この所低予算映画にハマって探しtは観てます。そんな中で出会ったのがこの映画。言ってみれば「スイングガールズ」の書道版ってとこかな。ただ映画としての完成度はかなり落ちる。落ちるけど随所で感動させられてしまうのはやっぱり若い子達のひたむきさの勝利。

 

冒頭、デビーというアメリカ人が日本の伝統文化に魅せられて日本に来たところから始まる。冒頭に出た割には映画の中ではあまり活躍しないが、映画の中で一言アメリカ人から見た日本の若者の異常さを指摘したりするがこれは後で。

 

この物語に主人公らしい主人公は居ないが、主にセリフを持った二人が登場。芸能界に憧れオーディションのため上京する”佐津川みさと”に付き合う住田真子。真子がメインで話が進んでいく。真子役は相葉香凛さん。その辺りの女子高校生にいそうな可愛らしい女優さんだが、高校生役で出ている俳優さん達の素人っぽい演技とも言えない演技は賛否両論ありそう。ただ周りを長門裕之、松坂慶子、鈴木砂羽等が出ている。長門裕之さんにとってはこの映画最後になったとのこと。

 

そこで煙草を吸う高校生達をねじ伏せるヤクザに見える若い男を目撃する。この若い男が臨時雇いの高校教師で書道部を立ち上げる。この辺「ごくせん」のパクリか。

 

真子はいい大学に入っていい会社い勤めるのが幸せだという考えの母親(鈴木砂羽)と口をきいていない様子だが、母親は構わず責め立てる。

 

学校では教師が勝ち組になれと煽る教師。

 

アメリカ人教師デビーには自分の将来に対し何の考えも持たない生徒達に「それが日本の問題だ」と言ったりする。

 

ともあれ、三人の部員で書道部がスタート。真子、みさと、みみこ。

 

字に想いを込めることを教えるため、部員を街に連れ出す。部員達は周りには個性あふれる文字に満ちていることを知る。

 

別のシーン。お寺で書道を教えている和尚さん(長門裕之)にデビーが「なぜ日本人は自分の考えを持たないのか」と尋ねるのに対し、「日本は敗戦後の経済復興を成し遂げるためロボット人間を作る教育をしてきたため」と答える。

 

前半は社会風刺を交えて進んできたのだが、後半は書道大会でのパフォーマンスに話がすり替わってしまう。その後半は真子の恋愛エピソードや挫折があったり、新部員が増えたりとあるがそれらはカットし、一挙に大会シーン。というのはこの映画の肝だから。この辺りも「スイングガールズ」と同じ構成。

 

「スイングガールズ」でも出演した俳優達が特訓して楽器を実際に吹いているように、この映画でも出演者がそれなりに練習したんだろうな。

 

そして最後観客のスタンディングオベーションを受け映画は終わる。これは泣けた。

 

映画としての出来はさておき、爽やかな感動を覚える映画です。

 

よかったら全編をご覧下さい。