子育ちのまなざし⑦ | NIKKA-BOKKA 

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子育ち講座を修了した母親の実践や気づきを綴っています

3月9日(木)

 

先週末、コストコのフードコートで、

夫とふたりホットドッグをほおばっていた時のこと。

 

数メートル先のテーブルに

2歳くらいの女の子と4歳くらいの男の子と

その両親の4人で席につく姿が見えました。

 

父親の隣に女の子、

母親の隣に男の子と向き合って席につきました。

 

と、父親が運んできた飲み物がテーブルに置かれるなり、

男の子がそのジュースの紙コップを掴もうとして倒してしまいました。

瞬時に父親が「あーもっっ!!!」と大声をあげ、

倒れた紙コップを立て直しました。

そして、男の子の頭をぺちんと叩きました。

つい思わずという感じでした。

父親の顔は怒った表情で男の子を見下ろし、

なにやら言葉を発していました。

距離があったので、はっきり聞こえませんでしたが、

「どうして〇☓△※☆・・・・」というような少し長めのお説教でした。

 

そして、食事がある程度済みそうなころ、

また男の子は、今度はほぼ空っぽになっていそうな軽くなった紙コップを

自分の手でつかもうとして、今度はテーブルの下に落としてしまいました。

紙コップがぺこんとへこみ、男の子の手から跳ね返るように下に転がったのです。

するとまた父親が「あ~・・・もぉ~~っ!」と声を上げ、

男の子に向かって、何かしらを言い聞かせているのが見えました。

 

よくある小さい子の粗相。単なるしくじり。

それでも、大人は子の未熟さを忘れ、容赦なくなぜ失敗したのかと

ついつい責めたててしまいます。

私もそんな場面が自分の子育ての中にも多々ありました。

 

でも、子育ちに出会い、子の環境を整える視点として、

材料と道具があることを知りました。

そして、子に合うサイズ(大きさ)の道具を用意してあげることで

子が大人のようにやろうとする動作が思うように叶いやすくなることを

実感しました。

そして、生活の場面でのまねと指示。

遠藤さんからテクニック的なこととして、

子がなにか粗相をしても、ありのままの現象を

例えば「あ、こぼれちゃったね~。」「落としちゃったね~。」などと

そのまま受け止めて返すように言いながら、

そのあとの処理をどうすればいいのかの具体的な指示、

例えば「雑巾持って来てください。」「ここ拭いてください。」などと

子に指示を出せばいいという話を聴いて、

「そっか!それだけのことじゃないか!」と

とてもスッキリしたことを今でも覚えています。

 

コストコの紙コップ、とっても大きいのです。

映画館とかで飲むLサイズと同じくらい。

そこに氷入りのジュースが入るとかなりの重さになります。

大人の私でさえ片手で持つのが少し不安になるほどです。

当然ながら、4歳くらいの男の子が、自分で持とうにも重すぎるし、

自分で掴もうにも大きすぎてうまく掴めません。

「自分でカップを持とうとした」でも、重くて倒れてしまった。

「自分でカップを掴もうとした」でも、大きくて跳ね返り落としてしまった。

遠くから観ていて、その男の子は「自分でやろうとした」のであって、

けしていたずらでやったことではないと感じました。

 

私達大人は自分の目の高さで、小さき幼き子を勝手に判断し、

勝手に不機嫌になり、怒ったりして、

なにかやろうとした子をしょんぼりと失意させてしまう。

ボクの何がいけなかったんだろう・・・?

父親の言葉がどこまで伝わっているかわからないような

キョトンとしたその男の子の様子を、私は遠くから静かに見守りながら、

少しさびしい気持ちになったのでした。