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■■ 英語の歴史5
今回は、英語の発音と綴り字の乖離が激しさを増す近代英語の時代(前期)です。
■ 近代英語(Modern English)の時代:15世紀~20世紀
□ 近代英語の時代(前期):15世紀~16世紀
この時代の主なトピックス
・活版印刷の発明:15世紀
→ たくさん存在した方言の中から、ロンドンの方言が標準語になる
→ 綴りが固定化する
・大母音推移(Great Vowel Shift)が続く:15世紀~17世紀
→ 音の変化は続くが、綴りは固定化されているので、「発音と綴り字の乖離」が激しさを増す
・イギリスのルネサンス:16世紀~17世紀半ば
→ 古典語(大量のラテン語、ギリシャ語)が英語に入ってくる
・英国国教会成立:1534年
→ ローマと関係を断ち、イギリス独自のキリスト教宗派が誕生する
15世紀に入ると、印刷機が導入されて、大量の印刷物が出回るようになりました。
しかし、当時英語には多くの方言があり、印刷するにはスペリングを固定する
必要性がありました。
そこで印刷を行なっていた地のロンドン英語のスペリングが使われ、大量の印刷物
を通して、ロンドン英語のスペリングが広がり定着しました。
これにより一地方の方言であったロンドン英語が、しだいに標準英語となっていきました。
多くの方言が濫立する中で標準英語という一定の基準が設けられたことにより
近代英語は大きく前進します。
一方で、中英語の時代の後期に起こった、大母音推移(Great Vowel Shift)
という現象は、近代英語の時代に入っても続き、これにより音は変化していくのに対して、
スペリングは固定化されているので、「発音と綴り字の乖離」が激しさを増すことになり、
現在のように英語は表音文字ではなくなりました。
16世紀にはイギリスもルネサンス期に入り、古典語として、大量のラテン語、
ギリシャ語が英語に入ってくるようになります。
また、文芸面ではシェークスピアが活躍し、豊かな英語表現を確立していきます。
1534年、国王の離婚問題をきっかけに、イギリスはローマとの関係を断ち、
国王が首長となる英国国教会(The Anglican Church)が成立しました。
この後、イギリスは国力を増し、領土を世界中に広げていくこととなります。
次回は、
■ 近代英語(Modern English)の時代:15世紀~20世紀
□ 近代英語の時代(中期):16世紀~17世紀
について解説します。
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