膳
・天ぷら:海老、キス、茄子、おくら ・煮物:里芋、南瓜、こんにゃく
・押し寿司のように魚を重ねた酢の物 ・海老、鰆の焼き物
・卵焼き ・てまり形の大福
・刺身:カンパチ ・寿司:イカ、鮪の赤身、タイ
・茶そば ・デザート:ゆずのシャーベット
以上の内、茶そばとシャーベット以外は、二段の重箱にきれいに並べられている。
桜のお花見には早いが、梅の花でも見ながら外で、この重箱を広げたら風流だろう。料理は懐石と共通のものが多かった。少々値段が高めのこの店の中では、手ごろな値段が楽しめる料理だ。
全体として京風懐石なのか、味は薄めで上品。真っ黒なだし汁の静岡おでんで育った人間には、あっさりしていて少々物足りない。まあ、静岡おでんと比べるあたり、私の味覚もしれているが、、、
料は少なめで女性のランチ向きといった感じ。そういえば、客層も50代以上の女性客がほとんどだったように感じた。夜の懐石コースは税込み¥9,240~となっているため、手軽に食べられる金額ではないが、場所柄、接待などに使うには便利なのだろう。
まずは、手ごろなランチでちょっとした贅沢気分を味わうのに適した店。
地下駐車場のチケットは、3,000円以上で1時間無料となる。
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日本料理 源氏
静岡県沼津市上土町100-1 東急ホテル2F
TEL:055-952-2774
URL:http://www.numazu-h.tokyuhotels.co.jp/rstn_genji.html
営業時間:昼)11:30~15:00 夜)17:00~22:00
定休日: 曜日不明
平均予算:昼)5,000円 夜)10,000円
総合評価:
味の評価:
雰囲気:
サービス:
コストパフォーマンス:
←どうぞ、よろしく。
WIREDiCONの詳細情報については、こちらのページをご覧下さい。
“日本料理 源氏”という看板の奥には、俵をしょったねずみの置物。着物姿の店員の笑顔は、よく教育されていることが窺える。狩野川沿いの建物であるため、大きな窓から狩野川と香貫山という沼津のシンボルともいえる風景を見ながら食事ができる。よくしたもので、素晴らしい風景を見ただけで、料理がおいしく感じられるのだから、単純なものである。
この日、昼メニューから選択したのは、板長おすすめ昼懐石¥4,620、日替わりメニュー花ごよみ 2月は「寿司懐石」¥3,465、そして“限定”と言う言葉に弱い私は、このお店のお手ごろランチメニュー1日限定10食という「源氏御膳」¥2,887を食べ比べてみることにした。飲み物は、お茶を頼んだところ、料理が出る前にまず、温かいほうじ茶が出された。
まずは、“板長おすすめ”という冠のついた昼懐石のコースから。
梅豆腐、芹胡麻和え、子持ち昆布の小鉢
それぞれ季節を先取りした料理だ。特に芹の香りが、春を一早く運んできたように心を軽くする。
2.お椀:
梅の形に作られた湯葉豆腐の上に、やはり梅の花形の人参、そして菜の花が添えられたお椀。
汁はだしのみのシンプルな味わい。こういう趣向が、和懐石の醍醐味であり、日本人に生まれてよかったと思う瞬間である。
3.造里 沼津港水揚げ三種盛り
甘エビ、イカ、カンパチのお造里
旬のカンパチが、脂がのっていておいしい!甘エビは、その名のとおり甘く、味噌まで堪能できる新鮮さ。しかし、鮪がないと寂しいと感じるのは、貧乏性の成せる業か。
4.精進煮
六角いも、梅形の人参、南瓜、揚げ茄子、はす、おくら
それぞれ別に煮たものに、最後にみりんとはちみつ(砂糖?)の甘たれをかけた感じ。野菜一つ一つの甘さや味を感じることができる機会って以外に少ないのではないだろうか。こういうところが、料理人の腕の見せ所なのだろうと、感心しきりであった。
5.焼物:さごし柚庵焼 梅大根溜漬
“さごし”初体験の魚である。さごしとは、体長50cmまでの大きさの鰆のことで、意外と知られていないが、鰆もブリのように成長と共に名前が変わる出世魚で、50cm位までを関東では「さごち」(関西ではさごし)、70cm位までを「やなぎ」又は「なぎ」、それ以上を「さわら」と呼ぶそうだ。
小さい魚であるからなのか、脂が乗っている割には、さっぱりと淡白な白身魚という印象だった。
6.蒸し物 蟹饅頭 銀あんかけ
裏ごしした里芋の皮で、蟹の身と蟹味噌を餡につつんだ饅頭。その上から、と~りとした銀あんをかけたもの。饅頭と言う言葉から甘いものを想像して食べると、びっくり。蟹味噌の苦味が、なんともいえない大人の味なのだ。ここらへんで日本酒が飲みたくなる。
7.食事 浅蜊ご飯 香の物 留め椀
浅蜊の苦味と薄塩仕立てのまぜご飯。あっさりとした味付けが、締めのご飯としてはうれしい。全ての料理がうすあじの中、最後のなめこと豆腐の赤味噌汁だけが、しょっぱかったのが残念。
8.水物 豆乳のバジルシードのせ
バジルシードとは、ダイエット食品としてはかなり有名なものらしい。黒い種をゼラチン質が覆っているため、一見、カエルの卵のようで少々引き気味だったが、ゼラチン質がプチプチとはじける感触がおもしろく、癖になる。
以上で懐石のコースは終了。他のコースをご紹介しましょう。
花ごよみ2月 寿司懐石
1.先付 梅豆腐、芹胡麻和え、蕨のやまかけ
こちらも春の先取りなのだろう。今の時期にわらびを食べることができるのが、うれしい。
2.吸い物 鰯のつみれと細切ねぶか
こちらもシンプルなだし汁なのだが、鰯の臭みもなく柔らかい。細切のねぶかの香りがこれまた良い。
3.煮物 はまちとカブの煮物
脂の乗ったはまちのだしで煮込まれたカブが、とろとろととろける。カブってこんなにおいしく食べることができるのかと感動。家でも作ってみたいが、腕の問題が大きそうだ。
4.揚げ物 揚げもちと大根おろし
揚げもちと言うには、揚げた感がなく、焼き餅のようにさっぱりと頂けた。ここで、何故お餅なのか???と感じたが、きっと料理人なりの意味がある流れなのだろう。
5.寿司 あおりイカ、帆立、しめさば、まぐろ赤身、タイの握り
五貫のみだが、懐石の最後としては、丁度良い分量である。ネタは、こんなものかなという印象。
デザート 豆乳のババロア バジルシードかけ 以上6品。
そして、限定10食の源氏御膳
・天ぷら:海老、キス、茄子、おくら ・煮物:里芋、南瓜、こんにゃく
・押し寿司のように魚を重ねた酢の物 ・海老、鰆の焼き物
・卵焼き ・てまり形の大福
・刺身:カンパチ ・寿司:イカ、鮪の赤身、タイ
・茶そば ・デザート:ゆずのシャーベット
以上の内、茶そばとシャーベット以外は、二段の重箱にきれいに並べられている。
桜のお花見には早いが、梅の花でも見ながら外で、この重箱を広げたら風流だろう。料理は懐石と共通のものが多かった。少々値段が高めのこの店の中では、手ごろな値段が楽しめる料理だ。
全体として京風懐石なのか、味は薄めで上品。真っ黒なだし汁の静岡おでんで育った人間には、あっさりしていて少々物足りない。まあ、静岡おでんと比べるあたり、私の味覚もしれているが、、、
料は少なめで女性のランチ向きといった感じ。そういえば、客層も50代以上の女性客がほとんどだったように感じた。夜の懐石コースは税込み¥9,240~となっているため、手軽に食べられる金額ではないが、場所柄、接待などに使うには便利なのだろう。
まずは、手ごろなランチでちょっとした贅沢気分を味わうのに適した店。
地下駐車場のチケットは、3,000円以上で1時間無料となる。
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日本料理 源氏
静岡県沼津市上土町100-1 東急ホテル2F
TEL:055-952-2774
URL:http://www.numazu-h.tokyuhotels.co.jp/rstn_genji.html
営業時間:昼)11:30~15:00 夜)17:00~22:00
定休日: 曜日不明
平均予算:昼)5,000円 夜)10,000円
総合評価:

味の評価:

雰囲気:

サービス:

コストパフォーマンス:

←どうぞ、よろしく。
