一週につき3話ってことは2023年7月9日までYouTubeで放映ってことかな。

TVアニメ追ってるみたいでワクワクしますね。


 

 


 

三つ子の魂百までも」という言葉がありますが映像作品についても幼心に焼きついて離れない作品は誰しも持っているのではないでしょうか。私にとってのウテナはそんな作品の一つです。人にまともに広めようとしたアニメってウテナぐらいじゃないかな。絵は独特だけど大抵の女の子には初見で好感触を得られた記憶があります。少女漫画の王道のようなキャラクターに奇抜な演出、大体の人が抱いているウテナのイメージはそんな感じじゃないでしょうか。もちろんそれは間違いなく売りであり楽しみではあるんですがこのアニメの一面でしかないんですよね。

 

ウテナのストーリーやキャラクターや心理描写については様々な解釈や考察が飛び交っており見た人の数だけ違った感想があると思うので是非是非本編を見ていただき様々な感想を伺いたいものです。


以下は個人の感想です。(ネタバレ有り)

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






 

 


サブタイトルこんなだったっけ?たしかデュエル: の表記は無かったのでYouTube配信はリマスター版かもしれません。アイキャッチも無いです。


デュエル(決闘)、ウテナは21回戦いますが決闘がない回でも何がしかの闘いがあるという意味かな?


ウテナの表の見せ場は戦いだと思うんですが、個人的に裏の見せ場は「裏切り」だと思うんですよ。というか作品全体を通してありとあらゆる形の裏切りが描かれるのがウテナなのかな、と。


まず1話目だと西園寺が決闘に負けるとアンシーに(本人にとっては)あっさり裏切られる、誰かが誰かに期待をしていて裏切られる描写、バッサリと切り捨てられる描写がめちゃくちゃ多い。黒薔薇編は裏切られた人々の復讐劇と言っても過言ではないと思います。(最後は一連の事件の黒幕が裏切られて終わりますが)


裏切りはストーリーの中に留まらず視聴者にも襲ってきます。その最たるものが主人公のウテナだったりします。終盤までアンシーを守るヒーローとして果敢に戦ってきたウテナのはずがアンシーの兄で婚約者のいる暁生と関係を持ってしまい、言動も女の子っぽくなってしまいます。普通の女の子であればまだ容認されるようなことがそれまで毅然としていた主人公がプレイボーイに骨抜きにされ女の子と化してしまう様に視聴していた人、特に女の子にとってはヒーローが「堕ちてしまった」「裏切られた」ように感じます。のちにかっこいい王子様になれなくても必死で戦うウテナに心を寄せていくことになりますが。


話については最後の最後でアンシーがある人物を裏切ることによって一気に救われるのだから良い意味でも悪い意味でも裏切りが横溢している作品だと言えます。


あとウテナの登場人物については人物設定がアニメとしてはかなり稀な作り方をしているように思います。普通、知らないキャラクターに感情移入するとしたら人物の人となりや背景を詳しく知ろうとし、共感できる部分や設定の好きな所を探そうとしますが、ウテナはそういったものが少ないです。主人公ウテナについては早くに両親を亡くし王子様との過去、かっこいい王子様になりたい、正義感が強く友達思い、という設定はあるものの沢山のエピソードの中でそれ以外の内容はあまり盛り込まれずある意味人間くささを感じないような所があります。アンシー、冬芽、樹璃、幹についても背景についてはあまり語られずウテナと同じく最初の設定以上のものはあまり付け足されていません。対照的に西園寺と七実はサイドストーリーが豊富で人間味が増したように思います。


主要人物について余計な情報を足さないのは視聴者に想像する余地を与えるために敢えてやったのではないかなと思います。言わば桃太郎やシンデレラのようなおとぎ話の主役として人間味を出すのではなく意味記号としての役割を徹底させることで視聴者に物語に参加させるように仕向けたのではないかと。


ウテナの劇場版においてはキャラクター達の背景が明らかにされ人間ドラマとして感情移入しやすい仕様になっているはず、、、なんですが個人的にはTV版の語らずに想像させる方式の方が好きです。短い時間枠で話を描く都合上仕方なかったと思いますが。



あとキャラクターデザインもTVの方が好きです。