明日のアジアに架ける橋BOADの山口です。
佐伯さんからのレポートは続々と入って来ているのですが、現地での外国人の支援は次第に難しくなっているようです。やはり、お隣の北スマトラ州メダン市の有力者と共同して支援に当たる方が、上手く行きそうです。

「■2005年1月13日

●国境なき医師団、インドネシア政府の新政策の犠牲に
国境なき医師団がシグリ(ピディ県)で活動すべく、アチェの外務省デスクに報告したが、ムラボー(西アチェ県)に行くよう命じられ、シグリ行きの許可はおりなかった。国境なき医師団は、この間、シグリとムラボーで活動をおこなっていた。国境なき医師団は、2000人いる外国人援助ワーカーに対するインドネシア政府の新たな規制の最初の犠牲者となった。すべての外国人は、外務省デスクで、どこに、何をしに、なぜ行くのか説明し、登録をおこなわなくてはならない。この登録用紙は、アチェ州警察、国軍に提出され、警察か国軍の同行が必要かどうか判断される。もし規則に従わなければ、アチェから退去させられる可能性もある。オーストラリアのハワード首相は、この規制について「グッド・アイディア」と支持している。(Jakarta Post, 05/01/13)

●アメリカ、インドネシアに説明を求める
アメリカは12日、米軍をはじめとした外国軍に対し、3月末までにインドネシアを離れるようにという要求について、インドネシア政府に説明を求めた。アメリカは大規模な救援活動をおこなっているが、インドネシア内では外国軍の活動に対する不安が強まっている。インドネシア政府はまた、援助ワーカーと記者が、アチェの一部の地域以外で活動することも規制している。インドネシア政府は、外国人が分離主義者に攻撃される危険性があるということを理由としている。インドネシア国軍は、反乱者が援助物資を略奪する、避難民キャンプに潜伏するなどと主張しているが、その証拠は出していない。(AP, 05/01/12)

●インドネシア政府、外国人規制を再度強調
インドネシア政府は、アチェで活動する外国人(政府機関、NGO、個人、記者)に対し、バンダ・アチェ、大アチェ県、ムラボーのみで活動できることを再び強調した。これは人道援助活動の調整を容易にすることと、外国人の安全のためで、ほかの地域へのアクセスを規制しようという意図はないという。もし、ほかの地域に行くことを望むなら、アチェにある外務省デスクに届出をしなくてはならない。(Media Indonesia, 05/01/12)

●被災者、病院から治療費を課せられる
インドネシア政府は、すべての公立・民間の病院が、被災者に無料で医療サービスを提供するよう命じたが、アチェのいくつかの病院では、まだ治療費・薬代が課せられている。(Sinar Harapan, 05/01/12)

●救援物資で私腹を肥やすインドネシア国軍
アチェでは、インドネシア国軍とアチェ独立派の紛争が継続されていることにより、救援活動家や外国軍の活動範囲が限られてきている。国軍は、これまで独立派・自由アチェ運動(GAM)が、アチェでの物資配給を妨害している、と非難してきた。しかし、ここにきて、反対に避難民キャンプの物資配給を管理する国軍兵士が救援物資で私益をあげている、との非難の声があがっている。在豪アチェ人は、2人のアチェ人知識人から、国軍兵士が北アチェ県ロスマウェの避難民キャンプで被災者に物資を売りつけているとの情報を得たことを明らかにした。ディーキン大学、国際・コミュニティ発展研究所長のダミエン・キングスベリーも、国軍兵士がインスタントラーメンを1袋500ルピアで売りつけていると、実際に支払いを求められたバンダ・アチェの大学生から聞いたという。(Radio Australia,05/01/10)