「トンビ(トビ)が鷹を生む」と言うと、平凡な親から優れた子供が生まれることを意味しますが、日本神話で神武天皇が東征した時に金色に輝くトビ「金鵄(きんし)」が現れ、勝利に導いたと伝わることから、神武天皇を主祭神とする橿原(かしはら)神宮では、金鵄(きんし)が瑞鳥として崇められているくらいで、けっして平凡な鳥ではない!と言いきったら過言になるでしよう。そこはやはり人間と同じで、大多数は平凡なのだと思います。

 

神武天皇

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この神武天皇の故事にちなみ、近代以降、軍事の功績者には弓に金鵄が止まったデザインの金鵄勲章が授与されたとか。

日本が敗戦して78年経った今にして思うと、軍事功労者の勲章デザインが金鵄だったのは良くなかったなぁ。

  下鴨神社では

神武天皇を助けたトビは、下鴨神社(京都)の御祭神であり、古代京都を開拓したと言われる賀茂建角身命(かもたけつのみのみこと)の化身であるともいわれる。

(私は下鴨っていう位だから鴨かと思っていましたが、意外なことにトビなんですね)

『新撰氏姓録』によると、神武天皇の東征の時に賀茂建角身命は八咫烏に姿を変えて天皇一行を大和に導いた。また金鵄に化身して天皇の手助けをしたと伝えられる。

(賀茂氏は鴨じゃない上に変幻自在ですね)

他にも『山城国風土記』逸文によれば、天から日向に降った賀茂建角身命は、神武天皇を先導したのち、高野川と賀茂川が合流する地点に鎮座したという。

現在の下鴨神社の場所である。

 

  トビは天狗の化身説

トビが大空を悠然と飛翔する姿から、平安時代、天狗の化身とされるようにもなった。

『今昔物語』にトビが天狗となって活躍する物語が収められているように、古くから天狗はトビが変身したものであると考えられていた。

術が見破られて死んだ天狗は、翼の折れた無様な「くそトビ」という正体をあらわすという。

(なんか天狗さん亡くなられて、あんまりな言われようで可哀そう)

大豊神社(京都)の末社・愛宕社の前にはトビの像が置かれている。

愛宕山に棲む天狗に由来するものだと伝わる。