http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050531-00000013-nna-int


【マレーシア】EU輸出拡大に期待、バイオ燃料で業界

 欧州連合(EU)が打ち出しているバイオ燃料の段階的導入計画を受け、パーム油の欧州輸出拡大を期待する声が業界関係者の間に広がっている。EUはマレーシアにとって、中国に次ぎ世界第2位のパーム油輸出先。農園経営のゴールデン・ホープ・プランテーションズのサブリ・アフマド最高経営責任者(CEO)は「(EUが具体的な導入目標を掲げたことで)マレーシアから輸出増が期待できる」と話した。30日付ニュー・ストレーツタイムズが伝えた。

 それによると、同社長は「環境保護の推進に向け、EU各国は化石燃料に代わる代替燃料の模索を続けている」と指摘。「ガソリン・軽油に代わるバイオディーゼル、灯油に代わるバイオ燃料の原料として、パーム油の利用価値は高い」と話した。

 EU閣僚理事会は2003年4月、農産物・林産物・有機廃棄物を原料としたバイオ燃料を、10年までに段階的に導入する目標指令を承認。EU各国はバイオ燃料の市場シェアを05年までに2%、10年までに5.75%まで引き上げるよう義務付けられている。

 一方、マレーシアからEUへのパーム油輸出量は現在年間200万トン。中国(同280万トン)に次ぎ、世界第2位の輸出先だ。同社長は「バイオ燃料の原料として最も一般的に利用されている菜種油の価格が、EUでは上昇している」と主張。バイオ燃料の原料としてのパーム油利用が進めば、パーム油価格が安定し、中小企業の収益拡大につながると指摘した。

 また、政府に対し「バイオ燃料の導入企業に対し、燃料税減免などの税制優遇措置をとるべきだ」と話した。
(NNA) - 5月31日13時13分更新