http://www.sankei.co.jp/news/050609/kei080.htm


車にエタノール燃料を入れるガソリンスタンドの従業員
=ブラジル・サンパウロ州(共同)
  ガソリンとエタノールの混合燃料も利用できる「フレックス燃料車」の5月の月
間販売台数が、ガソリン車を初めて上回ったことがブラジル自動車工業会の調べで
分かった。
 ブラジルでは地球温暖化対策で注目されるエタノールが燃料として広く使われて
いる。リオデジャネイロ周辺では最近、ガソリンが1リットル2.2レアル(約1
00円)に対し、エタノールは1.4レアルと割安。原油価格の高騰でガソリン価
格が上昇傾向にあるのも販売急増の理由とみられ、「想定を上回る人気ぶり」(フ
ォルクスワーゲン・ブラジル)という。同工業会はさらに普及が進むとみている。
 フレックス燃料車はフォルクスワーゲンがいち早く開発し、2003年3月に発
売を開始。現在では欧米の主要メーカー計7社が24車種を投入している。工業会
によると、今年5月に販売された自動車のうち、49.5%に当たる6万7500
台がフレックス燃料車で、前年同月の19.8%から大きく伸びた。ガソリン車は
72.7%から43.3%に激減した。
 フレックス燃料車はガソリン価格が高い時には、エタノールだけで走ったり、エ
タノールの割合を増やすなどの使い方が可能。エタノールで腐食しないように燃料
タンクなどを加工してある。燃料の混合割合を調べてエンジンを調整する機能も付
いているが、ガソリン車とほとんど価格差がない。
 ブラジルではサトウキビを原料にしたエタノールの生産が盛んで、ガソリンスタ
ンドはエタノールも販売している。
■エタノール
 サトウキビやトウモロコシから作られるバイオ燃料。原料が二酸化炭素(CO2
を吸収して育つため、地球温暖化防止のための京都議定書では、燃焼させても温室
効果ガスの発生がゼロと見なされる。ガス削減目標達成のため、日本などが導入を
検討しており、最大産地のブラジル政府は売り込みに熱心。