今日、私は生きていた。

10年前の手術前後の精神的なダメージや絶望感からの立ち直りの過程を振り返ると、昔の自分に伝えたい。

がんを宣告されたあの時から、10年後の自分がこの世にいるかどうかなんて分からないと思うようになった。

今も平均寿命まで自分が生きられるかどうか分からないとは思っている。

それでも当初は芸能人の癌による訃報を聞くと他人事に思えず恐れおののいていたのが、自身の回復と共に次第に落ち着いてきた。

 

神道では人間の霊魂には、むすひの生成魂(生命魂)のような存在と、

肉体から遊離(又は離遊・出離)する遊離魂のような存在が考えられている。

肉体から魂が離れると病気になると信じられてきた。

生成魂は人間の生命と同じ長さを持ち、生成魂が尽きると死となり、遊離魂が肉体を出て離れていく。なんだか生成魂とは細胞のようだ。

そして霊魂は不滅だとされるのは遊離魂のほうだ。

 

 

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それは医学的根拠のない古い時代の信仰であって、今時信じられるものではないかもしれないが、生きて、年をとればとるほど、周りの人たちの訃報に接することが多くなる。

自分も病気を患い、不安な気持ちになる事もあるだろう。

そんな時、霊魂は永遠不滅と考えると少し気が楽になると思うのだ。