２０１７年３月、息子、小学４年生

息子が学校に行かなくなったのは、岡部先生にも当然伝わっていました。職場で一緒になった時、私からも直接息子の様子を話していました。

そんなある日の夕方、私の家に岡部先生がやってきました。

(勤務時間は私の方がだいぶん早く終わります)

担任の先生は何度かプリントを持ってきてくれたり、様子を伺いに私の家に来ていました。

でも、特に話題もなく、息子も先生には会いたがらなかったので、庭先で少し私と話す程度でした。

岡部先生の突然の訪問に驚きながら玄関扉を開けると

「今日、理科の時間に小さいブーメランを作ったんだけど、(息子)くんも好きそうなので、持ってきました。もし会ってくれそうなら呼んで欲しい」

とのこと。

岡部先生のことは、息子も好きだし、私も彼のことは信頼していたので、家の中に入ってもらいました。

一応、息子に「岡部先生がいらっしゃったよー。」と玄関から声をかけたら、リビングから飛び出してきました。

そして、二人でリビングでブーメランに夢中になって遊んでいました。

私は、隣に住む義父のための夕食を作らなくてはいけない時間でした。

そのため、リビング続きのキッチンから二人の様子を見るともなしに眺めていました。

息子も岡部先生と楽しそうでした。

ブーメランの大きさを変えて作ってみたりしていました。

岡部先生に断りを入れて、私はいったん義父の家に夕食を持っていき、ようやく自分の時間ができました。

(義父は６時前には夕食を食べたがる)

どのタイミングだったか、岡部先生がふと真面目な顔になって、

「いままで、よく頑張ってたな。(息子)は、本当に頑張ってた。疲れたならゆっくり休め。いつまでも先生は待ってるから。」

と、息子の肩をつかんで言いました。

途中から息子はポロポロ涙を流し始めていました。

そして、岡部先生に抱きついて、わんわん声を立てて泣き始めました。

気のせいか岡部先生も涙ぐんでいるようでした。

こんなドラマみたいな展開があるんだ、、、と思いながら、私まで涙ぐんでしまいました。

今現在の、フリースクールのアンディにしてもそうですが、子育て中に感謝しきれない程の出会いがあります。

息子の支えになってくれた岡部先生には今でも感謝しています。

岡部先生ほ、地域外からの３年勤務で来ていたので、その後市内の職場で会うことはなく、残念です。

きっと、どこかの小学校で子どもたちからは慕われていることでしょう。

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