ABBAの作曲家が全曲書き下ろしたミュージカル。
ブロードウェイで上演後、各国でミュージカル・コンサートと様々な形で上演されてきた。
東西冷戦が背景にあるチェスの世界大会を舞台に展開される。
アメリカとロシアの両選手と複雑な過去をもつアメリカ選手セコンドの女性、チェスの世界では絶対の審判が織り成すミュージカル。

ABBAが書き下ろし、自分達が表現したかった音楽が詰まっているというこのミュージカルはまさに楽曲の宝庫。
ロック、オペラ等様々なジャンルの曲をそれぞれが歌い上げるのは本当に至福の時間。
出演者全員が口を揃えて、難曲揃いで歌えるのか不安だったと言うほどで初日が開いてほっとしたそう。
東京は4日間、大阪は3日間という短い期間で、私は木・土・日を観ました。
初日よりは土曜、土曜よりは日曜と日々成長しているのが感じられました。

東西冷戦やチェスが舞台になってるとはいえ、ミュージカルとして上演したら、きっと膨大な楽曲の情報にストーリーが置いてきぼりになる可能性があると感じたので、今回はコンサートverでの上演が正解だったのだと思います。

オーケストラは13人編成で舞台の両端に、中央にはチェスの盤と駒が置かれているセット。時々上から四角い筒が降りてきて、それをテーブルにしたり、その上に乗ったりして効果的に使われてました。


瞳子さん演じるのはハンガリー動乱時代に父親を殺され、亡命した今はアメリカ人チャンピオン フレデリック・トランパー(フレディ)のセコンドであり恋人のフローレンス・バシー
恋愛系のミュージカルが続いてたので、久々にかっこいい女性の役でした。
1幕は黒地に白い模様の入ったパンツスーツ。
2幕は白いドレスで、どちらも凄く似合ってた。
20曲近くを歌うけど、中でもNobody's Sideは圧巻。
このミュージカルの音楽は瞳子さんにとても合っていて、ファンが求めるハンサムウーマン瞳子さんがこれでもか!というほど見られる。
初日を観て、これなんだよ。私が観たかったのはこの瞳子さんなんだ。と凄く納得した役でした。
細かいところはたくさんあるけど、この素晴らしい瞳子さんを観ることが出来て幸せでした。

石井一孝さん演じるロシア人挑戦者のアナトリー・セルギエフスキーはフローレンスに惹かれて亡命するんだけど、フローレンスのあるコトのためにソビエトに帰ります。
アンセムという曲を1幕最後に歌うんだけど、心が浄化されるよう。

中川晃教くん演じるのはアメリカ人チャンピオンのフレディ
彼の歌は本当に力があって、ロックもバラードもラップもポップも何でもいけるのですね!
ピティザチャイルドというバラードは千秋楽はショーストップに近いほどの拍手。
でも私は2幕でアナトリーにフローレンスを『取り戻してみたいと。やり直してみたいと思わない日はなかった。今でも』と歌う彼の切なさに胸を打たれました。
本当に素晴らしかったです。

浦井健治くんはチェスの、この世界の審判であるアービター
容姿は高見沢さんみたいな妖しい風貌(笑)
いつの間にかそこにいるっていう世界を違うところから見ている存在。
俺が全て決める。俺だけがルールだ!と歌うザ・アービターも日に日に上手くなっていきました。
彼の低音の魅力は癖になります。
私は彼を見たのは優しい感じの役が多かったので、こういった冷静で何にも妨げられない役は新鮮でした。

メインキャストは4名。
この4名は何が素晴らしいって歌の上手さ、お芝居の上手さも勿論あるんだけど4名みんなが全く声が被らないところです。みんなで歌っても殺さない声の持ち主。
それが何よりもこのコンサートを成功させた要因の1つだと思います。


今回のコンサートはアンサンブル6名とチェスの妖精1名で出演者は11名の少数精鋭でした。
アンサンブルは男女3名ずつ。
みんな上手で本当に今回は実力者揃い。
妖精の男性はロミジュリにも出演してた大野幸人というダンサーで、みんなにはもちろん見えないんだけど、荻田先生の演出によくある存在って感じ。
浦井くんのアービターの駒というイメージですね。
浦井くんと大野くんの異質な存在感が一層この作品を深くさせているな、と。

勝負は白黒着くけど、人間の感情の動きには白黒着ききれないその対比が浮き出す結末がグレーで終わるのは荻田先生特有の観た人の感性に委ねる演出なんだと思います。

久しぶりにこんなに耳福な公演に出会いました。
2012年の幕開けに素晴らしい作品に出逢えて幸せでした。
本当は大阪まで行きたいけど、ここは我慢しときます(笑)

観終わった直後に整理するために書いたから、大分真面目なこと書いてるね(笑)
本当は今月の観劇が全部終わってからまとめて書こうと思ったけど、余りの感動に先走ってしまいました。

客席にいた人
27日夜 星組生多数+小池先生
28日昼 マテ、まとぶん、岡江久美子
29日昼 水、うめ


アフタートークと千秋楽でアッキーが「ミュージカル化した時は~」って言ってたから、きっとすると思います。
その時はきっとMITSUKOを超える回数行くと思うので今からお金を貯めておかなければ!