今日も昨日と同様に当ブログで表示回数の多い嫁ぎ先と実家の供養関連の話を書きたいと思います。

 

現代日本は少子高齢化・多死社会ですから、

ご両親が亡くなった既婚女性が

『実家の仏壇や位牌、どうしよう?夫の先祖のもあるし』

と考えるケースも増えてきたと思われます。

 

これはご自身の心情や家族や親戚の意見や現実的な予算に地域の習わし、菩提寺の宗派など人によって事情が違うので、

誰でも絶対こうだ!と答えを出せるものではありませんが、

せめて関連情報をお知らせして、考えをまとめる時の参考になればと思って記します。

その前に仏壇と位牌について基礎知識をおさらい。

 

仏壇・位牌とは?

仏壇の歴史は古く、天武天皇の時代、既に「持仏堂」と呼ばれる仏様を祀った部屋があった。

また法隆寺にある「玉虫厨子(たまむしのずし)」は仏壇のルーツ的存在だ。

その後、室町時代になると、床の間に仏画が飾られるようになり、江戸時代には一般庶民が現在のような仏壇を持つようになった。

 

仏壇に置かれる故人の戒名が刻まれたり書かれたりしている位牌は、禅宗と共に中国から伝わったとされる儒教の習慣。

 

お墓は先祖代々のものであるが、

仏壇は、釈迦や阿弥陀如来や大日如来など宗派ごとに崇拝する仏様(ご本尊)が中心。

中央の台の部分は世界の中心にそびえる須弥山(しゅみせん)を表し、そこから上の浄土に仏様が安置される。

 

そして位牌は仏像(又は仏画)より一段低い位置に置かれる。

 

浄土真宗など宗派によっては位牌を用いず過去帳が置かれる。

 

仏壇は故人との対話空間である前に、仏様の為の空間であり、それゆえに浄土を模してきらびやかにしている。

 

仏壇はお寺の境内をコンパクトにしたようなもので、

故人を浄土に導いてくれるよう仏様にお願いする空間。

 

以上のことを踏まえて…

仏壇・位牌の処分の参考に

同じ仏教でも宗派が違うと仏壇にお祀りするご本尊や位牌などが違うので一緒にすることは難しい。

 

大概、夫婦のうち苗字を名のっている方の家の仏壇・位牌が残されるが、実家の仏壇は無くなってもお寺に直接お参りすればいい。菩提寺が遠ければ同じ宗派のお寺を家の近くで探してお参りするのも一つの手。

 

また神道の死生観ならば、故人は見えない世界に行っただけで、いつもそばで子孫を見守ってくれていると考えるので、

そう思ってみると気持ちが落ち着くかも。

 

位牌は代々受け継いでいるうちに多くなってきたり、災害などで破損して新たに作る場合「先祖代々の霊位」と一つにすることもある。どうせ子孫の代には先祖代々と、ひとまとまりになると思えば少し気が楽かも。

 

同一宗派の場合は両家の菩提寺同士で宗教的儀式も同じで話がスムーズだ。位牌も一つの仏壇に納められるかも。

 

仏像や位牌などをお寺でお焚き上げする前には、

お寺で魂抜きオバケとか閉眼供養と呼ばれる儀式を行なっていただく。

その時のお布施は御心次第と言われる事が多いが、

大体、3万とか5万円とかが相場なのかな?

 

菩提寺がよく分からない、行き来しづらい場合は、

仏壇回収(処分)専門業者を探して利用する。数万円から閉眼供養も込みでしてくれる。

 

この他、

特に信仰心などなく抵抗が無い人で安く済ませたい人は、

位牌や仏具を分別してゴミに出したり、

仏壇は粗大ごみに出すこともある

(料金は各自治体による。所によっては仏壇回収不可という事もある)

 

美術工芸品として価値のありそうな仏像・仏壇はリサイクル店に買取査定依頼してみるなどの方法がある

 

以上、ご参考までに。