現代語訳『仙境異聞』には「地震の起きる理由を聞いたことはあるか」という問いもありました。

それに対し、天狗小僧・寅吉はこう答えています。

「地震の起きる理由は聞いた事がありません。しかし、大地の下に大鯰がおり、身体を揺り動かして国土を崩そうとするその大鯰の頭に、鹿島の神が要石を突き立てておられるので、国土が崩れるほどの地震が起きないのだ、という話が、虚妄の話であるという事は聞きました。」

 

寅吉の師匠も地震は大鯰が原因じゃないことは分かっていても、地震のメカニズムまでは解明できてなかったようです。まあ江戸時代だから当たり前か。

 

それにしても、いつも思うのですが、この地震の多い国土で、

意外と地震除けの神を祀る神社が少ないのは何故なんだろう?

昔は地震より他の天災、活火山の噴火だったり、日照りや暴風雨、疫病などの方が困る事だったから?

 

でも、推古天皇は、大和地方で大地震があったあと、諸国に「ない(地震)の神」を祀るように命じたと『日本書紀』に書かれているとWikiで読んだけど。

 

思わず「ないの神は無いの?」とダジャレが言いたくなってしまいます。

 

江戸時代の農民