Cream, competent or cowboy - which factories are faking it?
https://www.bikebiz.com/features/cream-competent-cowboy
の日本語訳になります。
事前知識
cream 上澄みの〜 bikebiz内では最上級のカーボン工場をこう呼ぶ
cowboy カウボーイ ならず者 bikebizでは粗悪中華カーボン業者をこう呼ぶ
openmold 本来なら開放鋳型の意味だがbikebizではなぜかopendesignの意味で使われる。 要するに大手メーカーの形をパクったフレームの事だが塗装でブランド名を入れたりすることはない。
偽のカーボンフレームを作っているのは一体どこの誰だ?
夜中にコソコソ操業してる闇の工房があるのか、はたまた「大手のフレームのOEMを請け負ってる工場」か?
頻繁に繰り返される主張(偽装フレームの購入者、さらには弱小自転車屋から)は、偽有名ブランドの自転車フレームが本物の物と同じ工場で作られているという妄言。これはたわごとだ。自転車業界最高のジョーク。殿堂入り間違いなし!偽のピナレロの主要メーカーからBikeBizが確証をとった。
大手メーカのための数十万のハイエンドカーボンフレームを焼いている中国の製造業者は、偽造品を作るにはあまりにも多くのリスクを負うからだ
アジアの複合材料の製造現場は複雑だが、単純に区分けすると、中国には「クリーム(最上級)」、「有能」、「カウボーイ(ゴミ)」という3つのカーボン工場層がある。
Giant、Ten Tech Composites、G&M Carbon Components、Quest、Topkey、Carbotecなどの最先端のメーカーは、最高級オブ最高級クリームの層にあり、世界のトップサイクリングブランドの多くを誇っている。真ん中には、中規模の自転車ブランドのカーボンフレームを製作し、「オープンモールド」フレームを作る有能な企業ももたくさんある。工場の3番目の層は、表面には綺麗で本物と見間違えるものもあるが、カーボンフレームの形をした産業廃棄物も生まれて来る。
カウボーイ工場は、海外の自転車ブランドと契約していないため、偽のフレームを焼きまくることに何も抵抗がない。労働者から搾取し、エンドユーザーの安全をなんか気にもとめてない層がココだ。
カウボーイ層工場の中でも最悪のものは、内部的も外部的にバッチテストなんかしない。労働者の肺を守るために粉塵のをろ過なんかするわけないし粉塵が悪いとも思っていないだろう。まともな工場なら見つけたら弾く不完全なフレームもそのまま流してしまうだろうし、付属して来る保証書に書かれている内容は資源の無駄で何の意味もない。
カウボーイ工場は、最新の最先端のデザインを使用してフレームを生産せず、独自のR&Dを行ってないし、奴らの頭の中をかち割っても風洞実験という言葉は見つからないだろう。
MD of Surrey's Carbon Bike Repair のロブ・グランビル氏は次のように述べている。
『クリームの連中は自分たちが何を作っているか完全に把握して手を動かしているし、真ん中のやつらは単純に量産していて、カウボーイの連中は・・・・まぁ 偽のロレックスを欲しがる市場はいつの時代にだっているだろ?』
カウボーイ供の工場がヤクザの所有で運営していると主張するのは大げさかもしれない。 しかし、偽の自転車フレームは、ベビーパウダーを抗生物質だと偽って捌くほどの悪質なシノギじゃないかもしれないが、それによって開発された「知的財産」(IP)を犯すということは、理論的には西洋と同じくらい中国で違法だ。アイデア、デザイン、そしておそらく純正ブランドの販売機会を盗んで、カウボーイ供は社会に経済的害を及ぼしている
彼らのオンラインストアを片っ端から閉鎖している調査官への憎しみのメッセージからもわかるように、カウボーイ工場を経営する人々の多くは喜んで不正をし、苦情などはお構いなし、妨害されたと思えば非常に攻撃的になるならず者だ。
カウボーイ工場は、多くの西欧の消費者が、中国に生産を移した有名ブランドによって「ボラれている」と信じている。どうやらそれは自分たちでフレームを作った時にかかるコストがあまりにも安いのでそのような考えに行き着いたらしい。そして、そのような意見は、しばしば著名な立場の人々によって保持されている。
パット・マクケイドは彼がUCIの会長だったとき
『プロが集団の中で乗っている自転車は、中国にある2本の工場で作られている。そして、フレームおそらく30~40ドル(3-4千円)のコストで、大量生産している。そして同じバイクが最終的に末端価格にが4~5~6千ユーロ(30ー60万円)のバイクとして販売されている』
なんて事をいっていた。
数年にわたるマクケイドの妄言の多くに見られるように、これもひどいタワゴトだった、てことが今となってはわかってはいるのだけど。
プロの自転車は最高級オブ最高級クリーム工場で作られている。 TTCとして業界で知られているTen Tech Compositesは、2008年に "ツール・ド・フランスのトップ3の場所を独占した"とイケイケだった。その年の表彰台の3人のプロ選手は、Cervélo、Ridley、Specializedといった異なるブランドの自転車に乗っていたが、フレームはすべてそのTTC工場で作られた。
高級工場、レースの先頭にある工場、架空の「第3のシフト」(工場の操業時間が終わった後にラインを回して作る本物の工場で作る偽物)をしない工場、フレームの製造コストがマクケイドがほざいたの10倍以上すると、工場社長は豪語した。
クリーム工場はまた、自分たちのブランドを立ち上げる傾向がある。 GIANTはもちろん、最も有名で最大のものだが、他のクリーム工場にも自社ブランドの自転車がある。 例えば、CarbotecはPinarelloフレームを作るだけでなく、Pinarelloフレームのリアエンドぐらいの値段でCarbotecフレームを作っている。 フレームの形状はもちろん違うし、Carbotecはマーケティングなんかしてないし、Grand Tourでの勝利もないので、Pinarelloと市場でカチ合うこともない。
ファッションシューズ、鞄、ノンテクニカル製品を主力製品とするの有名ブランドを手がける中国の工場は、現物を生産する2つのシフトと、本物と全く同じ革製のハンドバッグを作る非公式の『第三のシフト』があるが、カーボンフレームの製造上それはありえない。
たとえば、ジャイアント。 C-Techの2つの複合工場(中国に1つ、台湾に1つ)で超高品質のGiantブランドのカーボンフレームを製造するだけでなく、Scott、Colnagoなどの企業のフレームも作っている。
C-Techの工場では1日に500本のカーボンフレームが作られ、そのうち150枚はOEMフレームである。各フレームは生産に合計18時間を要し、32人の工員の手を経て、14の品質管理ステーションをクリアしていく。
多くの人件費を使いで大量生産するわけだが、決してそこでは労働者搾取や劣悪な環境での作業ではない。労働者は午前8時に時計を合わせ、午後5時30分まで仕事をし、紅茶を飲みと昼食を休憩する。これでトータル、41時間、5日間の勤務時間になる。ピーク時には6日目が追加されるが、夜間のシフトはなし。ジャイアントは労働者の福利厚生を重視し、その労働者の多くは工場近くの会社寮に住んでいる。
世界でもトップクラスのバイクブランドは、ただ労働コストが低いからという理由(これはもはやそうではなくなっている)で中国にOEMを投げているのではなく、30年以上に亘って構築されたフレームビルディング技術と設備が世界のどこよりも優れているからぶん投げているのだ。
Apple社でさえ、単なるコストではなく、品質上の理由から中国で作られた多くの製品がある。
Apple社のCEO、ティム・クック氏は、2015年にCBSニュースに
『中国は、職業的なスキルの製造業に多大な焦点を当ててる。 米国は、時間の経過とともに、多くの専門的な物作りスキルを持つことをやめ始めた。 アメリカ国内すべての道具や金型メーカーは、おそらく私たちが現在座っている部屋に集合できる。一方で 中国では、複数のサッカー場でもないととても入りきらない。』
と語った。
中国の大学は、何百、何千という複合材料エンジニアを毎年輩出し続けている。
マーケットにエンジニアは常に過剰供給気味でクリームな工場やその次の工場は、有能な人材を好きなだけ選べる。一部の中国人労働者は他の国の労働者より優れているし、
中国の多くの工場にはタイからの海外労働者も雇われている 。(ジャイアントの工場の指導書は中国語だけでなくタイ語でも書かれている)
クリーム工場では、最も熟練した労働者だけがハイエンドのフレームを作ることを任されている。フレームそのものはエンジニアによって作られるのではなく、労働者・・というよりは職人によって作られる。 職人の多くは女性。女性の方がなぜか男性より丁寧に綺麗にカーボンを張り合わせるのが得意だからだ。彼女らは、ヘアドライヤーのように見える送風機を備えたフレーム状の金型に、「プレプレグ」(プラスチック樹脂で予め含浸された布)というコンピュータで裁断されたカーボンファイバーシートを貼り付けていく。これらのプリプレグの中には、郵便切手と同じくらい小さいものもある。ジャイアントのAdvance SLフレームは、環境とダストコントロールされた部屋の中で300以上の個々の炭素繊維シートの組み合わせによって作られている。普及帯のフレームになって来ると組み合わせが少なくなっていき、偽物は数えるほどの大きなカーボンシートを雑に貼り付け流だけで作られているのだろう。そして販売サイト上で何をほざこうが、安価な繊維と樹脂だけで作られるているだろう。
炭素繊維のフレームの敷設はすべて手作業で行われ、特に何も大きい工作機械は使われないし置いてありもしない。まるで裁縫工場のように型紙のパターンや模様がダミーフレームに貼り付けられている。ジャイアントの工場などには、それ裁縫工場かの様にカーボン糸がぐるぐるに巻いて置いてあったりする。クリームな工場にはサイエンスラボのような洗練されたカーボンレイアップルームがある。しかし中で行われている作業は所詮、原始的なものなので、三流のカーボンフレームやパーツの製造業者の参入に実はあまり障壁はない。
木材と同様に、炭素は異方性であり、一方向に強い。強度は炭素繊維の方向に依存している。自転車のフレームに使用される基本的なタイプの炭素繊維には2種類ある。単方向カーボンプレプレグのシート(UD)は、すべての繊維が一方向に、互いに平行に走っている。 2つ目は、よく目にする黒と灰色のカーボン・ツイル織りの織り合わせた格子状のシート(3k 4k 8k 12kとか)だ。
一般的にカーボン・ツイル織りシートを使用するのは、単方向カーボンプリプレグシートを手作業でレイアップしていくより容易で安価である。 ハイエンドフレームは、ボトムブラケットシェルなどの高ストレス領域で多量の一方向性炭素を使用する。
よって安価なフレームや、おそらくほとんどの偽物は、応力が強くかかる部位でも、カーボン・ツイル織りシートを選ぶだろう。 ハイエンドフレーム上の高応力領域間の接合部は、まるで炭素積層の三次元ジグソーパズルであり、各積層は異なる方向を向いて積層されている。 これらの積層のレイアップは、自転車のフレームのように一見テクノロジーが必要ない様なシンプル乗り物でさえ非常に複雑にできている!(通常使われる航空宇宙材料と比べても複雑だ!)
偽フレームはハイエンドフレームと同じ形状でもかもしれないが、その下にあるカーボンの設計とレイアップの複雑が全くデタラメだ。見た目を綺麗にするためだけにある外周部のカーボンは人の目を欺くためのもので、フレームの性能を全く担保していない。最高のカーボンフレームは極めて主観的なのだ。
登坂性能や乗り味は 様々な剛性係数の炭素繊維の13層があって作られている。
ハイエンドフレームは、有限要素解析(FEA)プログラムを使用してコンピュータで設計されており、フレームの部位に対するカーボンの積み重ねと積層に対する繊維の向きによって決定された炭素繊維シートが3Dジグソーパズルの正しい場所にあるか確かめられている。
狙った性能を引き出すためにハイエンドフレームは部位によって剛性を変えている。 これは、炭素繊維の正確で精密なレイアップによって達成され、最適な積層技術により、一貫した積層体が得られる。
オーストラリアのサイクリング・トレードの元編集者、フィル・ラッツ(Phil Latz)は次のように述べた。
『カーボンシートを数ミリメートル間違った順序で並べると、フレームの特性と完全性が損なわれる可能性がある』。
高価なカーボンフレームで使われるカーボン層は高価であり薄く精巧にできているが偽フレームは分厚く雑なカーボン層が使われている
炭素の「剛性」はギガパスカル(GPA)で測定される。 GPAが高いほど、「弾性率」(重量弾性率または剛性の尺度)として表される炭素がより硬くなる。最高級フレームの重要な部位は、少量の超高弾性係数カーボン、そしてさらに高価な高弾性率カーボンを使って成型されている。(すべて高弾性率材料でフレーム全体を作ると逆に脆くなってしまうだろう)
ニセフレームは本物と同じように見えるかもしれないが、これ化粧が厚いだけだ。
元スペシャライズド、今サーヴェロのグローバルマーケティング担当ディレクターのリック・ボスパー(Rick Vosper)氏は、次のように述べている。『ハイエンドフレームと安価なフレームの違いを見た目だけで見分けるのは難しい。経験が豊富で、目が覚えていて、超音波やX線を備えた設備の整ったテストラボと有能な技術者が揃った完全な機械試験装置が必要だ』
オーストラリアのカーボン・バイク・リペアのRaoul Luescherは、ケーキ作りにたとえている。
『同じ材料を使っても、作り手によってケーキは異なる味になる。カーボンもそれとと同じだ。 個々の部分はすべて職人芸でレイアップと圧力と熱サイクルを組み合わせたものだ。それらをすべて制御するのは難しいプロセスで多くの組み合わせがあるがある。』
偽造品を生産している工場では、炭素繊維だけでなく安価な(軽くて弱い)ガラス繊維を含む疑わしい材料を使用する可能性がある(炭素修理工場ではこれについての証拠はない)
プレプレグは、保存期間が限られているため、大きな冷蔵庫に保管されている。消費期限を越えたプリプレグがカウボーイどもに売られ、カウボーイ達の定番材料となっている。 使用期限を過ぎてもプリプレグは問題ないかもしれないが、構造体の小さな空隙に流れ込む樹脂の完全性に問題が生じるかもしれない。
クリームやまともな工場は、不完全なフレームを除外するために必要な犠牲を厭わないが、カウボーイ供はそんなことはしない。
クリームな工場はオーブンや設備を定期的に較正し、レイアップルームで厳しい環境管理を行っているが。カウボーイ達の工場はそんなことはしない。カウボーイ工場は安価な材料もバンバン使用する。
『偽物を買う奴らはつまるところ、自分たちが全く何をしているかわかっていない連中が作っている自転車を買っているってことだ。ちゃんと設計されているかどうか怪しいジオメトリーにゴミの様なカーボン、粘着フィルム、古い雑誌、綿棒やコンドーム、唾液や臍のゴマが入ってる製品を買ってるってことだ。』
と今サーヴェロのグローバルマーケティング担当ディレクターのボスパー氏は言う。
カウボーイ工場では、ボイド、気孔率、その他の内部欠陥のチェックに興味がないのかもしれない。サンプルを引き出し、半分にカットし、ラミネートの厚さを確認することはしない。偽フレームは、一方向性繊維ではなく、より大きな濃度の織り炭素布で作っているだろう。偽装された最終製品は実際のものと同じように見えることが多いが、偽物がスポンジのような乗り味である事を知っている唯一の人物は、工場から何千マイルも離れたコンシューマーであり、カウボーイ工場の最終品質管理マネージャーはニセモノを買うエンドユーザーだ。
有能な工場では優れたフレームを作り出すことができるし、社内の検査制度もある。カウボーイ工場の多くとは異なり、有能な工場とクリーム工場のほとんどは、最終製品からカーボン繊維一本までのトレーサビリティを保っている。
多くの有能な工場が実際に工場を持っている事を理解することは困難だ。多くの会社は単に英語が喋れる貿易会社だ。 HongFuとDengfuは、オープンモールド(開放鋳型)でノーブランドフレームを西洋向けに売る最大の売り手である(HongFuのNancy HuangはBikeBizに同社は毎月4000フレームを生産していると語った)
中国には数多くのカウボーイ炭素工場があり、有能な工場やクリーム工場はほんの一握りだ。
クリーム工場には、Topkey of Taiwanがあり、これはスペシャライズドとキャノンデールのためのカーボンフレームを作っている。自らを「世界最大のカーボン・バイク・メーカー」と称し、年間生産量は20万フレームだ。 1994年から、カーボンフレームを製造しており、1980年から世界で流通しているハイエンドカーボンテニスラケットのほとんどを製造している。Topkeyの子会社の1つは、中国でサーヴェロのカーボンフレームを製造するKeentech Composite Technologyだ。 G&M Carbon ComponentsはBMCのバイクを作っている。 ピナレロフレームは2004年からカーボン事業を操業している台湾と中国のCarbotec Industrialで製造されている。スコットの安っぽいが有益なプロモーションビデオは実際にはGiantの工場で撮影された。China's Quest Composite Technology は、トレックとキャニオンの自転車のフレームを作っている。アメリカ資本のアジア在住のファクターバイクは、Cervélo、Focus、Argon 18などのバイクを受けていたが、今は主に自社ブランドを作っている。
小さなカウボーイ工場の中には、ネズミのような、警察の襲撃を察知し、姿を消して再び現れるタイプのものも確かに存在するが、実際のカウボーイ供は一般的に想像するようなアンダーグラウンドな「裏路地工房」とはまったく異なる。
「これらの悪徳企業の規模を過小評価しないでください」と、有名な高級ヨーロッパのカーボン・バイク・ブランドのCEOがBikeBizに語った。
『悪徳会社が金型をわざわざ作って10本のフレームを作ることは意味がありません 私たちは膨大な数の話をしています。これらの工場は『公式』のものではなく、本物のフレームも作っていません。
中国の典型的な高品質のカーボンフレーム工場は、台湾の国民によって所有されており、米国、カナダ、イギリスで教育された跡取りが運営していて、西洋的な経営スタイルをとっているのが大多数で炭素繊維を使ったビジネスを20年以上も続けています。彼らにとって、模倣品を実際の製品と同じラインで作ることは、あまりにも危険すぎる。
彼らが何かをするとするならば、オープンモールドフレームを作ることだが、偽造はしない。 ピナレロとスペシャライズドからお金をもらっている会社はそんな危ない橋を渡るまでもないでしょう』。
Faking it – Inside the shady world of counterfeit bikes, clothing and parts is a series of 20 articles. For offline reading convenience the 25,000 words can be found on an illustration-rich PDF, a Kindle file, an eBook and a Word document.
BY
意訳
aki
