花束を「要らない」と言った母
先日、私の母が誕生日を迎えました。90才を迎えました。難病で治療方法がなく、酸素吸入の辛い毎日を送っており「こんな姿になって、情けない。息苦しい。早くあの世に行きたい」と悔やむ母。辛い気持ちは、わかるのですがご飯はちゃんと食べれるし、酸素を吸入すれば、酸素濃度は90%を超えて維持できているのにめんどくさいと言って、酸素を吸入しない。そして、苦しい、苦しいと訴える。同じ年の父といっしょの施設生活だから寂しくはないはずなのに、娘の妹も、私も、週に一回以上施設を訪問しているのに。「毎日顔を出せ」とのたまう。90才の誕生日に花束を持参したら「こんなもの、邪魔。持って帰れ。現金がよかった。持って帰らないなら、捨てる」と言った。悲しみがわき上がってくる。部屋のじゃまにならないところに、花瓶も持っていって、飾ってあげたけど。「お祝いのお金は、後で持ってくるから」そう言ったら母は、チッと舌打ちした。横にいた父が悲しそうに私に言った。「母さん、ちょっとおかしいことばかり言う。言い出したらきかない。〇〇子、勘弁してくれ。けんかしないでくれ。」父は正常のようだ。この花束、明日はどこかに捨てられているのかな?認知かかっているとはいえ、まともな時も多い母。人間はこうやって老いていくのだろうか悲しいね・・・