こんにちは、前回「虫歯のメカニズム①」では、
・『脱灰』と『再石灰化』のバランスが崩れると虫歯になること
・虫歯になる条件に『宿主(歯)』『虫歯菌』『基質(糖)』と『時間』が必要
という2つのお話をさせて頂きました。
今回の記事では、この4つの虫歯の条件の中の『宿主(歯)』への対策方法をお話ししたいと思います。
宿主(歯)への対策
まずは『宿主』、あなたご自身のお口の中の環境の要因です。歯の性質や唾液の量や質、歯並びや噛み合わせや、歯を治療されている場合はその被せ物の素材などです。
①フッ化物塗布で歯を強くしよう
フッ化物(フッ素)には歯の再石灰化を促進する働きがあります。また再石灰化する時に、フッ化物を歯が取り込むことで歯が強化されます。ただし、一度塗れば効果がずっと続くものではありません。歯は常に脱灰と再石灰化を繰り返しているので、定期的に歯科医院でフッ化物塗布を行うのがおすすめです。
ほとんどの市販の歯磨き粉にもフッ化物が配合されていますが、歯科医院で行う塗布濃度の10分の1程度で、歯への取り込み方も異なります。併用するのが一番効果的です。
②唾液の量や質を向上させよう
唾液には、お口の中の環境を整えてくれる大切な作用がたくさんあります。その中でも、「緩衝作用」と言って食後酸性に傾いたお口の中の環境を中和する機能があります。この緩衝能が低下していると、食後にpHが低下したままになり歯の脱灰が進み虫歯のリスクが上がります。
唾液の質や量を向上させることは、歯を守ることに大いに役立ちます。
③歯並びを改善しよう
歯並びが悪いと見た目だけでなく、磨き残しが増え虫歯や歯周病のリスクも上がります。矯正し歯並びを整えることはお口の中の環境整備が整うということです。良い環境は生涯にわたって歯の寿命を伸ばすことに繋がります。
しかし、歯並びを矯正するということは気軽にできる治療ではないのも確かです。ご自身の歯並びで、磨き残しやすい部位や汚れの付きやすい部位を把握したり、定期的に検診やクリーニングを行い行き届かない部位のケアを行うことも虫歯予防に大切です。
④汚れの付きにくい素材で治療をしましょう
虫歯を治療したり、失った歯を補うための材料選びも「宿主対策」として重要です。汚れの付きやすい素材や劣化しやすい寿命の短い素材では虫歯のリスクも上がってしまいます。
では、どのような素材が汚れがつきやすいのでしょうか?一般的な保険のプラスチックはセラミック等に比べて表面性上が荒く汚れが付きやすいです。また吸水性があり硬さも不足しているため削れやすく、2、3年くらいで劣化します。金属の被せ物や詰め物は錆びたり、金属イオンとなり溶けます。また細かい傷がつきやすく、静電気の効果でプラークを引き寄せてしまいセラミックに比べると、その汚れの付きやすさから虫歯のリスクはとても高い被せ物の素材です。
素材以外にも、歯茎が痩せて被せ物と歯茎との間に隙間ができているような場所や詰め物に段差があるような場所では汚れが引っかかりやすく歯ブラシで磨きにくい場所となります。
このような、被せ物や詰め物の劣化や段差などはなかなかご自身で見ても分からないことが多いので歯医者さんでチェックしてもらうと安心ですね。
宿主であるご自身の歯への対策として、汚れがどこに付きやすいタイプなのか、虫歯のリスクはどれくらいなのか?まずはご自身のお口の中の特徴を知り、それに合った対策をしていくことが大切です。
この記事は歯科衛生士 中島絵里香が執筆しました。プロフィールはこちら










