スティーブ・ジョブズ 神の交渉力 | 新書野郎

スティーブ・ジョブズ 神の交渉力

スティーブ・ジョブズ神の交渉力―この「やり口」には逆らえない! (リュウ・ブックスアステ新書 48)スティーブ・ジョブズ神の交渉力―この「やり口」には逆らえない! (リュウ・ブックスアステ新書 48)
竹内 一正

経済界 2008-05
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ジョブズの評伝は前にアスキー新書で読んだのだが、こちらは「経済界」の「リュウ・ブックスアステ新書」というヤツ。ここの新書は意外な新書界の最右派なのだが、「経済界」だから基本はビジネスものか。著者はアップルOBなので、割引が必要かと思いきや、初っ端からジョブズの奇人変人ぶりに焦点を合わせたものだった。もっとも、小泉ではないが、改革派は「変人」が条件になっているところもあるので、これはこれで著者一流の賞賛なのかもしれない。とはいえ、部下の手柄を自分のものにする。気に入らない質問を浴びせた記者を退場させる。更には女子社員を公衆の場で面罵して泣かせてしまう。といった「武勇伝」に接すると、ジョブズだからいいもの(良くはないけど)、カリスマでもなんでもないただの経営者だと、社内中を敵に廻してまうのは必然だろう。やれパワハラだ、やれセクハラだ、P・Cだと煩いアメリカ社会にあって、裁判沙汰になっていない(なってるかもしれんけど)のも、ジョブズだからこそということになるのだろう。あのアメリカの訴訟合戦は、結局のところ、人権というより、実利的なものなんだろうね。