今回は税率の変更ですニコニコ

さてさて、
身近な税金である消費税等の税率が令和元年10月から変更になりましたあせる
それと同様に、法人税等の税率も変更されることがあります¥

このように、
法人税等について税率の変更があった場合、過年度に計上された繰延税金資産および繰延税金負債を新たな税率に基づき再計算します天秤座
それによって金額を修正した場合は、修正差額を改正税法が公布された日を含む年度の法人税等調整額に加減して処理します山羊座

ただし、
評価差額が直接純資産の部に計上されるものは、当該評価差額に加減しますラブレター


例題クローバー
期首繰延税金資産4,000円

当期末において、将来減算一時差異の額は12,000円である。
なお、税制の改正により当該一時差異が解消する年度の法定実効税率に変更があり、従来は40%で計算していたが改正後は30%である。


解説ひらめき電球
税率の変更があった場合は2段階で仕訳しますチョキ


①過年度の繰延税金資産および繰延税金負債の再計算¥

・期首の一時差異を計算する天秤座
繰延税金資産4,000円÷旧税率40%=10,000円

・期首繰延税金資産の再計算携帯
10,000円×新税率30%=3,000円

税率の変更前と変更後を比較すると、繰延税金資産が1,000円減少しています¥
この差額を法人税等調整額で処理しますグッド!


修正差額の処理メモ
(借)法人税等調整額 1,000/(貸)繰延税金資産 1,000


②繰延税金資産の金額を期首と期末で比較する天秤座

修正差額の処理が終われば、後はいつも通りにすればオッケイですニコニコ

金額修正後の期首繰延税金資産は3,000円で、当期末の繰延税金資産は3,600円¥
これらを比較すると、繰延税金資産が600円増加していることが分かりますDASH!
その相手勘定を法人税等調整額として計上します雪


期末の処理メモ
(借)繰延税金資産 600/(貸)法人税等調整額 600


このように、税率の変更があったとしても難しい処理はありません牡牛座

ところで、
税率が軽減されたことによって、期末繰延税金資産が大幅に減少しましたダウン
旧税率40%なら4,800円だったのに、実際は3,600円です汗
法人税等調整額も結果的に400円費用計上されてしまったので、利益を圧迫していますショック!

税率を引き下げると業績予想の下方修正がなされることがあるなど、企業にとって悪い影響が起きることもあるんですね雪


今回はその他有価証券が債券だった場合の処理を見ていきますニコニコ

さてさて、
少し復習になりますが、
長期保有目的などで取得した公社債について、取得差額が金利の調整と認められる場合は次の手順で決算整理仕訳を行います雪


①償却原価法の適用ラブレター
②時価に評価替え¥


大体、こんな感じですにひひ
金利の調整差額については、税務上も企業会計上と同じ処理をしてくれるので一時差異は生じません牡羊座
しかし、時価への評価替えは認めてくれないので、評価差額が一時差異として認識されることになります天秤座


例題1クローバー
A社社債95,000円
(額面総額100,000円、時価97,500円)
満期日:R11.3.31
会計期間:R1.4.1~R2.3.31

当期首に長期保有目的で取得したA社社債は取得差額が金利の調整であると認められるので、償却原価法(定額法)を適用した。
評価差額は全部純資産直入法を採用する。
法定実効税率は40%である。


①償却原価法メモ
(借)その他有価証券 500/(貸)有価証券利息 500

②時価に評価替えメモ
(借)その他有価証券 2,000/(貸)その他有価証券評価差額金 2,000
(借)その他有価証券評価差額金 800/(貸)繰延税金負債 800


解説ひらめき電球
まず最初に償却原価法を適用します。
手順は満期保有目的の債券と同じですニコニコ


有価証券利息
(100,000円-95,000円)÷10年=500円


この時点で、その他有価証券は95,500円になっていますよねラブレター
つまり、評価差額は2,000円の評価益です¥アップ
将来加算一時差異が生じるので、繰延税金負債で仕訳しますキラキラ


そして、翌期首。
例によって、再振替仕訳を行います桜
ただし、
償却原価法による金利調整差額の部分は、再振替仕訳をする必要はありませんDASH!
なぜなら、金利調整差額は時の経過による利息だからです¥

例題2クローバー
翌期首になり、再振替仕訳を行った。


(借)その他有価証券評価差額金 2,000/(貸)その他有価証券 2,000
(借)繰延税金負債 800/(貸)その他有価証券評価差額金 800


解説ひらめき電球
債券の金利調整差額は再振替仕訳をする必要がありません。
それ以外は、いつもと同じですラブレター

出題の可能性は低いけれど、償却原価法の適用がある場合の仕訳も覚えておきましょうニコニコ


今回はその他有価証券の評価替えで生じた一時差異の解消ですニコニコ


さてさて、
資産の評価替えで生じた評価差額が直接純資産の部に計上されることによって生じた一時差異が解消した場合は、税効果会計の仕訳も一緒に行いますメモ

理由は簡単音符
評価差額から繰延税金資産や繰延税金負債の額が直接控除されているからですDASH!


参考ヒヨコ
その他有価証券11,000円
(取得原価10,000円、時価11,000円)
繰延税金負債400円
その他有価証券評価差額金600円


この残高試算表を見ると、
その他有価証券評価差額金が貸方に600円計上されていることが分かります¥
しかし、実際の評価差額は1,000円の評価益ですよね天秤座

そんな訳で、
その他有価証券を取得原価に振り戻すために、次の仕訳を行ったとしますラブレター


評価差額の洗替えメモ
(借)その他有価証券評価差額金 1,000/(貸)その他有価証券 1,000


一見すると普通の仕訳ですが、
その他有価証券の帳簿価額が取得原価に戻っているのに、その他有価証券評価差額金の残高は借方に400円も計上されてしまうのです汗
はっきり言って、おかしいですよねショック!
だから、税効果会計の仕訳も一緒に行います¥


一時差異の解消メモ
(借)繰延税金負債 400/(貸)その他有価証券評価差額金 400


これで一時差異が解消し、その他有価証券評価差額金もゼロにすることが出来ました音符
すべての辻褄が合うので、これでスッキリですグッド!


例題クローバー
その他有価証券9,000円
(取得原価10,000円、前期末時価9,000円)
繰延税金資産400円
その他有価証券評価差額金600円(借方)

期首になったので、評価差額の洗替え処理を行った。
なお、法定実効税率は40%である。


(借)その他有価証券 1,000/(貸)その他有価証券評価差額金 1,000
(借)その他有価証券評価差額金 400/(貸)繰延税金資産 400


解説ひらめき電球
評価差額の洗替えと税効果会計の仕訳を同時に行いますニコニコ

ちなみに、
これらの仕訳をひとまとめにしたものが、次の仕訳です目


(借)その他有価証券 1,000/(貸)繰延税金資産 400
             /(貸)その他有価証券評価差額金 600


問題集などでよく見る模範解答キラキラ
実は税効果会計の仕訳をひとつにしたものだったんですニコニコ
便利なので、ぜひ覚えましょうグッド!