横浜開港と宣教師たち | 新書野郎

横浜開港と宣教師たち

横浜開港と宣教師たち—伝道とミッション・スクール (有隣新書)横浜開港と宣教師たち—伝道とミッション・スクール (有隣新書)
横浜プロテスタント史研究会

有隣堂 2009-05
売り上げランキング : 433391

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


有隣堂の有隣新書ね。出版部は戸塚にあるのか。新書ラインナップは地元系が多いな。横浜も今年は開港150年ということで、盛り上がってるのか、放り投げ市長のせいで、盛り下がってるのか微妙な所だが、開港150周年ということは、開教150周年ということか。ただ、この「横浜プロテスタント史研究会」というのは1981年にヘボン来日120周年を契機に始まったそうで、執筆者はみな年季の入った人ばかり。57年生まれの小檜山ルイを除けば、47年が一人いるだけで、あとは皆、戦前のお方たち。新規メンバー補充などせずに、30年近く活動してきたのだろうか。関東学院関係者が多いが、皆さん信者みたいだから、まあ偉人伝集みたいなもの。横浜は開港の経緯からいって、アメリカのシマだから、カトリックよりプロテスタントが優勢。伝道者をどう評価するかは、現在的価値観で言っても始まらないのだが、当時の事情では貧乏人をカネで釣るというより、先鋭的な人間を先進文明で釣るといった作戦が効力を発揮した様だ。後は改宗した先駆者が無知な大衆を啓蒙して現地化するというのが、「野蛮国」における伝導パターンなのだが、日本がそうならなかったのは、明治維新以降の国民国家化が先に来たからであろうか。