ある平日の午後。
自宅で静かに仕事をしていたとき、突然インターホンが鳴りました。
この時間はまだ息子もバイト中。
ご近所さんかな?と軽く思いながら応答すると
「警察の〇〇です」との声。
「えっ…何かあったの!?」と、心臓が少しだけドキリとしました。
玄関を開けると、小柄な女性の警察官が穏やかな表情で立っておられました。
「ご安心ください、事件とかではないんです」と前置きされたうえで、こんなお話をしてくださいました。
「万が一、災害などの非常時にご家族と連絡が取れなくなった際、私たち警察官が代わりに安否確認の連絡を行えるよう、緊急連絡先の情報をいただけませんか?」
とのこと。
なるほど、地域の防災や安否確認の体制づくりの一環なんですね。
私はというと、両親はすでに他界していて、近くに住んでいる親戚もおらず…。
ふと「こういう時、自分の“つながり”ってどこにあるんだろう」と考えさせられました。
突然の訪問にはびっくりしましたが、こうして一人ひとりに丁寧に声をかけてまわっている警察官の方の姿勢にも、安心感とありがたさを感じました。
そんな“想定外の訪問”のあとに、もう一つ心拍数が上がった出来事。
そんな"ドキドキ”つながりで、最近観てきた映画の話を少し。
ついに待望の『Mission: Impossible – Dead Reckoning(後編)』を観てきました!
数年前、息子と一緒にシリーズを観たことがありましたが、今回は「今はプログラミングのプロジェクトに集中したい」と断られてしまい…。
週末は混雑するし、一人で観に行こうかな…と思っていたところ、タイミングよくニュージーランドから
一時帰国していた英語講師であり、コーチであり、コンサルタントでもあるKさんと再会のお約束。
映画も一緒に行かない?と誘ったら、即・意気投合!
映画は、期待以上のハラハラドキドキの連続。
よくあれだけのアクションを“本人が”こなしているなぁと、トム・クルーズのストイックさに改めて驚かされます。
100%安全とは言い切れないようなシーンの連続に、心拍数が上がりっぱなしでした。
東京や大阪のような大都市に住んでいると、有名人の来日は日常の一コマのように感じるかもしれません。
でも、2014年6月26日、トム・クルーズが初めて福岡を訪れたあの日のことは、福岡の多くの人にとって特別な出来事だったと思います。
映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』のプロモーションとして、日本の三都市(大阪→福岡→東京)を1日で巡る“ループ・キャンペーン”というユニークな企画。
その中に“博多駅”が含まれていたんです。
ハリウッドスターが博多駅のステージに立つ
それは地元の人々にとって、今も語り草になるような非日常の瞬間でした。
当日はニュースでも大きく取り上げられ、私自身もその光景をこの目で見に行きました。
実は母は特別トム・クルーズのファンではなかったのですが、「博多に来るらしいよ」と聞きつけて、「一緒に行こう」と誘ってくれたのがきっかけでした。
あの日、博多駅前には大勢の人が集まり、私たちは道路に近い場所から、豆粒サイズにしか見えないトムを見つめながら、
スピーカー越しの声に耳を傾けていました。
当時、私はトムのファンというわけではなく、むしろ彼の通訳を担当していたThe 戸田奈津子さんに注目していました。
同行していた戸田奈津子さんの“言葉の選び方”に関心があり、英語の音や表現のひとつひとつに耳を傾けていたのを思い出します。
ちょうどその当時通訳の案件に関わっていたこともあり、「この一言をどう伝えるんだろう」と、あの時の私は、英語から日本語へ紡がれる一言一言を逃すまいと、耳を澄ませていました。
今は通訳・翻訳の現場には立っていませんが、英語司会・日英バイリンガルMCとして「その場にふさわしい言葉を届ける」仕事に携わっているので、日々、Podcastや映画やドラマのセリフや、通訳者・翻訳者の言葉選びを学びながら、言葉の可能性を探求しています。
トム・クルーズといえば、そのストイックさに長年感心してきましたが、年齢を重ねた今も、彼の映画制作への情熱は衰えることがありません。
自らスタントをこなし、俳優としてだけでなくプロデューサー、ストーリーテラーとして、観客目線で作品をつくりあげていく姿は、本当に尊敬に値します。
そんなトムと共演した真田広之さんも、私の中で強く印象に残る存在です。
彼が初めてハリウッド映画に出演したのは、2003年の『ラスト サムライ』。
私は当時ニューヨークに住んでいて、マンハッタンの映画館で鑑賞しました。
その後、彼はロサンゼルスに拠点を移し、ウルヴァリン、アベンジャーズ、ジョン・ウィックなど数々の作品に出演。
そして、主演・プロデュースを務めた『SHOGUN 将軍』では、ついにエミー賞主演男優賞を受賞されました。
『SHOGUN』は単なる時代劇ではなく、日本文化を世界に正しく伝えるという使命を持った作品です。
真田さんは、主演としてだけでなく、プロデューサーとして制作の初期段階から深く関わり、言語や文化の監修にも尽力されたそうです。
1600年代の言葉遣いや所作、衣装、小道具まで、すべてにこだわり抜いた結果、世界中の視聴者の心に届くリアリティある作品に
仕上がりました。
そんな『SHOGUN』の翻訳を手がけた翻訳チームの中の三田眞由美さんと網代淳さん。
VOJ(Voice of Japan)同期のSatokoさんが運営に関わっていた、第33回英日・日英翻訳国際会議(IJET-33)の一般公開講演で、お2人の貴重なお話を福岡で聞く機会をいただきました。
それをきっかけに、慌ててDisney+をサブスクして『SHOGUN』を2日間で一気見。
そして講演当日、翻訳の背景や苦労、そして1600年代の古語と現代語のバランスをどのように工夫したのか…その一つ一つに、
翻訳者としての真摯に取り組む職人技と情熱を感じ、胸が熱くなりました。
翻訳や通訳の仕事って、「ただ意味を伝える」だけではないんですよね。
文化の橋渡しをするために、細部まで心を配りながら、何度も言葉を練り直し、想いを形にしていく。
以前、私もその世界に少しだけ身を置いていたからこそ、あの「言葉にするまでの葛藤」や「届けたい想い」が痛いほどわかるんです。非常に奥が深い!!
講演の後は、Satokoさん、VOJ同期のMaiさん、Tamamiさんと一緒にランチ会を。
ヒルトン福岡シーホークの海を望むレストランで、講演会の話で盛り上がったあとはそれぞれのキャリアや日々のことを語り合いながら、美味しい時間を過ごしました。
皆さん本当に素敵な女性たちで、それぞれの道を自分らしく歩んでいる姿に、たくさんの刺激と元気をもらいました。
人生の中で「言葉」が持つ力を、改めて感じた一日。
心を込めて選んだ言葉は、人の心に届き、時を超えて残るもの。
これからも、そんな言葉を大切に紡いでいきたいと思います。
次回も、また日常の中にある小さな気づきや、心が動いた瞬間をお届けできたらと思っています。
読んでくださって、ありがとうございました。
