VERJUS ヴェルジュ ~フレンチ@沼津~ 静岡おいしいもん!!!
沼津駅近辺の喧騒から少し離れた位置にひっそりと佇む、隠れ家のようなお店。外から見ただけでは、何のお店かもわからず、ずっと気になっていた店だ。
まずは下調べ、、、と、Google先生にお伺いをたててみたが、出てくるのは店のサイトやシェフのブログ、果ては某巨大掲示板情報ばかり。また、店の外観とHPのセンスがあまりにもかけ離れていて、店に行く前に何ですが、サイトデザイン、考え直した方がいいですよ、、、と思いつつ、予約を入れた。
女性の対応がとても気持ちよい。今回は一番安い5,500円のコースを選択。
この外観。やっぱり素敵だ。雰囲気があって、これだけでワクワクしてしまう。
扉を開けると、暗い中に華が浮かび上がり、その先に店内への入り口がある。店内に入るまでの高揚感。これは、和懐石などの“侘び、寂び”のおもてなしに似ている。
店内は、こじんまりとした造り。照明は抑えられ、各テーブルにはアルコールランプのほのかなゆらめき。どこかの邸宅に招かれたような印象だ。
まずは、飲み物のメニューを頂く。ワインリストには、高級なヴィンテージものからお手ごろなワインまでが数ページに渡りずらっと並ぶ。物静かなサービスの女性の勧めで、コート・ディ・ローヌ・ラストー2005のグラスワイン(¥1,100)とグレープタイザー、こちらは赤(色は白いけど)を注文。“おいしい”と評判のお店にありがちな“どうだ、おいしいだろう!”的な押し付けがましさに少々辟易していた私には、このサービス。非常に気持ちが良かった。
料理に合わせてセレクトされたワイン。2005年とまだ若いが、さっぱりとしていてフルーティな口当たり。お料理の前に酔ってしまいそう。グレープタイザーも邪魔にならない味がgood。
鴨のリエットとライ麦パン
フレンチの定番、自家製バターかと思いきや、思いがけずリエットが登場。リエットとは、鴨肉をトロトロに煮詰めた後、ミキサーにかけてパテ状にしたものとのこと。見かけはコンビーフ。味はさっぱりとしていて、サンドウィッチにしたらおいしそうだ。
トマトとナマコのオードブル
フレンチにナマコ?と思うでしょ。ここがシェフの腕の見せ所なのでしょう。柚子、香草(バジル?)で生臭さを飛ばし、オリーブオイルとトマトの酸味が絶妙。ナマコもトマトもサイコロ大に切られているため、食べにくいことは食べにくいのですが、ナマコのしっかりした歯ごたえ、私は好きです。
フォークとナイフで相当食べにくそうにしていたのか、サービスの方がスプーンを持ってきて下さった。ありがとうございます。サービス料10%ってこういうことなのですよね。
鴨肉のサラダ
鴨肉のスライスにエシャロットのソースが添えられたもの。エシャロットは味噌をつけて日本酒と共にという、典型的なおやじ道の私にとって、このソースは新しい発見。種類としては花ラッキョウ。あの小さい玉をおろすのって大変そうだが、それだからこそ、こうしたおいしいものが出来上がるのだろう。
黒ムツのロースト
魚介のスープから作ったソース添え
カリカリに焼いた皮が香ばしく、身はふっくらと柔らかく、この歯ごたえのバランスが楽しい。魚介のソースもフレンチっぽいしつこさがなく、うれしい限り。オクラと空豆、そして何といっても魚の下にふんだんに使われたキノワ(ほうれんその種)とソースの絡みが最高。
ここで、「もし量が多ければ、次のお肉料理を少なめにしますか?」と聞かれたが、答えはもちろん。
「大丈夫です!」本当に今までのフレンチという固定観念を吹き飛ばすような、さっぱり、あっさり感。バターの濃厚な味が好みのフレンチファンの方からしたら、あるいは物足りなさを感じるかもしれないが、せっかく沼津という新鮮な魚介類が手に入る地に店を開いているならば、新鮮な魚の味を消してしまうような味付けは極力避けたい。それがこの地でフレンチを作るものの使命だ・・・というシェフの考えの末に出来上がった味。大賛成!どこでも食べることのできる味なんて客は望んでいませんから。
ほろほろ鳥モモ肉のロースト りんご酢のソースかけ
“食鳥の女王”と言われるフレンチの高級食材。かなり香辛料が使われていてスパイシーなのだが、リンゴ酢の甘酸っぱいソースと絡めると、女王の味に平伏すしかない。また、このソースをパンにつけて食べるとジャムのような甘さはないのだが、うまい!
デザート
デザートは2階のBAR VERJUSで雰囲気を変えて食べることもできると言われ、噂の2階へ足を運ぶ。
寛げる雰囲気の個室が3部屋。カウンターが3席ほどのBAR。
ラストオーダーは24:00だが、閉店時間は決まっていないとのこと。アラカルト料理の他、1階では出していないベルギービール等、種類も豊富。自宅にいるような錯覚を抱くほど寛げる。これって最高の誉め言葉ではないだろうか。
ここで登場するのが、ブラックベリーのムースとイチゴとバニラのアイス、イチゴとパッションフルーツのソース。かなり酸味があって酸っぱいのだが、イチゴやオレンジと合わせるとスッキリとした極上の味わい。
アイスも甘さ控えめで、食事の最後にこれだけのものを出されたら、うれしい限りだ。そして、最後にコーヒー、エスプレッソ、ハーブティーから飲み物を選ぶことができるが、極上のおいしさに酔いしれ、ミッションを忘れ、どちらも譲らずエスプレッソを頼む。
小菓子として添えられたのは、
左からアーモンド菓子、カヌレ、マドレーヌ、ガトーショコラ。
これがまた、絶品。バター、砂糖を控え、最後まで客の胃袋を気遣ったおもてなし。聞くところによると、ここまでの味に行き着くまでには、シェフの試行錯誤があったようだ。最初は東京で修行したままのフレンチを出していたが、お客様の反応を見ながら、胃がもたれず、最後まで食事を楽しんでいただけるようなフレンチを目指しているとのこと。
HPを見ると、このアーモンド菓子のレシピが載っていた。素人に同じものが作れるかどうか、、、今度是非とも挑戦してみたい。
最後に。
私が今までに出会ったフレンチの中で、“VERJUS”この店は最高である。味、サービスどれをとっても、第一に考えられているのが客へのおもてなしの心。押し付けがましくなく、それでいて客を楽しませ、寛がせる味そしてサービス。
特筆すべきは、私達のテーブルを担当してくださったサービスの女性。彼女のサービスで料理の評価も倍になるというものだ。是非とも一度足を運んで、この極上の味とサービスを味わって欲しい。コースは、¥5,500、その他に¥7,500、¥10,500、どちらも10品のコースがあるが(+サービス料10%)、値段によりフォアグラなどの高級食材が加わるだけで、量も質もどのコースも満足していただけるだけのものを出しているそうだ。今回のコースで¥5,500(+サービス料10%)は、コストパフォーマンスから考えても安いぐらいだろう。
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VERJUS ヴェルジュ
静岡県沼津市三枚橋町7-9
TEL:055-964-0020
URL:http://www.verjus.jp/
営業時間:18:00~24:00
定休日:水曜日
平均予算:7,000円
総合評価:
味の評価:
雰囲気:
サービス:
コストパフォーマンス:
←どうぞ、よろしく。
WIREDiCONの詳細情報については、こちらのページをご覧下さい。
まずは下調べ、、、と、Google先生にお伺いをたててみたが、出てくるのは店のサイトやシェフのブログ、果ては某巨大掲示板情報ばかり。また、店の外観とHPのセンスがあまりにもかけ離れていて、店に行く前に何ですが、サイトデザイン、考え直した方がいいですよ、、、と思いつつ、予約を入れた。
女性の対応がとても気持ちよい。今回は一番安い5,500円のコースを選択。
この外観。やっぱり素敵だ。雰囲気があって、これだけでワクワクしてしまう。
扉を開けると、暗い中に華が浮かび上がり、その先に店内への入り口がある。店内に入るまでの高揚感。これは、和懐石などの“侘び、寂び”のおもてなしに似ている。
店内は、こじんまりとした造り。照明は抑えられ、各テーブルにはアルコールランプのほのかなゆらめき。どこかの邸宅に招かれたような印象だ。
まずは、飲み物のメニューを頂く。ワインリストには、高級なヴィンテージものからお手ごろなワインまでが数ページに渡りずらっと並ぶ。物静かなサービスの女性の勧めで、コート・ディ・ローヌ・ラストー2005のグラスワイン(¥1,100)とグレープタイザー、こちらは赤(色は白いけど)を注文。“おいしい”と評判のお店にありがちな“どうだ、おいしいだろう!”的な押し付けがましさに少々辟易していた私には、このサービス。非常に気持ちが良かった。
料理に合わせてセレクトされたワイン。2005年とまだ若いが、さっぱりとしていてフルーティな口当たり。お料理の前に酔ってしまいそう。グレープタイザーも邪魔にならない味がgood。
鴨のリエットとライ麦パン
フレンチの定番、自家製バターかと思いきや、思いがけずリエットが登場。リエットとは、鴨肉をトロトロに煮詰めた後、ミキサーにかけてパテ状にしたものとのこと。見かけはコンビーフ。味はさっぱりとしていて、サンドウィッチにしたらおいしそうだ。
トマトとナマコのオードブル
フレンチにナマコ?と思うでしょ。ここがシェフの腕の見せ所なのでしょう。柚子、香草(バジル?)で生臭さを飛ばし、オリーブオイルとトマトの酸味が絶妙。ナマコもトマトもサイコロ大に切られているため、食べにくいことは食べにくいのですが、ナマコのしっかりした歯ごたえ、私は好きです。
フォークとナイフで相当食べにくそうにしていたのか、サービスの方がスプーンを持ってきて下さった。ありがとうございます。サービス料10%ってこういうことなのですよね。
鴨肉のサラダ
鴨肉のスライスにエシャロットのソースが添えられたもの。エシャロットは味噌をつけて日本酒と共にという、典型的なおやじ道の私にとって、このソースは新しい発見。種類としては花ラッキョウ。あの小さい玉をおろすのって大変そうだが、それだからこそ、こうしたおいしいものが出来上がるのだろう。
黒ムツのロースト
魚介のスープから作ったソース添え
カリカリに焼いた皮が香ばしく、身はふっくらと柔らかく、この歯ごたえのバランスが楽しい。魚介のソースもフレンチっぽいしつこさがなく、うれしい限り。オクラと空豆、そして何といっても魚の下にふんだんに使われたキノワ(ほうれんその種)とソースの絡みが最高。
ここで、「もし量が多ければ、次のお肉料理を少なめにしますか?」と聞かれたが、答えはもちろん。
「大丈夫です!」本当に今までのフレンチという固定観念を吹き飛ばすような、さっぱり、あっさり感。バターの濃厚な味が好みのフレンチファンの方からしたら、あるいは物足りなさを感じるかもしれないが、せっかく沼津という新鮮な魚介類が手に入る地に店を開いているならば、新鮮な魚の味を消してしまうような味付けは極力避けたい。それがこの地でフレンチを作るものの使命だ・・・というシェフの考えの末に出来上がった味。大賛成!どこでも食べることのできる味なんて客は望んでいませんから。
ほろほろ鳥モモ肉のロースト りんご酢のソースかけ
“食鳥の女王”と言われるフレンチの高級食材。かなり香辛料が使われていてスパイシーなのだが、リンゴ酢の甘酸っぱいソースと絡めると、女王の味に平伏すしかない。また、このソースをパンにつけて食べるとジャムのような甘さはないのだが、うまい!
デザート
デザートは2階のBAR VERJUSで雰囲気を変えて食べることもできると言われ、噂の2階へ足を運ぶ。
寛げる雰囲気の個室が3部屋。カウンターが3席ほどのBAR。
ラストオーダーは24:00だが、閉店時間は決まっていないとのこと。アラカルト料理の他、1階では出していないベルギービール等、種類も豊富。自宅にいるような錯覚を抱くほど寛げる。これって最高の誉め言葉ではないだろうか。
ここで登場するのが、ブラックベリーのムースとイチゴとバニラのアイス、イチゴとパッションフルーツのソース。かなり酸味があって酸っぱいのだが、イチゴやオレンジと合わせるとスッキリとした極上の味わい。
アイスも甘さ控えめで、食事の最後にこれだけのものを出されたら、うれしい限りだ。そして、最後にコーヒー、エスプレッソ、ハーブティーから飲み物を選ぶことができるが、極上のおいしさに酔いしれ、ミッションを忘れ、どちらも譲らずエスプレッソを頼む。
小菓子として添えられたのは、
左からアーモンド菓子、カヌレ、マドレーヌ、ガトーショコラ。
これがまた、絶品。バター、砂糖を控え、最後まで客の胃袋を気遣ったおもてなし。聞くところによると、ここまでの味に行き着くまでには、シェフの試行錯誤があったようだ。最初は東京で修行したままのフレンチを出していたが、お客様の反応を見ながら、胃がもたれず、最後まで食事を楽しんでいただけるようなフレンチを目指しているとのこと。
HPを見ると、このアーモンド菓子のレシピが載っていた。素人に同じものが作れるかどうか、、、今度是非とも挑戦してみたい。
最後に。
私が今までに出会ったフレンチの中で、“VERJUS”この店は最高である。味、サービスどれをとっても、第一に考えられているのが客へのおもてなしの心。押し付けがましくなく、それでいて客を楽しませ、寛がせる味そしてサービス。
特筆すべきは、私達のテーブルを担当してくださったサービスの女性。彼女のサービスで料理の評価も倍になるというものだ。是非とも一度足を運んで、この極上の味とサービスを味わって欲しい。コースは、¥5,500、その他に¥7,500、¥10,500、どちらも10品のコースがあるが(+サービス料10%)、値段によりフォアグラなどの高級食材が加わるだけで、量も質もどのコースも満足していただけるだけのものを出しているそうだ。今回のコースで¥5,500(+サービス料10%)は、コストパフォーマンスから考えても安いぐらいだろう。
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VERJUS ヴェルジュ
静岡県沼津市三枚橋町7-9
TEL:055-964-0020
URL:http://www.verjus.jp/
営業時間:18:00~24:00
定休日:水曜日
平均予算:7,000円
総合評価:

味の評価:

雰囲気:

サービス:

コストパフォーマンス:

←どうぞ、よろしく。
